「自殺島」第12巻 ネタバレ・あらすじ・感想




「自殺島」(作者:森恒二さん)第12巻あらすじをご紹介するもので、ネタバレを含みます。





スポンサーリンク

第百十一話 生きる為の…


港側グループの生活に、徐々に馴染み始めたセイ。

夜の乱交以外は廃校グループの生活と変わらないこと、サワダの一言でグループの皆が自分を受け入れてくれたこと。

自分がどうしたらいいのか、どうしたいのか悩み始めるトモ。


一方リヴと2人の生活に、だいぶ慣れたセイ。

以前は見つけられなかったバナナの木を見つけ、食糧事情も充実してきます。


更にはリヴが見つけた物置には、大量の薪。

台所のコンロ、部屋のライト、かなりの量が残された灯油に、その灯油を使った行灯……。

「ここは死ぬための島じゃない…生きる為の島なんだ!!」

そう確信するセイ。





第百十二話 トラウマ


遠浅の海岸で、海中に杭が立ててあるのを見つけたセイとリヴ。

人為的に立てられたものに間違いないが、何に使うのかは不明…。


©「自殺島」森恒二/白泉社




何に使うのかを考えながら、水着姿のリヴに欲情したセイは、彼女の身体を求めますが……。

リヴに止められます。


その夜、性的虐待の後遺症から、睡眠中にうなされるリヴ

以前うなされるリヴに触れた際、パニックを起こしたことがあり、何もできないセイ。

性的虐待の傷を抱えるリヴにとって、「男」であるセイもまた「敵」なのです。


何もできない無力さに、家を出るセイですが……自分もまた「リヴの身体を求めている」

彼女を虐待した男と、何も変わらないと気づきます。

目を覚ましたらセイがいなかったため、慌てて彼を追ってきたリヴ。

セイの悩みに触れ、心を決めたように上着を脱ぎ棄てます…。


第百十三話 二つの気持ち


叔父から受けた性的虐待によって、自分は汚れている、穢れている、叔父の体臭・体液が染みつき、洗っても臭いが取れないというリヴ。

普段から神経質なほど、手や体をよく洗っていることを思い出すセイ。

「私がセイを求めたら…セイのことまで汚してしまう……」


叔父の家を出てから、叔父の呪縛から逃れるために何人かと付き合い、早急に関係を持とうとしたリヴ。

しかし男性に触れられれば触れられるほど、冷たく乾いていくリヴの身体。

一つになることは叶いませんでした。


そんなことを望まなければ、生きる事を望まなければ、そういう思いから未遂を繰り返し、この島に送られたリヴ。

しかしこの島に来てセイと出会ったことで、少しづつ考えが変わっていきます。


一度は一緒に屋上から飛び降りようとしていたセイとリヴ。

最初は頼りないセイが、徐々にたくましく、生気が溢れるように。

そんなセイの側に居れば、自分も変われるのではないか……。


「大丈夫、僕が守る。リヴを守れなかったとき、それは……僕が死ぬ時だ」

トモを助けに行く際、その言葉を聞いたとき……、

「私はセイを欲しいと思った……思ってしまった……」


©「自殺島」森恒二/白泉社




セイはリヴを、その過去を含めて受け止め、初めて一つになれた2人……。


第百十四話 一つの命


「その夜」以降、躊躇いなくセイの身体に触れてくるようになったリヴ。

「少しずつの前進」を感じるセイ。


そして百十二話で出た疑問、海中に立てられた杭の謎が解けます。

物置から見つけてきた、随分と長い網。

潮が引くとかなり浅瀬になる場所に立てられた杭。

建網であることに気付いたセイは、網を仕掛け、引き潮で仕掛けに残された魚を簡単に捕獲します。





©「自殺島」森恒二/白泉社




2人での充実した暮らし、幸せを感じる時、同時に感じる「恐怖」

『もし何人かでいきなり襲ってこられたら……』

「大丈夫、僕が守る。リヴを守れなかったとき、それは……僕が死ぬ時だ」


セイの言葉同様、リヴも「セイに何かあったら私は死ぬ」と覚悟。

「二人の命は一つ」だと、その命を大切にすることを誓い合うセイとリヴ。


第百十五話 救われたメッセージ


本格的に狩りができるようになりたい、と望むリヴを連れて山へ。

残り少なくなった肉を得るため、シカを狙います。


見事にシカを仕留めたリヴですが、射る前の「あまりの美しさ」に、その命を奪ったことを悔い、同時に「ありがたい」と…。

最初にシカを射た際に、セイが感じた思い。

そこにリヴもたどり着いたのです。


廃校グループのために、川に沈めてある大きなタッパーにシカ肉を入れようとすると…。

「肉はもらった!オマエラはイモでも食ってろ!!」

というケンの手紙と、大量のジャガイモ。


©「自殺島」森恒二/白泉社




廃校の畑で採れたジャガイモを、シカ肉の代わりに入れておいてくれたのです。

狼煙でジャガイモを受け取ったことを伝えると、廃校からも狼煙が上がります。

落ち込み気味だったリヴを救った、お調子者のケンのメッセージ…。


第百十六話 ミノルの場所


農家の息子・ミノルは、農業・畜産の知識で廃校グループの農業と畜産を栄えさせてきました。

そんなミノルの見る夢は、決まって実家の田んぼ…稲の絨毯です。


廃校グループもミノルとボウシが見つけた「種もみ」から、いよいよ稲作開始です。

田んぼに水を引き、代かきをし、いよいよ田植え。


©「自殺島」森恒二/白泉社




「周りで実家の農業を継いだ奴は、みんな彼女もいない嫁もいない!オレの周りじゃ誰もここいらに残る奴なんかいない!ここにいたってどうにもならないんだよ!」

そう言って家を飛び出し、都会に出たミノル。

6畳一間のアパートで、決まって思い出すのは父と歩いた実家の田んぼ…。


廃校でも田植えを終え、その田を見たミノルの目には涙が…。

『やっぱりオレは……好きだったんだ……ここが』

幼い頃から抱いていた思いに、やっと気づいたミノル…。


第百十七話 ナオの命


廃病院に「入院」中のナオは、お腹が目立ってきて、不安に苛まれる日々。


旦那
旦那

マタニティブルー…と一言で言ってしまえばそれまでですが、人によって現れ方は千差万別…。

それはとても不安なもの……と奥さんに何度も聞かされました。




「美味いもん食えば問題ないって」

お気楽なケンが差し入れしますが、ナオは刃物を持って暴れ出します。

「お前さえいなければ…」

そんな母の恨み言を聞かされ、育ってきたナオにとっては、自分もお腹の子も「いらない命」だと。


騒ぎを聞きつけたリュウとレイコとも到着。

「オレは…子供とか関係ねぇ、ナオがいればいいぞ!?ガキが要らなきゃ引き取るし、育てたいってんなら何でも手伝う。…でもオレは、オマエがいりゃ何でもいいよ!」


旦那
旦那

お調子者で裏表のないケン、だからこその本音でしょう。




外を見ると、リョウやノリオらが、ナオが飛び降りてもいいようにクッションになるものを敷き、待機中。

「いらない命」ではなかったことに気付いたナオ。

一目散にケン……を通り過ぎ、レイコの胸に飛び込み、泣きじゃくります…。


©「自殺島」森恒二/白泉社




第百十八話 外界


外洋の様子が騒がしい日。

国内外のマスコミやNGOの船を、政府の巡視艇が追い払っているようです。


©「自殺島」森恒二/白泉社




政府の巡視艇も、24時間すべての船を追い払うのは不可能なはず。

そうなれば必然、この島に外部の人がやってくる

島での生活が変わるか、或いはいきなり終わりになるか……。

それはそう遠くないことのようです。


島に残るか、本土に戻るか、2択を迫られるはず。

廃校グループ内でも、残る者、帰る者、様々です。

「一緒にいればどこでもいい」というタエとボウシを除いて……。


外洋の騒ぎは、廃校グループと離れて暮らすセイとリヴの目にも入ります。

この日は、島に来た当初にトモとリヴが仕込んだ「魚醤」(醤油)をつけ、刺身を食べる2人。

「トモは今頃……」





そのトモのいる港側グループの目にも、外洋の騒ぎは入ります。

「何が起きるんだろう……」

不安に駆られるトモと、外洋の様子をジッと見つめるサワダ…。


第百十九話 サワダのもくろみ


長く廃校グループで暮らし、サワダに心酔していないトモから見て、サワダにはカリスマ性があり、形はどうあれ港側グループは「よい村だ」と。

「もう充分だろ?もう…向こうには手を出さないよね?」

こんな「王国ごっこ」で満ち足りるわけがない。

オレの欲しいもんはなぁ…刺激だよ!!物語にはな…起伏が必要なんだよ」

何かを企むサワダ。


その夜、カイに呼び出されるトモ。

カイも特に用事があって、トモを呼び出した訳ではありません。

「トモを連れ出す事」自体が目的……。


その頃、港側グループでは「集会」が。

暖かくなって農作物の出来も良く、それを皆に感謝するサワダ。

やっとつかんだ平穏、かけがえのない生活。


「しかしそれは……長くはもたない……。こちらの生活が豊かになれば、あいつらがまた攻めてくる」

これ以上皆が傷つくのは見ていられないから、港側グループの解散も考えている、と言い出すサワダ。

「待ってください!」「オレ達戦います!」「何でもします!」「ここを守るためなら!!」


©「自殺島」森恒二/白泉社




これこそがサワダの目論見。

「そうか…分かった。お前たちに賭けてみよう……文字通り、最後の賭けを!


第百二十話 奇襲


サワダの言う「最後の賭け」を実行するのは、港側グループの女性陣

普段一緒に作業するトモに悟られないよう、準備を進めます。


一方、本格的に稲作を始めた廃校グループ。

普段温厚なミノルですが、稲作には一切の妥協を許しません。

トモを救う・救わないで意見対立し、結果的にセイを「出て行かせてしまった」ミノル

「どうしてもセイに米を持って行ってやりたい」というミノルの気持ちを代弁するのは、廃校グループの細目の男性・タツヤ。


廃校グループの農業・畜産の発展はミノルのおかげ。

そんな話をリョウやリュウ、ケン・タツヤらがしていると、遠くから女性の声が。


港側のグループ女性が、何者かに追われている様子。

すぐさま助けに出ると、女性たちは懐から刃物を取り出し、廃校グループの男性陣に斬りかかります。

リュウやリョウは彼女たちの刃物をかわしますが、ミノルとタツヤは彼女らの凶刃の餌食に……。


©「自殺島」森恒二/白泉社




サワダの命で廃校グループの男性たちを減らすため、襲われている風を装って襲ってきた女性たち…。

「もう私たちにかまわないで!!いいわね!?」

サワダに「騙され」「操作され」、廃校グループは「自分たちの生活を脅かす敵」だと認識している女性たち。


刺されたタツヤは、そのまま意識を失っていきます。

「ダメだダメだ!!おい!待って!!待ってくれぇ~!!」

リーダー・リュウの叫びがこだまします……。




前の記事:自殺島 第11巻
次の記事:自殺島 第13巻


自殺島
スポンサーリンク
スポンサーリンク
旦那をフォローする
スポンサーリンク
ゆるハル、時々旦那

コメント

タイトルとURLをコピーしました