王騎将軍は「あっちの丘の方が眺めが良さそうですねぇ」と言う理由で、信達のいる丘に自分を率いて進軍してきます。
丘の頂上に辿り着いた壁が、王騎に援軍の感謝を述べると、別に助けに来たわけでなく、眺めが良さそうだから見に来ただけだと。
読めませんねぇ…王騎将軍。
この王騎将軍、笑い方が「ンフフフ」とか、昌文君は自分の「愛人です」とか。
驚く信に「冗談です。王騎冗談。ココココ」
キャラが非常に立ってますね。
そして臣下の「騰(とう)」とのやり取りもまた面白く、
「騰、向こうの様子を見に行ってください」
「おーい、誰か向こうの…」
「あなたに言ってますよ、騰」
とか
「あちらの方が見晴らしが良さそうですねぇ、騰?」
「ハ!間違いありません、殿
しかし、勝手に参戦すると罰せられます」
「私はただ向こうの丘に登りたいだけです。
途中邪魔なものは排除しますが」
「さすが殿 完璧な言い訳です」
とか。
さて、王騎将軍。
秦の麃公将軍と、魏の呉慶将軍、この2人の戦いに興味があったようです。
本能型の麃公と知略型の呉慶、「“知略”対”本能”」は武将の中の永遠の題目だと。
二人の戦いを、見届けに来たようです。
その眼前で、五千から六千の兵を率いて、その先頭に立って呉慶の軍に突進する藨公将軍。
壁の隊も、麃公の軍に続きます。
それを見ながら、王騎将軍は信に説きます。
「戦は武将次第。
今ここにある状況は全て
あの二人が勝つために描き導いたもの!
それが、”将軍”と言う存在」
呉慶と言う大将首が見えているのに行かない手はない。
信は王騎に頼んで、馬を一頭貸してもらうと、麃公の後を追います。
策で対抗する呉慶に、麃公はその武力と、壁や信の助力によって対抗し、最終防壁を突破しようとします。
待ったをかけるのが、呉慶に呼ばれた「将狩り」の異名を持つ「朱鬼(しゅき)」「麻鬼(まき)」の二人。
単騎で魏軍の最終防壁に突っ込んだ信、麻鬼と一騎打ちになります。
信は苦戦しますが、麃公が近づいてきたことで攻撃が雑になってきた麻鬼の隙を突き、麻鬼を斬り伏せます。
麻鬼が斬られたことに気を取られた朱鬼は、眼前に現れた麃公将軍に一振りで斬り殺されます。
知将・呉慶は目前に迫った麃公に対し、逃げることはせず、自分も馬に跨り一騎打ちを仕掛けます。
最初こそ互角の戦いだった一騎打ちですが、徐々に力の差が見えてきます。
麃公の方が、武では格上でした。
知将の呉慶が何故、一騎打ちを仕掛けてきたのか問う麃公。
呉慶は趙に滅ぼされた小国の王族の生き残りで、滅ぼされた国の敵を討つために、戦場に身を置いていました。
麃公は「下らん負け犬の感傷、儂が引導を渡してやる」と。
最期は力の差を見せつけて呉慶を斬り伏せ、「儂を苦戦させた知略と、最後に武に走ったその激情、なかなか見事な大炎であった」と呉慶の健闘を称えます。
大将を討たれ、撤退する魏軍。
秦軍の勝利で、戦は幕を閉じます。
「王騎 亜水まで来い、酒を飲むぞ」
「用事がありますのでこれで」
「王騎 酒じゃァ」
「ココココ」
王騎と言えど、麃公からは逃げられないのでした…。
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