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【この記事では死役所 第102条 「町子ちゃんの世界②」のあらすじをご紹介します】
第102条 町子ちゃんの世界②
認知症を患い特別養護老人ホームに入居する半仁田町子さん。
彼女の娘・敦恵さんとホーム職員の娘・琉衣さんのケンカの後、1人施設の外に出てしまった町子さん。
そのまま水路に落ちて亡くなってしまいます。
なぜ町子さんは1人で出て行ってしまったのか……。
町子さん
特養に入った頃には認知症を患っていた町子さん。
元々沸点の低い方なのか、取り扱いの上手な職員さんでないと手に負えない様子。
人の顔がぼんやりとしか認識できないようですね。
娘の敦恵さんでもそれは同じ。
あなたの娘だと言っても「知らん知らん!」と興奮する町子さん。
「取り扱いの上手な職員さん」が間をとりなすと、やっと娘の顔が「見えた」ご様子。
「敦恵、うちにはいつ帰れる?」
しっかり敦恵さんを覚えています。
しょうちゃん
「取り扱いの上手な職員さん」の娘・琉衣さんが特養を訪れるように。
子供のころ仲良しだった「しょうちゃん」を思い出した町子さんは、琉衣さんを「しょうちゃん」と呼ぶようになります。
お菓子をあげたり本を読んであげたり。
そんな様子を見た敦恵さんが琉衣さんを「しょうちゃん」と呼ぶことを窘めると、再び娘の顔が「見えなく」なる町子さん。
「しょうちゃんに近寄るな~!」
忘れられた娘・敦恵さんと口論に…。
不登校
季節は流れ、初対面の頃は小学生だった「しょうちゃん」こと琉衣さんは中学生に。
卒業式も出てないのに、おかしいよね。
どうやら進学した中学にも行けていない様子。
そんな「しょうちゃん」を心配する町子さん。
かわいそうに…行きたくても行けんとね…。
自分を心配してくれる町子さんと「しょうちゃん」は、どんどん仲良くなっていきます。
ケンカ
娘の自分より母と仲良くする琉衣さんへの嫉妬。
自分のことが「嫌い」だと話す母。
そして前話の敦恵さんと琉衣さんの「ケンカ」へと発展。
二人の様子を見た町子さん。
「娘の敦恵とその友達がケンカ」している。
ケンカはやめなっせ!ほら敦恵、謝りなっせ!
娘・敦恵さんを心配して叱る町子さんは、若いころに戻ったよう。
琉衣さんのことも「しょうちゃん」ではなく、敦恵の友達・琉衣さんだと。
仲直り
二人が部屋を出た後、無事に仲直りが出来たかを心配する町子さん。
様子を探るために施設を抜け出してしまったのです。
用水路に何か落ちているのを見つけ、二人の落とし物では、と近づき……。
転落してしまったのでした。
ここまでの町子さんの人生史を読んでも、認知症の奥深さに追いつけないハヤシくん。
町子さんとの会話を試みますが、話の辻褄が合わず撃沈……。
制服
現世では件の「取り扱いの上手な職員さん」であり、琉衣さんの父が敦恵さんに謝罪。
元々徘徊癖があったため、仕方ないと応える敦恵さん。
施設側を責める気はない敦恵さんですが、気がかりが一つ。
琉衣ちゃん大丈夫ですか?
母と仲良くしていることで、敦恵さんの中で嫉妬の対象となっていた琉衣さん。
そんな琉衣さんも自分の子供より低い年齢ですから、冷静に考えれば仲良くしていた母が事故死し、落ち込んでいるのではないかと。
そこで初めて琉衣さんが不登校であることを知った敦恵さん。
同じ年頃の友達を作れ、と言ったことを後悔します。
そして……母の葬儀には絶対来なさい、と。
初めての制服、母に見せてあげて。友達なんだけん。
感想
何というか切ないですね。
町子さん、敦恵さん、琉衣さん、それぞれに事情がある。
母が認知症になり、自分のことも忘れてしまい「嫌い」とまで言われた敦恵さん。
その敦恵さんのことを時々思い出すものの、認知症のせいで記憶の定まらない町子さん。
事情があって不登校になった琉衣さんですが、認知症の町子さんが悩みを聞いて、受け皿になってくれる。
複雑な三角関係の最期は、町子さんの事故死で悲しい結末となってしまいましたが…。
母に制服姿を見せてくれ。
母と仲良くしてくれてありがとう。
学校に行けるよう、頑張って。
そんな敦恵さんのメッセージが込められた言葉だと思います。
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