「死役所」ネタバレ・あらすじ・感想 第85条 「あたしを助けて③」




【この記事は死役所 ネタバレ 第85条 「あたしを助けて③」のあらすじをご紹介します】






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第85条 あたしを助けて③


「警察の人へ

私は立脇さんにお願いして殺してもらうことにしました。

これは嘱託殺人です。

私がお願いしたので、立脇さんをどうか罪に問わないでください」


立脇さんがシュシュちゃんに頼んで、書いてもらったノート。

そこにはシュシュちゃんの過去、シュシュちゃんのお兄ちゃんの犯した罪と、その後のシュシュちゃんの辛く苦しい人生が綴られていました…。


自殺


シュシュちゃんが小学生、お兄ちゃんが中学生の頃、お兄ちゃんのクラスの子が亡くなりました。

亡くなった子とは「あまり話したことがない」というお兄ちゃん。

亡くなった子は「自殺」でした。

自宅マンションから飛び降り、亡くなりました。


原因は「いじめ」だと報じられますが、お兄ちゃんは

「アイツの親父が本当の親父じゃねーから、うまくいってなかったんだよ」

自殺の原因が「いじめ」であることを否定します。


しかし報道では亡くなった男子生徒の父親が、亡くなった息子の日記には生きる事の苦しみが綴られていたと。

息子をいじめた犯人が憎いと、マスコミの前で話します。


「私のお兄ちゃんは、同級生をいじめて自殺させました」


報復


友達の家に遊びに行っていたシュシュちゃんのもとに、お母さんから電話が。

「シューちゃん、落ち着いて聞いてね。お兄ちゃんが亡くなったの…」


自殺した子の父親に、子供の49日に、車で轢かれて亡くなったと。

事故ではなく、「殺そうと思ってやった」と供述する父親。

シュシュちゃんは加害者家族であり、「被害者遺族」でもあったのです。


自宅にはマスコミが多数押しかけ、やむなくシュシュちゃんの母親が対応します。

息子は殺されて当然のことをした。

申し訳ありません、と。


自宅住所や兄の名前、シュシュちゃん本人の通っている学校まで、ネットに出回るようになります。

小学校にもマスコミが来るようになり、「正門から入らない方がいい」「遠回りしてあっちから」気を遣ってくれる友人もいましたが…。

犯罪者」「牛尾菌が付いてる、犯罪者が伝染る」「あの子だよ、例の…ヤバいよね…」


死役所 ©新潮社/あずみきし




ほとんどが敵意の眼差しで、シュシュちゃんを見るようになります。





「私の生活は、めちゃくちゃになりました」


崩壊


突然、学校に現れたシュシュちゃんのお母さん。

言われるままに下校の準備をし、母の車に乗り込むと「このまま引っ越して転校する」と。

当然反発するシュシュちゃん。

しかしお母さんは「全部お兄ちゃんが悪い」

「でも家族じゃん!私のお兄ちゃんじゃん!お母さんの子供じゃん!!」

「そんなの関係ないくらい、ひどいことしたの!お兄ちゃんは!!」


どうやらPTAから多くの苦情が寄せられ、学校からも「対応しきれない」と言われた様子。

お母さんとしても「誰も守ってくれない」ため、仕方なくの決断だったのかもしれません…。

そして離婚する両親。


「私は引っ越して、お母さんの苗字になりました。

お母さんは2回、自殺未遂をしました」


父親


お兄ちゃんを轢き殺した、いじめ被害者の父親の裁判を、こっそり見に行くシュシュちゃん。

法廷で父親は、裁判官に反省しているかと尋ねられ、

「いえ、まったくしておりません」

迷いなく答えます。


その様子が報道されると、世論は父親擁護に傾きます。

「敵を討ってくれる親とか最高過ぎる」

「血の繋がりとか関係ないんだよな。本当の親子ってこういう事だよ」

「どうせロクな大人にならないんだから、殺しておいて大正解」


「私も死にたくなりました。

でも自殺は嫌でした。

自殺未遂なんかするお母さんが嫌いだったからです」


旦那
旦那

シュシュちゃんが頑なに自殺を拒んだ理由は、これだったんですね……。




立脇さん


酒に溺れるお母さんと一緒にいるのが嫌で、家出するようになったシュシュちゃん。

「泊めてあげる」と誘われた男に、初めてを奪われました。

『もうなんでもいいや……』





自暴自棄になり、泊めてくれる人、殺してくれる人を探すようになったシュシュちゃん。

そこで出会ったのが、立脇さんでした。


「立脇さんは初めて私に向き合ってくれました。

立脇さん、迷惑かけてごめんなさい。

殺してくれて、本当にありがとう」


おつらかったですね


死役所。

船田朱果さん、シュシュちゃんの成仏許可証が出来上がりました。

シュシュちゃんの元に持って来たシ村さん。

いつもと雰囲気が違います。


「おつらかったですね」


死役所 ©新潮社/あずみきし




いつもの作り笑いでなく、真顔でシュシュちゃんに向き合うシ村さん。

お兄ちゃんがあんな事しなければ、今も普通に生きてた。

相手のお父さんはヒーロー扱いで、私たち家族は犯罪者扱い。

色んな人に「死ね」っていっぱい言われて、死ななきゃいけないんだってずっと思ってた。


そんなシュシュちゃんの泣き言を、真剣に聞くシ村さん。

「私たち大人が、守ってあげられずすみません」

シ村さんが優しくシュシュちゃんの頭を撫でると、声をあげて泣きだします……。


旦那
旦那

お気づきの方も多いと思いますが、死役所 第一話「自殺ですね?」の加害者、牛尾くんの妹がシュシュちゃんだったんですね……。

鹿野太一くんをいじめ、自殺に追い込んだ後、鹿野くんの血の繋がらない父親に車で轢き殺された牛尾くん。

彼は成仏の門をくぐった後、「地獄行き」となりましたが……。

そのお話では「めでたし」な牛尾くんの結末でしたが、後に残された家族は、こんなにも辛い思いをしていたんですね……。

技術の発達により、安易に「私刑」を与えることが可能になった昨今。

「正しい事をしている」と思い込む前に、自分のやろうとしていることを落ち着いて考える必要があるのかもしれません。




前の記事:第84条 あたしを助けて②
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死役所
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コメント

  1. cla より:

    前回、立脇さんが言っていた「君を苦しませていたうちの一人だ…」というのはSNSで父親側を擁護していたからなんですね…
    後ろ姿ですが椅子が同じでした。
    手伝ったのは罪悪感もあるのでしょうね。

    • はるみ より:

      claさん
      コメントありがとうございます。
      ご指摘いただいて読み返してみたら…本当に!
      シュシュちゃんがお兄ちゃんを殺した犯人(お兄ちゃんがイジメて自殺に追い込んだ
      鹿野太一くんのお義父さん)の裁判を見に行った後の描写で、鹿野くんのお義父さんが
      「殺害を悔いていない」ことを称賛する書き込みをする男性。
      顔は見えませんが、イスは間違いなく立脇さんですね。
      それが間接的にシュシュちゃんを苦しめることなったことを、シュシュちゃんの
      ノートを読んで知った…。
      立脇さんが「自分がやらなきゃ」と思ったのも腑に落ちました。ありがとうございます!

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