「ぼくらの」あらすじ紹介【ネタバレを含みます】(15.マチ⑤~告白~)

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マチ(町 洋子・まち ようこ)編⑤

一通りジアースパイロットの「残された人達」をまわってきたウシロとマチ。

最後にもう1人、まわることにします。

「勝手に仲間になってきたと言えないこともない」カタリくんです。

「カタリくん」=「狩田淳二くん」

アンコとコモをジアースパイロットとして公表する、というシナリオで、テレビ番組を放送する予定だったその直前、他局で「自分がジアースのパイロットだ」と名乗り出、結果、被災者遺族に撃ち殺されたカタリくん

ウシロとマチは、カタリくんはジアースパイロットでないこと、それどころか自分たちと何の関わりもないことを、正直に話します。

カタリくんは両親と、小学一年の弟の4人家族でしたが、その両親は離婚しようとしていました。

両親にとって、より大きな問題を起こすことで、それを止めようとしていたのです。


カタリくんの両親は、真実を知ったうえで「弟にはぜひ、淳二がジアースに関わっていたということに、してあげてください」と。


カタリくんの弟に会いに行く、ウシロとマチ。

弟の惣二くんは、公園で1人、遊んでいました。

顔には絆創膏。

兄のせいで、学校でいじめられているようです。


「お兄ちゃんはうそつきだ。お父さんもお母さんも。だから僕が学校でいじめられる。」

マチが話しかけます。

お兄ちゃんは嘘つきなんかじゃないよ。テレビ、見てた?あたしがロボットに乗ってたの、見てた?


「テレビ」とは、アンコの戦闘ですね。

カタリくん射殺後、「パイロットはコモ、アンコ、カタリくんの3人だった」ということにして、その信憑性を高めるために、ジアースコックピット内から、アンコの父・徃住明が戦闘を生中継したテレビのことです。

その際、マチは「コモ役」として、変装したうえで戦闘に参加していました。

戦闘中、相手ロボットがジアースに刺した針からの溶解液で、アンコは足を負傷します。

同時に、溶解液の一部がコモ(役のマチ)の顔にも、かかっていたのです。


マチは頬の絆創膏を取り、その傷を惣二に見せたのです。

「お兄ちゃんは…嘘つきじゃないの…?」

これ以上ない「物証」を目にし、惣二もマチの言葉を信じたようです。


1人遊ぶ惣二を見守りながら、マチが勇気を出します。

ね、ウシロ。告白していい?


初めて見た時からさ、気にはなってたんだ。

集団から浮いてるところが、お兄ちゃんみたいで、何か人ごとに思えなくて。

お兄ちゃんには『深情け』なんて言われたりしたけど。

でも、特にここんところね、あんた結構ちゃんとした奴なんだって分かって、

ウシロ、あんたのこと好き。」


ぼくらの ©小学館/鬼頭莫宏



旦那
旦那

「ぼくらの」作中の好いた惚れたは、チズと畑飼くらいでしたからね。

純粋な中学生の告白。鳥肌が立ちました。

チズやアンコ、コモのような「女子」らしい子じゃなくて、マチの告白っていうのが、逆にいいですね。




照れながら「ありがとう」と答えるウシロ。

「あーーー!!ドキドキした!!あたし人生初告白だよ。契約するときよりドキドキしたかも。

ついでだ、もう一つ言っとくか」

と切り出したマチ。

今日の夜、一緒に寝よう。

サラリとすごいことを言うマチに、さすがにウシロも狼狽します。

「動揺してる、かわいーー。」

からかわれてキャラ崩壊するウシロ。


「夜が、怖いんだ」

ナニかがしたいとかじゃなく、もうすぐ確実に訪れる死を前に、1人寝る夜は不安に押しつぶされそうなんですね…。

答えを返せないウシロに、

考えといて、あたしは待ってるから


ぼくらの ©小学館/鬼頭莫宏



旦那
旦那

ここのマチ、本当可愛いですよ。




砂場の方から、惣二の泣く声が聞こえます。

さっきまでブランコで遊んでいた少年が、惣二のおもちゃを取り上げています。

すかさず駆け寄るマチ。

「こら~~!!あんた小さい子相手に、何考えてんの!?」

少年を叱るマチ。


次の瞬間、小さめの、おもちゃの拳銃を取り出した少年。

「パパパン」




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