「死役所」ネタバレ・あらすじ・感想 第89条 「社会貢献②」




【この記事は死役所 ネタバレ 第89条 「社会貢献②」のあらすじをご紹介します】








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第89条 社会貢献②


詐欺グループの続き。

先輩・多胡と後輩・青柳のお話ですね。


騙される方が


死役所

ニシ川さんの担当する「自殺課」には、こんなお客様も来られます。

「息子を助けるために大金を払ったものの、それが詐欺だった。息子にものすごく怒られ、責任を感じて……」


「責める息子も息子ですよ。犯人責めればいいのに。わざわざ母親の落ち度に文句言って。」

「姿の見えない犯人より、目の前の母親に怒りを感じてしまったのでしょう」

ニシ川さんの言い分も、シ村さんの言い分も分かりますねぇ……。


今度は息子が責任感じて来たら……自殺の連鎖です。

「あー面倒臭い。犯人は何考えてるんでしょうね?」

「”騙される方が悪い“ではないですか?」


旦那
旦那

多分そうだと思います。




青柳


現世

前話で話していた通り、母親と弟妹を温泉に連れて行く青柳。





車酔いする妹の面倒を見て、テーマパークに連れて行き、高級料理に舌鼓を打ち、夜は温泉…。


貧乏だった青柳家にとって、分不相応な贅沢ですが、これも青柳の稼ぎであり、紹介してくれた「多胡先輩」のおかげ。

弟・蓮と大浴場で入浴中、ふと「おれらのとーちゃんってどんな人?

まだ小学生の蓮は、借金を苦に蒸発した父親のことを知らないのです。

父親がいなくなった当時、小6だった青柳は、その後の「艱難辛苦」とも呼べる生活を思い出すのが嫌で、「覚えてねー」とごまかします。


弟妹が寝た後、母親と2人でビールを飲みながら…

「ごめんね…あんたには随分苦労を掛けて…。お父さんがねぇ…本当にねぇ…」

ここでも父親の話を避けようとする青柳。

「あの時が今の俺を作ったんだ」

そして、仕事はやりがいがある。

世の中の役に立ってる仕事だから。仕事紹介してくれた先輩のおかげだよ」


死役所 ©新潮社/あずみきし




出会い


旅行から帰って家族を実家に送り、自分のマンションに戻った青柳。

あまり家族と一緒にいると、「ボロ」が出る可能性があります。

世の中の役に立つ仕事」と言いながらも、実際は高齢者を狙った「振り込め詐欺

自分がそんなモノに加担していると、悟られてはいけません。


予定通り「次の仕事場」が決まるまで、間隔があきます。

その間派手な金遣いをすれば、たちまちヤクザに目を付けられる…。

出来るだけ大人しくしようとする青柳がコンビニで見つけたのは「肉まん」


青柳少年高校時代。

育ち盛りの少年が、父親の作った借金による貧乏暮らしで、お昼は「おにぎり2個」

お腹を空かしながら下校する青柳の目に入ったのは、部活を引退した先輩が後輩のために差し入れているところ。

それが多胡であり、バイト代で肉まんやらカレーまん、ピザまんを大量に買い込んで、後輩に差し入れていたのです。

たまたま通りがかった青柳、「オマエもどうだ?」と声を掛けられますが、自分は部外者。

遠慮していると、お腹は正直に「ぐうううぅぅ」と……。

結果多胡からピザまん3つ貰った青柳。

これが2人の出会いでした。


店長


コンビニでピザまんを買い高校の頃を思い出し、多胡に会いたくなった青柳。

「前の仕事場」の打ち上げ時同様、2人で焼肉屋へ。

家族旅行の話で盛り上がった後、多胡が真顔になり

オメェ、店長やらねぇか?


旦那
旦那

こういう詐欺グループにも「役職」があるんですね。

多胡が店長から「番頭」に昇格するため、後釜の店長に青柳を推したいようです。




自分にはまだ早い、力量不足だという青柳に「オマエならやれる」「素質がある」とホメ殺す多胡。





『自信ないけど……やってみたいかも……』

青柳の気持ちも前向きに変わっていきます。


そして1点、青柳には気になることが。

「立ち上げの資金って、店長が出すんスか?」

詐欺グループの1店舗、事務所の賃貸料やら人員の給与やら、相当な額になるでしょう。


ヤクザ


「ちゃんと金出してくれる奴がいるよ。普通に小指ない奴もいるし」

自分達のスポンサーに、自身が最も嫌う「ヤクザ」がいることを知った青柳。

自分がヤクザのせいで辛い思いをしてきたこと、ヤクザを嫌っていることは多胡も知っているはず。

「んだよ、ガキの頃の話いつまでも。トラウマ克服するチャンスと思えよ」

尊敬する「多胡先輩」とはいえ、躊躇ためらいを隠せない青柳。

「テメェの今の暮らしはヤクザのおかげなんだぞ。青柳ぃ、まさか辞めるなんて言わねぇよな?家族、大事なんだろ?


死役所 ©新潮社/あずみきし




今まで「人当たりの良い、面倒見の良い先輩」だった多胡ですが、完全に「本性」を現しました。

エサを撒いて人を惹きつけ、食い物にするタイプの人間かもしれませんね。


多胡と別れた帰り道、転職情報誌を見る青柳。

資格が必要なのに、今よりも安い給与。

とても転職に対するモチベーションは上がりません。


「履歴書持参」

詐欺グループで働いていた青柳に、「職歴」に書けることなどありません。

多胡に誘われた際、「詐欺」と認めたうえで

「結果として経済を動かし、弱ぇ奴を救える。義賊ってやつだよ

耳触りのいい言葉にそそのかされた青柳。


死に金を自分たちが使っているから経済が回る。

そのためにヤクザが金を出す。

ヤクザの金が回ってるって事か……?』


「ヤクザは嫌い」

「家族のために」

2つの気持ちの間で揺れ動く青柳……。


旦那
旦那

冒頭のニシ川さんとシ村さんの「自殺云々」のやり取りが伏線だとすると、今回亡くなるのは青柳、しかも自殺なのかなぁ…。




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死役所
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