【この記事では「監獄実験~プリズンラボ~」第4巻のネタバレ・あらすじをご紹介します。原作: 貫徹/作画:水瀬チホ】
情報聴取
藍都と勝又誠司は、それぞれお互いの監禁室に入り、情報聴取を行いましたが……。
藍都の方は倉梨エリカから情報を入手できず、勝又誠司も瀕死の桐島彩の看護をしただけで、情報は得られていません。
それと倉梨エリカから提案された、「裏オプション」の件。
名案だが、急な話だったので考える時間が欲しい。
やるかどうか、明日答えを出しますとする藍都。
情報聴取初日は、お互い白紙で回答用紙を提出します。
藍都が入って以降、初めて自分の監禁室に入る勝又誠司。
倉梨エリカが、藍都に暴力を振るわれていないか、心配で急ぎます。
桐島彩のあの姿を見ては、それも当たり前でしょう。
しかし、ちょっと脅されたぐらいで殴られたりはしていない、という倉梨エリカ。
藍都が倉梨エリカの首を絞められながら、申し出たのは
「あんたを監禁した相手への、復讐を手伝ってやる」
その申し出に対し、倉梨エリカは
「そんなの、許せばいいじゃないですか」
「だったら俺を許してみろよ。俺がお前を殺しても!」
そう言って、倉梨エリカの首を絞める手の力を、強める藍都。
しかしすぐに手を、離しそのまま監禁室を出ていったのです。
倉梨エリカ、勝又誠司とも、何故藍都が途中で監禁室を出て行ったのか、その真意を測り損ねます。
それは藍都の担当・原川も同じ。
「あのままいけば、名前くらい聞き出せたかもしれないのに」
という原川に対し、
主催者・九字間の言葉を思い出す藍都。
『その地位は、君が実力で得たものではなく、我々が与えたこの場だけの役なのだ』
「殴るだけなら簡単です。でもそれは、九字間の思い通りに操られているだけ。気に入らない」
それが藍都の考えでした。
自分のやり方で情報調子を、勝ちに行きたかった。
しかし名案が浮かばず、逃げ帰っただけだった、と。
勝又誠司同様、桐島彩のいる監禁室に戻った藍都。
桐島彩は眠っているのか、気を失っているのか、反応がありません。
監禁室を掃除した勝又誠司に対しボヤく藍都。
「どうせ無駄なのに……またすぐに吐いて、漏らして、汚れるんだ。余計なことはしなくていいのに……。どうせ死ぬなら……いっそのこと、今ここで……」
いっそのこと、桐島彩を殺してしまえば…という考えが、藍都の頭を過ります。
「いや、違う!俺の目的は復讐だ!桐島を苦しめる…苦しめるために殺さない……。僕はこいつを殺したくて…いや、殺したら苦しめなくて……」
自身の考えが纏まらない藍都。
九字間とのの会話で、動揺しているようです。
その様子を、監視カメラ越しに見る原川。
「落ち着け、藍都。大丈夫…君は悪くない。君のせいじゃない……」


単なる「藍都の担当」という感じではなく…別の思い入れが、藍都に対してあるようですね、原川さん。
その原川のもとに、「江山藍都の自宅周辺を、うろつく人物を発見した」との電話が…。
既にゲームを失格となった、三崎由乃の部屋。
新村から担当を変わった園枝だは、三崎由乃が持ち込んだ凶器を回収していました。
「これからキツイことが増えそうだから、気分転換になればと思って……。タバコ吸うのに、ライターとオイルだけ使ってもいい?」
それ以外の道具は、すべて没収されました。
「残せたのはこれだけか……さて、どうやって逃げ出すか……」
気分転換などではなく、脱出のことを考えていた三崎由乃。
新村
一方、その三崎由乃の元担当・新村は、「聞かれたらマズい話」を、長峰に持ちかけます。

「結論から言うと、この監禁ゲームは九字間の裏に『別の主催者』がいるかもしれない。そしてゲームの目的が終わった後で、参加者も自分達も全員殺される可能性がある」
というもの。
理由は、追加ゲーム「情報聴取」のルール説明の時、「九字間本人が顔を晒した」こと。
法に触れることも行う組織内で、九字間の顔は少数の人間しか知りません。
単純に表に出るのが危険だからです。
その九字間が顔を晒したということは、見た人間を生きて帰さないと言う考えがあるのではないか、と。
そしてもう一つ。
「昔、監禁ゲームと似たようなことがあった。監禁者と拘束者を用意して観察する、ゲームですらないただの実験だったな。その実験を手伝った先輩たちは、その後全員殺された」
当時、遺体の処理をさせられたという新村は、
「九字間は口封じのために、平気で部下を処分する。自分たちもいつ殺されてもおかしくない」
その2つの理由から、自分たちは殺されるのではないか、と考えていたのです。
「自分達は所詮、九字間に雇われた働きアリ。組織からは逃げられない。殺されると分かっていても。だからといって、大人しく殺されるわけにはいかない。殺される可能性がある以上、対策を立てて準備する。九字間と戦うことになっても。」
自分たちが殺されるとなれば、理由は単純に口封じ。
このゲームには、表には絶対出せない何かがある。

「表に出せない」と言う意味では、人を拉致監禁すること自体が「表に出せない」とは思いますが、そういうヤボな突っ込みは我慢しておきましょう。
九字間への対抗策を考えるために、ゲームの目的の裏側を探ることが必要、と考える新村。
ひとつの取っ掛かりとして考えていたのが、
「監禁ゲームが始まってから、運営側でたまに様子がおかしくなる奴がいる」
という事実。
それは、長峰にも心当たりのある人物。
原川でした。
新村と原川は、2人とも「九字間の養護施設」にいた頃からの、10年以上の古い友人。
誰よりも原川を知っている新村は、様子が変わればすぐに気付きます。
そして今回の監禁ゲームが始まり、原川の様子が変わったことに気づいた新村。
原川が「何か特別な役で、この監禁ゲームに関わっているのではないか」と考えていたのです。
原川自身が、自分から望んでゲームを遂行しているのか。
九字間の命令で、仕方なく協力しているのか。
後者であれば九字間を許せないし、原川を助けてやりたい。
長峰に原川の観察を頼み、自分はこの「監禁ゲームの目的を調べる」という新村。
そのために三崎由乃の担当を、園枝に代わってもらったのです。
動揺
一方その原川。
藍都からの頼みで、車を走らせていました。
九字間との会話で動揺し、霧島への考えが纏まらなくなった藍都は、気分転換に外の空気が吸いたい、と。
「いい場所がある」
と案内する原川。
そこは海辺の展望台でした。
潮風に当たりながら、藍都は原川に話します。
「ゲーム終了まで3週間もある。桐島彩はたぶん死にます。このままだときっと、僕は桐島彩をこの手で殺すだろうから…」
動揺の収まらない藍都に対し、原川から藍都の心を揺さぶるような報告が。
「秋山奈美が、藍都の家の周りを見張っている」というもの。
桐島彩の弟・優に会った時に、その様子を秋山奈美に見られていたからです。
「もし望むなら、秋山奈美も監禁室に入れられるよ…?監禁相手の追加を選べばね。まあ、勝俣さんに勝てればの話さ」


原川の悪魔の囁きです。
先に車に戻ろうとする原川に、相手は尋ねます。
「今日のあの人って、本当に主催者の九字間なんですか?」
うまく説明できないけれども、何か「違和感」を感じたという藍都。
秋山奈美
主催者側の各参加者の担当、原川・新村・長峰は、夜の打合せ。
その日あった「情報聴取」の結果報告等を行なった後、すでに失格になった三崎由乃の、精神鑑定の結果が報告されます。
「問題アリで社会生活に戻すのは危険」だと判断された三崎由乃は、監禁ゲームが終わった後、「処分」されることとなります。
担当の新村としても鑑定の結果に文句はなく、三崎由乃の行動は異常だったと。
ただ一つ気になることが。
「なぜ今すぐ処分せず、『ゲーム終了まで生かす』のか」
新村から引き継いだ担当の園枝は、三崎由乃にその情報を漏らしてしまいます。
三崎由乃本人も危機を感じ、本格的に脱出を考え始めます。
同日深夜、原川の指示で追加で、拉致されてきた女性が監禁ゲーム会場に運ばれてきます。
黒塗りの車のトランクを開けると、そこには後ろ手に縛られ、猿轡をされた秋山奈美が。
「参加するかは分からないけど、ウロウロされると邪魔だからね。ゲーム期間の終了まで、お世話してあげようと思ってさ」


藍都に相対する時のような、優しい表情ではなく、狂気の入り混じった表情の原川が……。
監禁ゲーム8日目
三崎由乃が本格的に、脱出に向け動き出します。
食事中も新しい担当の園枝が、側に着きます。
女性に免疫の無さそうな園枝を、色香で誘う三崎由乃。
「キスの経験ある?私とじゃ嫌?」


誘いに乗ってきた園枝に、
「目を閉じて」
言われる通り目を閉じた園枝。
その閉じた目を、食事で使用していたフォークで「グサリ」と刺します。
痛みに悶える園枝を、今度は後ろから大皿で殴りつけます。
園枝の上着から拳銃を取り出し、その拳銃で園枝を撃ち、その遺体にオイルライターを撒いて火をつけ、逃走を図る三崎由乃。
昨夜、監禁ゲーム主催者側の手によって、拉致されてきた秋山奈美。
物置のようなところに閉じ込められていましたが、部屋を宛がわれ、主催者側の濱によって連れて行かれる最中です。
浜に対し、強気な態度で「家に帰して」と詰め寄る秋山奈美。
「学校みたいな狭い世界だと、イジメやなんや好き勝手できたかもしれないけど…ここじゃ、てめぇが狩られる側だ。勘違いしてたら頭撃ち抜くぞ」
拳銃を見せられ、トーンダウンします。
エレベーターで、監禁室のある地下3階へと移動する秋山奈美と濱。
その濱のもとに、「園枝が殺された」と電話が入ります。
エレベーターの扉が開くと、そこには三崎由乃。
先ほど園枝から奪った拳銃で、濱を撃ち殺します。
園枝と濱の2人を殺し、高笑いする三崎由乃は
「あなた誰?」
秋山奈美に話しかけます。
江山とアイト
誘拐されてきたと話す秋山奈美と、行動を共にすることにした三崎由乃。


このまま外に逃げても、途中で捕まると考える三崎由乃。
人質を取ることにします。
自分の精神鑑定をし、藍都が小指を食いちぎられた時、その処置を施した老医師を人質に取ることにした、三崎由乃。
医務室に向かいます。
しかしそこに老医師はおらず…。
秋山奈美に、なぜここに誘拐されたのかを尋ねる三崎由乃。
桐島彩が行方不明になり、犯人は藍都と決めつけて探っていたから、邪魔に思われたのかもしれない。




ここまでは、秋山奈美の予想が合っていますね。
「アイトくんの友達なんだ?」
藍都を気に入っていた三崎由乃にそう問われると、それは違うと反論します。
「江山は彩のストーカー。最低のクズ。」
その一言で全てを察した、三崎由乃。
自分の監禁相手を殺した時、藍都は笑って協力してくれた。
でもそれは、殺しを楽しんだたわけではなく、自分を変えようと「無理して笑ってくれていた」ことに気付いていた三崎由乃。
臆病だから周りに合わせる。
しかも彼は、人殺しに付き合えるほど、自分を変えてしまえる。
「それって自分勝手な私にはない感覚だから、魅力的なのよ。そんな受け身なアイトくんが、ストーカーなんかするかなぁ、と思ってさ。その彩ちゃん、嘘ついてる気がするなぁ。アイトくんに復讐しようと思わせるなんて、よっぽどのことをしたんだろうけど」
盲目的に桐島彩を信じ、崇拝する秋山奈美は、
「彩はみんなに信頼されてるいい子ですから、嘘つく理由がないですよ」
と反論します。


三崎由乃、頭いいですね。
ちょっとしたやりとりで、藍都と桐島彩の間に何があったのか、おおよそ把握してしまったようです。
二人の関係性を知らず、第三者的に話を聞いた結果なので、余計な固定概念が排除されているからかもしれませんが、的確に正解に辿り着いています。
人を殺すことを楽しむ、根っからのシリアルキラーのようですが、頭は切れるようです。
捕縛
「人質がいないなら、早く行きましょう」
部屋を出た秋山奈美。
しかしそこには、主催者側の田島が待ち構えていました。
三崎由乃は秋山奈美を置いて、一人で逃走しますが、田島によって追い詰められます。
追い詰められた三崎由乃のとった行動は……園枝にかけたライターオイルの残りを、自分の周りに撒き、火をつけます。


捕まって殺されるくらいなら、自分で死んだほうがマシ、ということなのでしょうか。
そのま焼死するかと思われた三崎由乃でしたが、主催者側の米澤が機転を利かせ、スプリンクラーを作動させます。
「死んで楽になろうなんてナシだぜ。暴れたツケは払わなきゃな。ここから先は生き地獄だ、楽しめよ」
藍都の監禁室。
桐島彩の体力の回復を待ち、再び暴力を振るい始める藍都。
「徹底的にお前を壊して、奪って、俺が強くなったと証明してやる」
それに対する桐島彩の反応は、意外なものでした。
「江山の……気が済むまで、好きにしていい。我慢する……。全部……受け入れる。終わったら……家に帰るの……。優と快が待ってるから……帰らなきゃ……絶対、帰るから……」
「悲劇のヒロイン」のような物言いの桐島彩に、激怒する藍都。
「今を耐えれば、昨日の男が助けに来ると思ってるんだろ?残念だがもう二度と来ない。俺の復讐は、誰にも邪魔させない!絶対に生きて帰さない、それだけは覚えておけ!」
そう言い放ち、監禁室を出る藍都。
しかし監禁室を出て一人になると、その考えすぐに揺らぎます。
中学時代、自分に優しく、仲良く接してくれた桐島彩。
あれが全部嘘だったのか…。
「桐島…さん……。本当に…全部…ウソだったの……?」


津上奏太
娘・幸の病院に、見舞いに訪れる勝又誠司。
担当の長峰が選び、差し入れてくれた本に、夢中の幸。
長峰に感謝し、2人で監禁室へ向かおうとすると、病院のロビーで出くわしたのは「津上奏太」でした。
幸が暴行され、殺されそうになった夜、警察に通報した青年でした。
津上奏太を伴い、再び病室へ戻る勝又誠司。
事件後、極度の対人恐怖症になった幸でしたが、自分を助けてくれた恩人になら、普通に接することができるのでは…。
しかし幸は津上奏太の顔を見るなり、布団を被って怯え出します。
勝又誠司の淡い期待は、露と消えます。
担当・長峰も、津上奏太については把握していました。
帝東大学の大学生で、幸が暴行された時に、救急車を呼んでくれたというところも、主催者側は調査済みのようです。
監禁ゲーム会場に向かう途中の車中、情報聴取における「情報交換」を、藍都が受け入れたと連絡が来ます。




桐島彩が、勝又誠司を「希望」と考えているなら、その可能性を排除したい。
そういう考えで、藍都は「情報交換」を呑んだのでしょう。
情報交換
監禁ゲーム会場で、一日ぶりに対峙する藍都と勝又誠司。
まずはお互いの監禁相手の情報を、それぞれ受け取ります。
倉梨エリカの情報を受け取った勝又誠司。
学歴や病歴、過去の異性関係まで記載されている資料に、驚きを隠せません。
中でもひと際驚いたのが、倉梨エリカが「不倫」をしていたということ。
対する藍都は、資料を見るなり傍目にも一目で分かるほど、動揺しています。
勝又誠司に促され、お互いの情報を交換する藍都。
勝俣政治が受け取った、桐島彩の情報には、娘の幸と同じく「強姦の被害者」であることが記載されています。
そしてその加害者4人の中に、「津上奏太」の名前が入っています。


桐島彩が強姦されたのが、まだ中学生の時。
娘・幸もまだ中学生で、公園で複数人に襲われた。
その現場に現れた津上奏太。
3年前に、霧島彩を暴行した男。
幸を襲ったのも、この津上奏太のグループでは……?
「救急に通報した」としながら、実は犯人グループの一員である可能性が高い、津上奏太。
『俺は……騙されていたのか?』
津上奏太の殺害を、固く誓う勝又誠司。
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