「ぼくらの」あらすじ紹介【ネタバレを含みます】(14.ウシロ②~恐怖~)

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ウシロ(宇白 順・うしろ じゅん)編②

自分たちの地球での最後の戦い。

マチが亡くなり、そのパイロットに繰り上がったウシロ。

戦闘を待ちながら日常を過ごしますが、不安に怯える夜。

吐き気で目を覚まします。

思い出すのは、妹・カナの戦闘。


田中さんを殺された(正確には、人質に囚われた田中さんが、カナの足手まといにならないよう、自害したのですが)カナは、怒りと悲しみから相手ロボットに猛攻撃。

一方的な展開で勝利します。

相手の「急所」であるコックピットを取り出し、それを潰せば(相手パイロットを殺せば)勝利、というところで…体が震えるカナ。

「………じゃう…。」

兄・ウシロに抱きつき、

わたし、死んじゃうよぉ!


ぼくらの ©小学館/鬼頭莫宏



眠れぬウシロは、深夜の外出。

向かった先は、例の公園。

カンジの戦闘前に、カンジの口から、自分とカナが本当の兄妹でないと聞いた、あの公園。

上着は、カンジの形見です。

ポケットには、国防大時代の田中さん。

ウシロの「本当のお母さん」


お楽しみだな。

田中さんの写真を見ているところに、不意に現れるコエムシ。

カンジが戦闘服に着替える時に、無理やり押し付けられたジャケットに入っていた、と弁解するウシロ。


寝られねーか。

「部屋が暗くなるのが、怖いんだ。

自分の周りに何もなくなるようで、自分が何かと何もつながってないようで、自分がそのまま無くなるようで。

みんなこんなのに、耐えていたのか。」


旦那
旦那

そうなんですよね、普通そうなんです。

当たり前に怖いはずなんです。

でも、今までのパイロットは「何か」のため、明確な理由をもって戦ってきたんですよね。

ダイチは弟妹のため、マキは育ててくれた両親と、産まれてくる弟のため、ナカマは母のため、等々。



「この世界はおれが犠牲になってまで、守る価値があるのか?

おれが戦っても、くだらないやつはくだらないまま、バカなやつはバカなまま。

キリエともっと話をしておけばよかった。」


旦那
旦那

確かに、そこを一番考えていたのはキリエでした。

戦闘前だから、自分が死ぬからというわけでなく、普段から大局的に物を見ていたキリエ。

「この世界は、相手の地球を消してまで生き残る価値があるのか」

考え、田中さんに相談し、唯一キリエが見出した希望が、従姉の「カズちゃん」でした。



悩み、苦しむウシロに、コエムシが喝を入れます。

てめーはゴチャゴチャ考えすぎなんだよ。

考えることは、自分の取って大切な人間を、助けたいか助けたくないか、それだけだろ。

助けろよ、田中未来を。助けろよ、妹を。


ぼくらの ©小学館/鬼頭莫宏



「妹」を失ったコエムシの言葉だから重みがあり、「妹」を失ったウシロには、その辛さが十分わかります。


実際、てめーらはよくやってるよ。

めずらしく他人をほめる、コエムシ。

聞けば、コエムシの地球の戦闘では、13人必要なパイロットに対し、その前の地球から来た引き継ぎ役が、13人以上を契約させたために仲間同士で諍いが起こり、信頼感なんてなかったと。

死を免れたパイロットのうち、2人は今でも精神科にかかり、1人は入院したまま。

街の被害も、今の地球の非ではない。

死者数だけで「億」を超えた…。


旦那
旦那

確かにそんな話を聞くと、今の地球のパイロットたちは、本当に「よくやって」ますね。

「ナカマ」が想いを込めて作ったユニフォームが、みんなを繋いだ。

美子さんに会った際に、マチが言っていた通りですね。



戦闘の時に、てめーが変な考え起こさなくて済むように、先に言っとく。

並行世界の同一人物ってのは、滅多にあるもんじゃねえ。

マチのことですね。

実際この世界の町家には、おれは生まれてねえ。

この世界に、洋子と同じ顔の人間が生まれてたのは、奇跡だぜ。悪フザケだな。

だから敵の地球にカナや吉川(カンジ)がいるかも、なんて思うな。

あとな、自分が何かと繋がってないなんて、寝呆けたことぬかしてんじゃねえ。

てめーは洋子から、好きだって言われたんだ。


旦那
旦那

何気に根に持ってるかもしれませんね、コエムシ。

ウシロが妹から告られたこと…。



自宅に戻ると、ウシロの父が起きて待っていました。

「何やってんだ、寝てればいいのに。」

「おまえがもう、帰ってこないような気がして…」

「最後まで悪い息子で、すまない。」


どこかに電話し、深夜の電話の非礼を詫びたうえで、何かを頼むウシロ。


「なあ、順。

お前は悪い息子なんかじゃないよ。

私のほうが、悪い父親だった。

おまえにもっと早く、本当のことを伝えるべきだった。

生徒には自分で考えなさいと言っておきながら、自分の子供を信用できないなんて。

おまえにどうしても、謝っておきたかった。

す……」


ジアースのコックピットに転送されるウシロ。

最後の戦闘、開始です。


前の記事:マチ編⑥
次の記事:ウシロ編③


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