ひぐらしのなく頃に 解 ～皆殺し編～ 其の伍「対決」
3日後に迫った綿流しのお祭りを前に、村の集会に出る部活メンバー。
話の流れ次第では、沙都子の話を出すつもりの圭一でしたが…。
途中、魅音に呼ばれて集会所（古手神社の境内にある）の外に出ます。
圭一を呼んだのは、知恵先生と校長でした。
表情のすぐれない2人。
良くない話であることは、明白です。
「明日の陳情を最後にしばらく、様子を見ては…」
「何かの圧力がかかったんですか？」
「私だけの問題ならいいんです。だけど、この村から学校が無くなるようなことになっては…」
大石さんの言った通り、藪を突いたら蛇が出てきたわけですね。
これ以上、児相への訴えを続けるようであれば、雛見沢分校が無くなる、という圧力。
「なぜ、雛見沢の人たちは、こんなにも北条家を嫌うんだ？」
「実はそんな人、いないのかもしれない。
北条家に縁があると思われたら、自分もスケープゴートにされるかもしれない…
誰も北条家を恨んでいないのに、誰か恨んでいると疑っている。」
「それを雛見沢では『オヤシロ様の祟り』と呼ぶんですよ」
「なるほど…ってことは、諸悪の根源は皆この集会所の中か！
ちょうどいい！」
集会所内に戻った圭一は、上座の公由村長の隣に、ずかずかと進みます。
「北条沙都子があの叔父に、ひどい仕打ちを受けていることは皆知っているよな？
なのに誰も助けない。
それどころか、邪魔までしてくる」
「北条」の名前が出て、圭一から目を逸らす町会役員たち。
公由村長が、圭一を窘（たしな）めます。
「ダム戦争みたいな真似事は、とっくの昔に終わってるんだよ。
もう徒党を組んで、お役所に押し掛ける時代じゃない」
「ダム戦争なんて関係ない！
こいつはおれの戦争だ！！
それに参戦するなら、おれの敵か味方か、はっきりしてもらおうじゃねえか！！」
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「何だその口の利き方は！」
町会役員たちから、厳しい言葉が圭一に向けられます。
すかさず、詩音が助け舟。
「お役所と村の町会はべったりですもんね～。
お祭りやら温泉旅行やら新年会、お役所からの補助金は数百万にもなりますから」
レナも参戦。
「つまり、お役所と癒着しているから、ご機嫌を損ねられないんだね♪」
何やら雲行きが怪しくなってきます。
流れを断ち切るように、公由村長が
「お役所と町会の付き合いは別の話。話を混ぜて混乱させないでくれ」
ここから圭一のターンです。
「この村には、一人のために団結して戦おうってのがあるんだよな？
死守同盟の結束ってやつが。
俺はここに引っ越してまだ間もない。
でも、この村に住めることを誇りに思う。
北条沙都子は村の一員だ。
その前に、おれ達の仲間だ！
あのひどい叔父から、救い出したい！
そのためには死守同盟の力をもう一度貸してほしい！！
『１人に石を投げられたら、２人で投げ返せ
２人に投げられたら４人で
８人には１６人
1,000人が敵なら、村人全体で立ち向かえ！
１人が受けた辱めは、全員が受けたものと思え！
１人の村人のために、全員が結束せよ！
それこそが、盤石な死守同盟の結束なり！』」
「おれは圭一君に賛成する」「口は悪いが、気概は立派だ」「役所とべったりなんて、恥ずかしい」
町会役員が、次々と圭一に賛同します。
公由村長は困った表情。
「公由家としては、北条との遺恨は水に流したつもりだったんだが…」
実質的に雛見沢を治める園崎家の当主・お魎の許しが必要だと。
部活メンバーに公由村長、入江先生を加えて、園崎家のお魎の元を訪れます。
事情を説明するも、
「数ヶ月で死ぬわけじゃなぎゃあ
根性が足りんと だぁほが
黙って聞ぃとっと、ほんまくだらんわ！」
「お魎、沙都子は僕の友達なのです。助けてほしいのです」
「梨花ちゃまにはよーく言っとう、友達は選ばんと」
沙都子を助けるつもりはないようです。
引っ越してきたときに、園崎家に挨拶がなかったことから、お魎の印象が悪いという圭一が、お魎に強く出ます。
「仲間を助けるためなんです。黙って首を縦に振ってください！」
「イヤだといったらどうすんね？」
「この場で婆さんの頭を叩き割って、魅音を当主に据えて首を縦に振らせます！」
「なんとぬかしよんね、このガキゃあ！
ポン刀持って来よん！
このくそ生意気なガキ叩き切って、井戸に放り込むがや！」
園崎家当主の迫力に、一同怯みます。
が、圭一は沙都子のために、勇気を奮います。
「礼儀知らずってんなら、ここで筋を通します」
土下座したうえで、
「北条沙都子を救うために、園崎家も協力してください。
沙都子は村の一員です。
それ以上におれの仲間です。
どうかお願いします。」
割って入ったのは、魅音・詩音の母である園崎茜。
「園崎組」の幹部です。
「沙都子ちゃんが圭一君の身内ってんなら、圭一君が立ち回るのは筋が通ってる。
これはケジメの問題だよ。
私たちも義理の世界で生きてるからね。」
「そのケジメってのをつければ、怒りを水に流してもらえるんですか？」
「まさか、沙都子ちゃんに土下座でもさせるのかい？」
「そこまでやってみせたら…考えないこともないが…」
窮地に追い込まれた沙都子に土下座までさせて、それでもまだ「考えないこともない」程度。
レナがにっこりと、圭一を援護射撃します。
「沙都子ちゃんがけじめをつけたら、村八分にして沙都子ちゃんに辛い思いをさせていたケジメ、おばあちゃんも取ってくれますか？」
予想していなかった角度からの攻撃に、お魎さんも驚き、返す言葉がありません。
次に割って入ったのは魅音・詩音の父。
「園崎組」の組長さんです。
「君のところの身内に迷惑をかけたのは、うちに責任がある。
親はともかく、娘に罪はない。そうでしょう？お義母さん。」
魅音・詩音の両親も、圭一を援護してくれます。
「あんじょうすったらん！薬！」
頭に血が上ったお魎さん。
続行不能のようです。
一度出直してくれ、と追いやられる一同。
圭一たちより遅れて屋敷を出てきた魅音に、様子を聞くと、「私の見たところだと、印象最悪…」
しかしレナは、「魅ぃちゃんのおばあちゃん、全然怒ってなかったよ」と。
さらに遅れて出てきた公由村長、
「ＯＫだってさ。圭一君、君の好きなようにやっていいんだって」
レナの見立ては当たっていました。
園崎茜さん曰く、
「鬼婆様には圭一君くらい大立ち回りをしたあげく、鬼婆様がその男気に惚れて特別に許したって。
それくらいの物語がないといけないってことなんだよ。
圭一が頼みに来ました。お魎さんがOKしましたでは、周りを納得させられない。メンツが立たない、ということなのでしょう。
結果オーライ…なのかな？
「沙都子はこれで、運命から救われるかしら…」
「ああ、明日にもな！
それから梨花ちゃん、初めから結果が決まってるみたいに、運命を言う言葉を使うな。
運命はおれたちの手で変えられるものなんだ。」
「圭一が言うならそうしよう。
私はもう、運命なんて気安く口にしない。
これで最悪の目が回避できる…。
いや、最悪の目はあなたが転校してこないこと。
この100年で２度ほどあった。
とても寂しい世界だった…。」
圭一にはもちろん何のことやら？ですね。
100年のループの間に2度あった、圭一が転校してこないパターン。
つまらなそうですが…残ったメンバーだけで何が起こったのか、それはそれで興味がありますね。
翌日、雛見沢町会から市役所経由で児相に連絡。
北条沙都子の件、キチンと対応せよと。
しかし、よそ者で怖いもの知らずの児相所長は「特定の町会に、便宜を図ることは出来ない」と取り合わず。
この対応が、雛見沢に火を付けました。
圭一が児相に着いた頃には、すでに児相前では「北条沙都子を助けろ～！」のシュプレヒコールが。
お魎の声掛けで、興宮にも動員がかかったようです。
児相所長は警察に通報し、大石さんが現れます。
公共の施設、所有地を特定の目的で占有するのは許されない。
そう児相所長から連絡があったと。
しかし、勢いのついた雛見沢の火は、そんなことで消せはしません。
県議と市議の園崎議員が児相に現れ、市長からも児相に電話が。
すべてはお魎の差し金でした。
市長室のお魎は、
「大した若い衆がいたんだね
茜、今後も何かあったら圭一の面倒、見たったれな」
圭一の熱意は、雛見沢のすべてを味方につけていました。
お魎の言いようから、「鬼婆様が圭一の男気に惚れ込んだ」というのも、あながち大げさでないのかもしれませんね。
すごすごと、正面玄関から現れる児相所長。
圭一が要件を言う前に「大変、申し訳ございませんでした……」
深々と頭を下げる所長。
早速、沙都子救出作戦が始まります。
北条家では、沙都子に暴力を振るう叔父。
その北条家に、電話のベルが鳴り響きます…。
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