アンコ(往住愛子・とこすみ あいこ)編⑤
7巻表紙がアンコです。
【本記事には「ぼくらの」のネタバレを含みます】
敵の溶解液がコックピット内に流れ込み、足を一部失ったアンコ。
そのアンコの父親で、今回ジアースに同乗しているニュースキャスターの往住明の判断は…。
「撮り続けてくれ」
「放送倫理に関しては、スタジオで判断するだろう」
娘の大けがよりも、放送を優先するかのような発言。
往住明にキレそうなカンジ……よりも先にキレたのはマチ。
「アンタ!それでも父親か!!」
自分のスーツの上着を、アンコの足にかける往住明。
「ありがとう
感覚がマヒしてよく分かんない感じ」
周りの憤怒をよそに、通じ合っている父娘。
「負けられない、負けられないよね」
一方、テレビで中継を見ていた視聴者。
アンコの足が溶解液をかぶった瞬間が、テレビで放送されてしまったようです。
「今…女の子の足…」
「本当に今まで…こんな戦いを…?」
「地球のために…戦っているの…?」
「このおねーちゃん、かっこいいね~」
スタジオから往住明を通し、テレビ局に応援の電話が殺到していることが、アンコに伝えられます。
「アイドルみたい?アイドルみたいだね」
『アイドルか…イチかバチか…』
何かを思いついた様子のアンコ。
ジアースに刺さっている敵の針を抜き、武器にして剣のように斬りつけ、矢のように投げつけます。
しかしそれを上回る素早さを見せる相手ロボット。
焦りからか、針がすっぽ抜けて真上に飛んでしまいます。
「すっぽ抜けてる!」とマチ。
「分かってる!」とすかさずアンコ。
何か狙っている…?
攻撃を続け、相手との間合いを縮めながら…、真上に飛んだ針をキャッチ!
すかさず反転して斬りつけます。
アンコが憂さ晴らしにやっていた「アイドルごっこ」の動きそのまま。
真上に投げたマイクをキャッチする様子そのままです。
意表を突いた攻撃に、まともにその攻撃を食らう相手ロボット。
「逃がすな!」
「モチ!」
マチとアンコの急造コンビ、息ピッタリです。
いったん捕まえてしまえば、ジアースのものです。
相手ロボットは、素早いですが力はなさそうですし。
あっという間に敵ロボットの急所(相手の地球のパイロットが乗るコックピット)を取り出します。
あとはこれを破壊(厳密には、コックピット内の相手パイロットを殺害)するだけ。
ここで佐々見さんが、ジャーナリスト側(往住明とカメラマン)に、コックピットからの移動を求めます。
あらかじめの約束でしたね。
しかしここでコエムシが、いつものひねくれ発言を。
「オレ様は今すこぶる機嫌が悪い。
2人とも出してやらね~」
佐々見さんとしては、戦闘後(敵コックピット破壊後)、往住明の目の前で、娘のアンコが目の前で亡くなるのを見せないように、という配慮だったのでしょうが…コエムシによってその配慮は無駄になります。
「知っています」
力強い声で、往住明がコエムシと佐々見さんのやり取りを遮ります。
「知っています
戦闘後、パイロットがどうなるのか…」
コモの父親・小茂田巴から聞いたようです。
もちろん二人とも守秘義務違反ですが。
「パパ、ゴメンね、だまってて…」
やっぱいい子だった…アンコ…。
「まだ時間はあるか?
テレビを見ている人たちに話してみるか」
急遽、ジアースパイロット・往住愛子からのメッセージ。
自分たちはとある事情から、ジアースと契約することになった。
契約したのは自分とコモとカタリくんの3人だが、カタリくんが不幸なことになってしまい、今は2人だけ。
相手は地球を滅ぼさんとするロボットだが、どこから来るのかは不明。
ジアース自体も、どこから来たのか不明。
自分たちは地球を救わなきゃならないので、一生懸命頑張っている。
でも、自分たちの力量不足で、街や人に大きな被害を出してしまっている。
一度街に大きな被害を出したことがあるが、敵性ロボットからパイロットが逃げたために、やむなくジアースでそれを追いかけた。
逃がしていれば、もっと被害は広がっていた。
自分たちは、社会全体の奉仕者であることを自覚している。
許してもらおうなんて思ってないし、そんなことは言えない。
けれど、頑張って最後まで戦うので、もう少しだけ時間をください。
「愛子…
お前いつの間にそんなしっかり話を…」
「だって、あたしずっとパパのテレビ見てたもん…」
相手ロボットの急所を破壊し、ジアースは勝利。
そして、アンコは亡くなります。
おバカちゃんなんてとんでもなかった。
最後のメッセージ発信、本当にしっかりしていました。
チズが自分を辱めた犯人たちを殺すために暴れたことも、敵が逃げたため、という嘘でフォロー。
人は、社会に対する奉仕者だというナカマの口癖も、メッセージに盛り込み。
今まで戦ってきたすべてのパイロットの言葉を代弁するメッセージだったと思います。
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