【この記事では「監獄実験~プリズンラボ~」第1巻のネタバレ・あらすじをご紹介します。原作: 貫徹/作画:水瀬チホ】
江山藍都
高校生・江山藍都は、凄惨なイジメを受けていました。
「便所プール」と称し洋式便器に顔を突っ込まれ、モップで殴打され、最後は足蹴にされる。
汚水だらけ、血だらけになって、やっと解放される…そんな日常を送っていました。
教室に戻れば、机には落書き。
ご丁寧に、机の上にジュースまでこぼしてあります。
「明日から夏休みだから…放っておこう」
桐島彩
帰ろうとした藍都に声をかけてきたのは、イジメの主犯「桐島彩」。
最大にして、最悪の元凶。
藍都の人生を狂わせた、張本人。
しかし、優等生でクラスのリーダー、教師の信用も得ている桐島彩は、傍目から「イジメの主犯」などと思われるはずもありません。
自分の手は汚さず、周りの人間を使って相手をイジメる、桐島彩。
藍都は高校入学当初、桐島彩に「何か」をしたようで、それもイジメの原因になっているようです。
「あんた私に何したか、忘れたの?あんたはさ、ずっと私のおもちゃなの。ストレス解消の道具なの。だって…あなた弱いから。じゃあね、江山君。夏休み明けに…また」
監禁ゲームへの招待
帰宅した藍都の元に届いていた郵便物。
九字間という、聞いたことのない人物からの、「監禁ゲーム」への招待状でした。
「『理不尽』な人生を送っている人に対する、人生を変えるチャンスを与えるもの」
監禁ゲームのルール
監禁ゲームの期間は一ヶ月。
参加者は監禁する相手を指名する。
相手を殺さなければ、何をしても良い。
相手が死亡した場合、罰金一千万円ゲームは終了。
ゲームの勝敗は「名前当て」にて行われる。
「名前当て」は一週間に一度。
監禁者は自分の名前がバレないよう、一ヶ月間監禁し続けなければいけない。
最後まで名前を当てられなければ、監禁者の勝利。
監禁者の名前を当てれば、相手の勝利。
勝者には賞金一千万円が与えられる。
自分をイジメている桐島彩たちのイタズラだろうと、本気にしない藍都は、昼間のイジメに疲れ、寝入ってしまいます。
夢の中に出てきた桐島彩は、鈍器のようなもので藍都を殴打し続けます。
悪夢にうなされ目覚めた藍都は、精神的に追い詰められていることを自覚します。
「監禁ゲーム」への参加を決意する藍都
「監禁ゲーム」招待状に書かれた、「登録サイト」にアクセスし監禁相手の名前を入力します。
もちろん相手は「桐島彩」
名前を入れると「この方で間違いありませんか?」
桐島彩の写真が出てきます。
有名人でもないのに、名前を入れただけで本人の写真が出てくる。
「このゲーム……もし…本当なら…」
イタズラではないと思い始める藍都。
監禁ゲーム初日
翌日。
「十時に指定の場所に来て下さい。係の者が会場に案内いたします」
連絡をもらった藍都が指定場所で待つと、現れたのは「原川」という男性。
黒い背広に、黒いネクタイ。
黒のサングラス、という出で立ちで、一見怖そうな見た目ですが、話すと結構おちゃらけた原川。
これから一ヶ月、藍都を担当する「サポート役」です。
原川の運転する車で、監禁ゲームの会場に着いた藍都。
ホテルのような個室が一部屋、用意されています。
そしてその奥には「監禁部屋」
監禁相手に指定した「桐島彩」は、すでに監禁部屋に鎖で繋がれていました。
自分の正体がバレ、「名前当て」で名前を言われれば、「負け」
自分の正体がバレないよう、仮面をつけて桐島彩と対峙する、藍都。
週に一度の「名前当て」のことなど監禁ゲームのルールを、桐島彩に説明します。
自分がイジメた相手が、復讐のために自分を監禁したのだろう、と考える桐島彩。
その口からは、何人もの名前が出てきます。
自分以外に、何人をもイジメていることを知った藍都。
呆れながらも、
「自分の目的は、桐島彩を地獄に叩き落とすこと」
だと宣言します。
殺したら失格だが、「何をしても構わない」といういうルールに則り、桐島彩に危害を加えようとする藍都。
まずは小指を折ろうかと、桐島彩の腕をひねり、力を入れますが…。
鎖に繋がれ、抵抗できないにもかかわらず、桐島彩は強気な態度を見せます。
「あいつらがイジメられるのはね、あいつらが弱いから悪いのよ。強い相手にビビって、何もできないあいつらが…。どうして自分たちがイジメられるのか、あいつらには分からない…。だから変われない。そんなの、いじめられて当然でしょ!」
三崎由乃
雰囲気に飲まれ、桐島彩に危害を加えられなかった藍都。
監禁部屋を逃げるように出て、自分の個室を出た廊下で、監禁ゲームの「別の参加者」に出会います。
名前は「三崎由乃」。
二十四歳の女性です。
勤めてた会社の上司を監禁したと言う、三崎由乃。
「失敗をなすりつけられ、会社をクビになり、その後鬱になって精神科に入院。新しく始めたバイトもうまくいかず、生活保護をもらいながら職探し。その上司に自分の何もかも、全部を壊された」
という三崎由乃。
人懐っこく、明るい性格に見えますが…言動の端々に「異常性」を感じさせる三崎由乃に対し、警戒心を抱く藍都。
監禁相手についても、同級生であることは伏せ、「自分が思いを寄せる女子を、強姦した教師」だと嘘をつきます。
原川に頼んで、三崎由乃の監禁の様子を見る藍都。
藍都のように仮面も被ることもせず、自分の正体を隠そうともしない三崎由乃。
持ち込んだ武器を使い、監禁相手の元上司に暴力を振るい続けます。
メリケンサックを装着し、顔の形が変わるほどの殴打。
鞭を取り出したと思えば、その鞭で何度も顔を叩き続けます。
次にペンチを取り出し……一本一本、「歯を抜き始める」三崎由乃。
見るに堪えない様子ではありますが、藍都は目を逸らそうとしません。
「僕は…これを見なくちゃいけない。僕は人生を変えたくて……ここに来たんだ…。欲しいんです…何か……人生を変えるきっかけ…ヒントが」
勝又誠司
別のモニターを見ると、もう一人の参加者が映し出されています。
勝又誠司さん、中年男性です。
監禁相手は、松菱重工の社長令嬢。
三年前にグループ企業の取締役と結婚し、もうすぐ二歳になる息子のいる、「倉梨エリカ」でした。
勝又の目的は、勝者に与えられる一千万。
「出来る限り、君に危害は加えたくない。今日から一ヶ月、ここにいてくれ…それだけだ……」
やむなく、承諾することにした倉梨エリカは、一ヶ月おとなしく付き合うことにします。
三崎由乃と勝又誠司、二人の様子を見た藍都は、
「この人達、本当に…汚い……どいつもこいつも…みんな最低だ……」
一日二時間は、監禁部屋に顔を出さなければならない、というルールを守れば、自由に自宅に帰ることもできる。
藍都は原川の車で、自宅まで送り届けてもらいます。
道中、原川から質問されます。
「三崎由乃はともかく、勝又誠司は紳士的に見えたけど…なぜ最低なヤツだと思ったの?」
勝俣の本質は金。
やってるとことはただの監禁なのに、「良い人」を演じるから余計にタチが悪い。
倉梨エリカは、思考が短絡的。
今は冷静でも、一ヶ月監禁は簡単じゃない。
辛くなれば裏切ると思う。
三崎由乃の監禁相手は、自業自得。
他人の人生を自分の欲で壊したゴミ。
三崎由乃の方が、まだ理解できると思っていたが…復讐は言い訳で、絶対にただ楽しんでいるだけ。
四者四様に、「最低だ」と言い放つ藍都。
「監禁ゲーム」の目的
藍都が帰った後の、監禁ゲーム会場の食堂。
三崎由乃が勝又誠司に話しかけています。
「監禁ゲーム」は監禁者と監禁相手のゲームであり、参加者同士は関わりあう必要はない、という勝俣に対し、単純にそういうゲームではない、と考える三崎由乃。
招待状に書いてあったルールがすべてではなく、食堂のメニューの中に「裏オプション」があったり…。
非公開ルールはまだまだ他にある、と考える三崎由乃。
それに「ゲーム」と呼ぶにはあまりにも一方的。
実際は監禁相手をやりたい放題できる、フェアじゃないルール。
自分で探せと言わんばかりの、裏オプション。
参加者同士が会話できるシステム…。
本当に勝負させたいのは、「監禁者と監禁相手」ではなく「参加者同士が争うゲーム」ではないかと、予想していたのです。
その考えは藍都も同じでした。
監禁相手を「パートナー」と呼んだり、監禁相手は何もできないこのルール。
本当の目的は「参加者同士を競わせるもの」ではないのかと。
原川に聞いても、ゲーム自体が初開催らしいこと、主催者にはこちらから連絡が取れない、原川はただ雇われの身であって、何も知らないとだけ返されます。
監禁ゲーム二日目
監禁ゲーム二日目。
藍都は再び、原川の運転する車で監禁ゲーム会場へ。
前日、監禁部屋からの去り際に、桐島彩のお腹を勢いよく蹴ったところ、桐島彩はその場で漏らしてしまいました…。
掃除用具を持ち、監禁部屋に入る藍都。
「雑巾とバケツを持ってきたから、その足で自分で掃除しろ」
命じる藍都ですが、桐島彩から返事はありません……。
その頃主催者側の原川は、同僚の新村、長峰と雑談中。
勝又誠司の担当が長峰という女性、三崎由乃の担当が新村という男性です。
話題はこのゲームの目的。
「スタンフォードの監獄実験」を真似たいのか。
九字間という主催者の意図を探りますが、答えは見つからず。
「雇われものの自分達は、黙って働けばいい」
という結論に至ります。
覚醒する藍都
藍都の監禁部屋。
相変わらず、桐島彩の反応はありません。
「死んでしまったのか」と考えた藍都は、心臓の鼓動を確認しようとします。
その瞬間「カッ」と目を見開いた桐島彩に、左手の小指を噛みちぎられた藍都。
痛みに苦しむ藍都。
自分は監禁する側であり、霧島彩は監禁される側。
圧倒的優位な立場なのに、自分が傷つけられる。
『何のためにここに来たのか…謝罪が欲しかったのか…桐島彩に後悔させたかったのか…。どちらでもない。今までの過去を、自分を捨てに来た。自分を変えるために、ここに来た。桐島彩に支配される江山藍都は、もう存在しない』
吹っ切れた藍都。
顔を隠す必要などない、と仮面を外します。
もちろん名前がバレ、「名前当て」で名前を答えられれば負けになります。
「江山とだと思うなら、『名前当て』でその名を言え。桐島のおかげで、俺は変われる」
先ほどまでとは、様子の一変した藍都。
容赦なく桐島彩に暴力を振るいます。
髪の毛を掴み、顔を床に叩きつけ…
「正しいのはお前だった……何度も教えてくれたのに…ごめんな」
そう言いながら、桐島彩の小指を折る藍都。
「弱い…だから悪い。そうだよな?桐島」
しかしそんな理不尽な状況下でも、藍都に屈しない、強い意志を持った瞳をする桐島彩。
『壊したい……その強い精神、ブッ壊すにはどうすればいい…』
そのヒントを探るため、三崎由乃に接触する藍都。
藍都を気に入っている三崎由乃は、
「私の部屋で二人きりでだったら、どんな相談でも聞いてあげる」
快諾した藍都は、三崎由乃の部屋に行きます。
主催者側の藍都の担当・原川は、ソファーで悪夢にうなされています…。
十字架に磔にされた女性が出てくる夢。
どうやら原川の過去を、暗示する夢のようです。
悪夢から目覚めた原川のもとに、藍都から電話が。
「あのぉ…すいません。えっと…監禁相手…殺しちゃったんですけど……」
次の記事:監獄実験 第02巻
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