【本記事は「五等分の花嫁」第13巻の ネタバレ・あらすじ紹介です】

表紙は…12巻の花婿・風太郎と対になる、花嫁・五つ子の「誰か」ですね。
全14巻で完結しているので、この13巻がラス前になります。
学園祭での、五つ子それぞれとの出来事を描き、最終巻で風太郎が「誰か」を選ぶ…。
私も「選ぶ」とか、してみたかった……。
第105話 最後の祭りが三玖の場合①
男子の「たこ焼き屋」、女子の「パンケーキ屋」にクラスが二分したまま迎えた学園祭。
三玖は、二分した男女に和解してほしい、と考えていました。
内気な三玖にしては珍しく、
「敵情視察に行ってみてもいいかな?」
もしかしたら男の子たちは、仲良くしたいと考えているのかも…その可能性に望みを託しますが、
「女子の奴らには負けねーぞー!」「おーー!!」
聞くまでもないようです…。
想像以上に溝は深いようですが、ここで終わらないのが今回の三玖。
「お互い意固地になってやがる。変えられるとしたら…お前だ、三玖」
対立陣営の三玖だからこそ、現状を打破できるかも入れない、と考えた風太郎。
その風太郎の言葉を信じる三玖は、男子の作るたこ焼きを美味しいと褒めたうえで、
「全部終わって、卒業した後も、いい学園祭だったねって、皆で喜べるものにしよう」
本当は仲良くしたいのに、素直になり切れない…。
そんなところに、武田くんが「前田くんが松井さんに、たこ焼きを食べさせていたよね?」という絶妙のフォローから、「抜け駆けなんてズルい!」「おれも○○ちゃんに!」「おれは○○さん!」
一気に「女子に食べさせたい」熱がヒートアップ。
そんな様子を見て安堵する三玖、
「強くなったな、三玖」
風太郎にも褒められ、大喜びの三玖でしたが…この日の夕方、事態は一変します。
男子のたこ焼き屋が「火事」(ボヤ程度のもの)を起こし、「出店停止」となります…。
第106話 最後の祭りが三玖の場合②
三玖の説得によって、男女が歩み寄りに向きかけていましたが…たこ焼き屋の「ボヤ騒ぎ」による出店停止で、水泡に帰します。
自分が言い出した「パンケーキ屋」のせいで、最期の学園祭が仲違いしたまま終わってしまう…。
責任を感じた三玖ですが、最後まで諦めず、「たこ焼き屋」「パンケーキ屋」の実質的なリーダーを、屋上に呼び出します。
「フータローは見てて」
と前置きしたうえで、
「仲!良く!して!!」

今までで一番大きな声を張り上げた三玖。
人気があるのに、女子だけで屋台を回しているから、個々の負担が大きくなってる、と女子側の課題を指摘。
自分たちのたこ焼き屋が出店停止になっても腐らず、女子のパンケーキ屋を勧めて回る男子に、裏方の手伝いを指示。
完全に仲違いを解消させます。
「修復は不可能って、勝手に線引いちまってた」
そんな風太郎を、覆いかぶさるように押し倒す三玖。
「あの女の子誰?」
竹林さんと一緒にいたところを目撃していた三玖、ものすごく気になっていたようです。
でも、遠慮して聞けなかったという三玖。
「幼馴染で友達」と答えたうえで、俺に遠慮なんかするな、という風太郎。
「うん…わかった。じゃあ…キスしたい」
狼狽える風太郎に、
「あ、ごめん返事は後で聞くね」

風太郎の唇を塞ぐ三玖。

何だろう……目から汗が……。
107話 最後の祭りが四葉の場合①
四葉の文化祭は大忙し。
学級長としての雑用、演劇部の助っ人、お化け屋敷の手伝い、からあげ屋の呼び込み等々、仕事が盛りだくさんです。
雑用で疲労困憊の、「もやしっ子」風太郎のフォローまで。
「ありがとうな。お前がいてくれてよかった。」
「こういうのは、持ちつ持たれつですよ。」
と言いながら、
『上杉さんに認められただけで、全てが報われる気がします』
頬を赤らめる四葉。

健気だなぁ…四葉…。
学園祭初日も、もうすぐ終わりという時間帯に、例の「たこ焼き屋ボヤ騒ぎ」が発生します。
学園祭二日目、四葉は開場三時間前から学校に到着し、雑用に励みます。
二日目、風太郎が学級長の仕事がなくなったのは、四葉が早くから来て雑用をこなしていたから、だったのです。
四葉がそこまで頑張る理由は、たこ焼き屋のボヤ騒ぎにありました。
自分が屋台の安全点検を回っていて、燃えそうなものがあったので
「片付けておいてください」
と注意をしていました。
しかしその時、四葉は「風太郎との15時の約束」で頭がいっぱい。
もう少し自分がしっかりしていれば、とひどく後悔していたのです。
朝早くから働きづめの四葉は、文化祭途中で倒れ、気がつくと病院のベッドで横になっていました。
一花のところに「妹さんが倒れた」と連絡が入ったのは、四葉のことだったのです。
目を覚ましてすぐ、学校に戻ろうとする四葉。
「早くしないと、演劇部のみんなが困っちゃう」
四葉に付き添っていた二乃は、
「もう夜よ、二日目は既に終わっているわ」
第108話 最後の祭りが四葉の場合②
文化祭途中で倒れ、演劇部やその他手伝いを頼まれていた人達に、迷惑をかけてしまった。
学校に戻って誰もいないであろうと、みんなの家を頭を下げて回る、という四葉を風太郎は止めます。
そして、四葉がいなくなった後の学園祭の出来事を話し始めます。
四葉が倒れ、公演は中止かと思われた演劇部。
陸上部で強引に四葉を誘った部長が、四葉の代わりに舞台に立ってくれていたのです。
衣装も四葉に合わせて採寸されていましたが、四葉が呼び込みを手伝った「から揚げ屋」の、被服部の部員が縫い合わせてくれていました。
その他にも、四葉の抜けた穴を、それまで「四葉に助けられていた生徒達」が、穴埋めしてくれたのです。
「『お前のせいで』じゃない。『お前のため』に集まったんだ。明日も仕事が盛りだくさん。当然、お前の抜けた穴は大きい。だが『持ちつ持たれつ』だろ?たまにお前が、もたれたっていいんだ。託してくれ。俺も、お前の世話になった一人だ」
「上杉さん……。この度はご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。最終日、私の分の仕事をどうかお願いします」
学園祭最終日、前日迷惑をかけた人たちに、謝罪行脚をする四葉。
最後に訪れたのは風太郎。
風太郎は四葉の仕事を肩代わりし、疲れ切って、階段で半分眠っています。
「風太郎くん」
「零奈」の口調で、風太郎に声をかける四葉。
風太郎も、相手が「零奈」と思い込んでいます。
「ずっと約束を覚えていてくれて、ありがとう。私は守れなかったよ、ごめんね。」
『私はお母さんのために、風太郎君は妹さんのために、一生懸命勉強しよう!』
六年前の京都での約束を、風太郎は守り、四葉は守れていませんでした。
「そんなこと気にすんな」
「風太郎君は気にしてないの?」
「まあ、昔のことより大切なのは今だろう」
風太郎の言葉で、過去の思い出を吹っ切った四葉。
「もう君との思い出に頼らない。自分で自分の価値を探していくよ。だからこれが最後。」
階段に座り、半分居眠りをしている風太郎の唇を、四葉が奪います。


過去の思い出に別れを告げ、前に進むことを決意した四葉。
「これで私も前に進める気がする」
六年分の風太郎への想いとの「惜別」に、涙する四葉……。


第109話 最後の祭りが五月の場合①
学園祭中、一人で自習を続ける五月を、風太郎が心配します。
「勉強ばっかで大丈夫か?友達いる?学校つまんねーなら相談にのるぞ?」
五つ子と会う前なら、風太郎が言われる側だったセリフです。五月も、
「あなたにだけには言われたくなかった言葉です」
と返します。
学食で自習を続ける五月の前に、五月が通う予備校の、受験対策の特別講師「無堂先生」が現れます。
学祭中も勉強を続けながら、
「母のように教師になりたい。しかし、その思いに学力が追いついてこない」
そんな悩みを無堂先生に打ち明け、自分の母親も教師をしていた、ということを話す五月。
無堂先生は「知っている」と。
「僕は彼女の、担任教師だったんだ。君は若い頃のお母さんそっくりだ。歪なほどね。君がお母さんの後を追ってるだけなら、お勧めしないよ。歪んだ愛執は、五月ちゃん自身を破滅へと導くだろう。まるで呪いのようにね。」
五つ子の母「零奈」は、自分に憧れて似合わぬ「教職への道」を進み、最後までそのことを「後悔」していたという無堂先生。
五月は、幼い頃の母の言葉を思い出します。
「私の人生、間違いばかりでした」
教師になったことを、「間違い」だと思っていたのだとすれば、自分が教師になりたいという思いは、間違っているのか。
狼狽える五月は、無堂先生から逃げるように去ります。
「明日も来るよ」と言い残す無堂先生。
学園祭初日が終わり、自宅に戻った風太郎は、父から「学園際で変なおっさん見なかったか?」と聞かれます。
その特徴は「無堂先生」そのものでした。
「お前には、伝えておいた方がいいかもな。あの男は…」
文化祭二日目。
再び無堂先生は学園祭に現れます。
五月に声をかけてき、無堂先生の口から語られたのは…
「君のお母さんは私の元教え子で、さらに元同僚。そして元妻だ。つまり私は、君のお父さんだ」


このタイミングでの「五つ子の本当の父親」登場……。
第110話 最後の祭りが五月の場合②
自分が五つ子の父だと、告白する無堂先生。
五月は母から聞き、知っていました。
父親は自分のお腹の中にいる子供が、五つ子だと分かった途端、姿を消したと。
そんな父親を「許せない」とする五月に、無堂先生は土下座をして謝ります。
「情けないと、ずっと後悔していたんだ。当時の僕に甲斐性があれば、君たちにこんなに迷惑をかけずに済んだのにと」
罪滅ぼしをしたいという無堂先生に対し、五月は
「お父さんならもういます。私たちに関わらないでください」
と返します。
五つ子の今の父・中野マルオの事も知っている無堂先生。
「あの子は優秀な生徒だったが、父親としては不合格と言わざるを得ない。お母さんが死んだ時、彼が君に何をしてくれた?」
亡くなった母の影を追い、母と同じ教職へ歩を進めようとしている五月を、自分は父として到底見過ごすことができない。
その言葉に揺り動かされる、五月の心。
父親から「無堂先生が五つ子の父」だと聞かされていた風太郎は、学園祭二日目の夜、一花に
「五月がお前らの元父親と接触した疑いがある」
と話します。
風太郎が公園で、一花に唇を奪われた直後の出来事ですね。
翌日改めて、五月に話を聞きたかった風太郎ですが、学園祭最終日も五月は学校に姿を現しません。
二乃と三玖に聞いたところ、前日からずっと部屋に籠っていると。
何かあったことを察した二乃、
「行ってきなさい」
とマンションのカードキーを渡します。
「五月のとこ行くんでしょ?それでこそフー君だわ。そんなとこが好き。こっちのことは任せて」
「五月をお願い」
と三玖も風太郎を見送ります。
マンションに入ると、果たして勉強を続けていた五月。
生前、母の言っていた「あなたは私のように絶対にならないでください」。
しかし、五月本人は諦められず、未だに母親を目指そうとしている。
そう願う自分は間違っているのか……風太郎は五つ子の教師になり、苦労した経験を語ります。
「マジで大変だった。自分はもうこりごりだ。教師なんて絶対になるもんじゃない。だけどそれがどうした!?他人の戯言なんて聞く価値もない!お前の夢だろう?どれだけ逆風だろうが、進むも諦めるもお前が決めろ。突然現れたおっさんなんかより、五月の方が母親のことをよく知っているはずだ。自分が見たそれを信じればいい」
「お母さんのような先生になりたい……私は、私の意志で母を目指します!」
大声で宣言する五月。
風太郎にできるのは、全力でサポートする、それだけです。
「上杉くん、勉強教えてください」
「勿論だ」





「その前に、やらなければいけないことがあります。私、あの人に会いに行きます」
強い意志のこもった、五月の瞳……。
第111話 最後の祭りが五月の場合③
改めて、無堂先生に会いに行く五月。
再び教師でなく、別の道を歩むよう説得する無堂先生。
なぜ急に、自分たちの前に姿を現したのかと問う五月に対し、「離れていた時も、ずっと気にしていた。この血が引き合わせてくれたんだ」と返す無堂先生ですが…。
「父親だって!?笑わせんな!」
そこに現れたのは、風太郎の父と、いつきの通う予備校の講師・下田さん。
二人とも五つ子の母・「零奈」先生の教え子であり、先生の元夫である無堂先生とも、面識があるようです。
二人が連れてきたのは、五つ子の父・中野マルオ。
自分の娘たちを引き取ってくれたマルオに対し、迷惑をかけたと謝罪する無堂先生。
「あなたには感謝しています。あなたの無責任な行いが、僕と娘たちを引き合わせてくれた」
そんなマルオに対し、「五月ちゃんは頼りない父親ではなく、自分のところに相談に来た。君は親失格の烙印を押されたようなものだ」とマルオを罵ります。
「五月君が?どこに?」
無堂先生に会いに来たのは、五月のトレードマークの星の髪飾りを着けた三玖。
五つ子の違いに全く気付けなかった、無堂先生に対し、
「愛があれば私たちを見分けられる。母の言葉です」
「拒絶」の意思を、言葉にする五月。
「君たちのお母さんは後悔していた!そんないい加減な妄言、今すぐ忘れなさい!」
「私はそうは思いません。たとえ本当に、お母さんが自分の人生を否定しても、私はそれを否定します!いいですよね!?私はお母さんじゃないのですから。ちゃんと見てきましたから!全てを投げうって尽くしてくれた、母の姿を。あんなに優しい人の人生が、間違っていたはずがありません」
無堂先生が知っているのは、自分に憧れ同じ教師となった五つ子の母の思いが、裏切られ見捨てられ、傷ついていたところまで。
その後、五つ子たちにどれほどの希望を見出したのか、逃げ出した無堂先生は知らない。
「あなたに彼女を語る資格はない」


語気を強めるマルオ。
最後まで、母への謝罪の言葉のない無堂先生に対し、
「私はあなたを許さない。罪滅ぼしの駒にはなりません!あなたがお母さんから解放される日は来ないでしょう」
零奈のことでも、五つ子のことでも無く、自分の都合で五つ子の前に姿を現した無堂先生に、返す言葉もなく、舌打ちをしながら去っていきます。
「家族の問題は家族でカタをつけます」
風太郎の介入を断った五月は、風太郎に事後報告。
「お母さんがいなくなってしまってから、その寂しさを埋めるために、お母さんになり替わろうとしていた。そんな自分が、お母さんを忘れなくてもいい。そう教えてくれたのはあなたです。ありがとうございます!」
二人の顔が近づき、「これまでの流れ」から、五月からもキス……と身構える風太郎ですが、それは無く…。
どうやら、五月とだけはキスなく終わりそうです。
「自分の理想の教師像は、母親のままですが……君だって、私の理想なんだよ!それだけ聞いて欲しかったの」


いつもの口調ではなく、母脱却ということで、口調を変えてみた五月。



敬語じゃない五月も可愛いですね。
五月だけは、風太郎とのキスがありませんでしたね…。
(物語的に)最初に出逢ったのがこの二人だったので、最終的にはこの二人がくっつくものだと、未だに思っているわけですが…。
この後の逆転(!?)はあるのでしょうか?
第112話 最後の祭りが五つ子の場合①
色々あった学園祭も終わりに近づき、後夜祭の真っ最中。
学園祭にはほとんど参加できなかったものの、迷子の母親を探す手伝いをした一花。
父親と正面から向き合い、父親の、五つ子との関わり方を変えた二乃。
たこ焼き屋とパンケーキ屋で、仲違いをした男女の仲を取り持った三玖。
学級長の仕事、演劇部の手伝い、その他諸々…文字通り倒れるまで走り回った四葉。
実の父親の登場に、惑わされながらも、自分を貫き通した五月。
各々頑張った学園祭も、終わりが近づいています。
後夜祭を五人で回った五つ子。
それぞれが別々の教室で、風太郎を待ちます……。


第113話 最後の祭りが風太郎の場合①
武田くんと前田くん、そして風太郎。
男三人で後夜祭を迎えた風太郎たち。
会話の流れで、「風太郎が五つ子の誰かのことが好き」と、武田くんと前田くんにバレてしまいます。
受験勉強も佳境に差し掛かっている状況で、「学生の本分は学業にある」と諭す武田くん。
風太郎も、以前は同じように思っていました。
学生の本分は学業で、それ以外は不要だと信じて生きてきたと。
「しかし、それ以外を捨てる必要なんてなかった。勉強も、友情も、仕事も、娯楽も、恋愛も、あいつらは常に全力投球だった。凝り固まった俺にそれを教えてくれたのは、あいつらだ」
五つ子は「それぞれ別の部屋で待っている」というのは、五つ子側の提案でした。
風太郎が向かうのは、ただ一つの教室のみ。
その提案が逆に、風太郎を困らせることになることは分かっている。
けれども、それが五人の覚悟。
「それを理解したうえで、一つの教室に向かってください」
五月に促される風太郎。
後夜祭も終わり、「学園祭の全てのスケジュールを終了します」というアナウンスとともに、風太郎はある教室のドアを開けます。
風太郎の入ったのは保健室。


そこにいたのは四葉でした。
風太郎が選んだのは、四葉だったのです……。



戸惑いと、喜びと、気恥ずかしさが入り混じったような表情の四葉……。
ものすごく可愛いんですが。
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