【この記事は「死役所 第78条 『正義①』のあらすじをご紹介するもので、ネタバレを含みます】
今回は警察官のお話ですね。
前後編の、まずは前編になります。
死役所。
交通事故死課の松シゲさんは、「交通死亡事故0 ①日目」というプレートを自作します。
よく、警察署にあるやつですね。
「死役所」にいて「0」ということは、全国で「0」ってことですからね。
なかなか凄い事ですよね。
「今日まだ客が来てねんだ。このまま来ねかっただいいなーっと思ってさ」
年々「客」が少なくなっている、という松シゲさん。
確かに、交通事故による死亡者数は、年々減少の一途をたどっています。
20年前の2000年で9,073人だったものが、昨年2019年は3,215人にまで、減少しています。
現世では衝突防止装置など、自動車も進化している。
「警察に頑張ってもだってさ、無くなっちまえばいいよ、こんな課。いっぱい取ぢ締まぢすでばいいんじゃねーか?」
「ん~~、警察がどうにかできる問題ですかねぇ」

「警察」には、嫌な思い出があるからでしょうか、シ村さん……。
現世。
スマホを操作しながらの「ながら運転」で、検挙されるドライバー。
取り締まる警察官に、「捨て台詞」を吐き、去って行きます…。
今回の主役は「豊田部長」と呼ばれる警察官。

部長、ということは巡査部長ですね。
検挙したドライバーに「捨て台詞」を吐かれることに対し、
「馬鹿に言われても、何にも思わんわい」

という豊田さんに対し、部下の松田さんは
「一所懸命やってるのに、罵倒されて虚しいです」
と嘆き節。
上から20歳、17歳、14歳の男の子三人の子供がいるという豊田さん。
上の子は昔「警察官になりたい」と言っていたけど…、今は何がしたいのか…。
という話の最中、無線が入ります。
「三歳の子供がひき逃げされたと、父親からの通報」
現場へ急行中、松田さんに説教する豊田さん。
交通死亡事故現場で、「あまりに気持ち悪くて」動けなくなってしまった松田さんに対し、
「少し前まで生きとった人間やぞ、気持ち悪いなんてよう言えるな」
「それなりの覚悟はあったはずなんですが…いざ、あんな悲惨な現場を目の当たりにすると…」
「ああそうかい、それでも動け」

豊田さん、20歳の子供がいるということで、それなりの年齢なんでしょう。
今の若い人にこういう接し方をすると、「パワハラだ」とか騒がれそうですが、年代的に、そして「警察官」という「体育会系社会」ということもあり、部下への接し方が、少々厳しめですね。
現場に到着すると、ひき逃げされた男の子は「心肺停止」状態のようです。
近くの公民館からAEDを借り、蘇生を試みます。
その様子を、スマホで撮影する通行人の男性……。
「撮るな!」


一喝する豊田さん。



TwitterなりYouTubeなり、個人が簡単に「動画を発信」できる時代になり、何かあったらすぐスマホで撮影する、という光景をよく見かけますね…。
そういう映像がニュースなどで流れ、事件・事故の悲惨さを「これ以上ない現実」で伝達する一方、駅で人身事故など発生すると、一斉にスマホで撮りだす様を見ると、ちょっと引きますね……。
不謹慎というか…ね…。
三歳の男の子は、頭の骨を折るなどして、意識不明の重体。
加害車両の白い軽自動車は、そのまま走り去ったようです。
自宅の奥さんに、(ひき逃げ事件の捜査で)「しばらく帰れない」と電話する豊田さん。
「翼は?」
「出かけとる」
どうやら長男の「翼さん」は、2浪中にもかかわらず、夜中にフラフラ出かけている模様…不満げな豊田さんは、
「帰ったら俺がしっかり言うちゃる!」
と電話を切ります。
直後、帰宅する翼さん。
「お父さんしばらく帰ってこれないかも」
というお母さんに対し、
「お父さんが帰って来んなんて、いつものことじゃろ」


「警察官のお父さんは、家に居ないことが多い」とは、マンガやドラマなどでよく聞きますが…実際のところ、どうなんでしょうね?
友人の警察官は……まだ結婚してませんね、結構いい年齢なのですが…。
続きは明日。
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