【この記事は死役所 ネタバレ 第84条 「あたしを助けて②」のあらすじをご紹介します】
第84条 あたしを助けて②
「おかえり」
明るい表情で元気に挨拶するシュシュちゃん。
とても死にたがっている女子中学生には見えませんね…。
「たた、ただいま」
吃音の立脇さんが、どもりながらシュシュちゃんの「おかえり」に応えます。
手にはお弁当。
夕飯のようです。
「あ、それ書いたよ」
嘱託殺人を立脇さんに依頼したと、ノートに書いたのです。
そして、立脇さんの持つ紙袋を目ざとく見つけたシュシュちゃん。
それは「ラズリス」というブランドのワンピース。
シュシュちゃんが雑誌を見ながら「可愛い」と言っていたので、立脇さんが買ってきたのです。
早速着てみるシュシュちゃん。
「気に入った!めちゃくちゃ気に入ったよ!」
好きなブランドのワンピースに大興奮。
「嬉しいなぁ、最期にラズリスの服着れたぁ」
好きなブランドの服を着れたからと言って、死ぬのは止めないんですね…。
まぁ、それだけ真剣ってことで、当たり前ですね。
ノート
夕食を食べ終わり、シュシュちゃんがトイレの間、例のノートを見る立脇さん。
シュシュちゃんに「自殺幇助」ではダメかと提案します。
前話で「自殺は嫌」と言っていたシュシュちゃん、もちろん断ります。
「ノート、読んだんだよね?」
読んだ、と返す立脇さんに
「生きてる以上に苦しい事なんてない」
と言い切るシュシュちゃん。
表情が「諦め」とか「疲れ」を絵に描いた(実際絵なんですが)ようで…。
中学生でそんなに人生を諦めるなんて、「ノート」に書かれた真実は、相当苦しいものなのでしょう。
そんなシュシュちゃんの様子を見て、泣き出す立脇さん。
シュシュちゃんがどんな思いで生きてきたか、想像もつかない。
けれど、立脇さん自身も死にたいと思ったことがあるから、その気持ちだけは分かる、と。
そんな立脇さんの涙に、もらい泣きするシュシュちゃん。
今まで出会った「おじさん」たちは、自分を抱いておきながら、「殺してほしい」という願いを叶えず、「君は若い」「死んじゃだめだ」「未来がある」という判で押したような答えでゴマかしてきました…。
しかし、目の前にいる立脇さんは、自分を抱きもせず、しっかりと自分に向き合ってくれた。
立脇さんの優しさが、心に染みた涙なんでしょう…。
これで、死ぬのを考え直してくれればいいのですが……。
迷いなく
「ほほ、ほんとに殺されたいの……?」
「うん、今すぐにでも」
まったく迷う事のない応えです。
観念した様子の立脇さん。
自身が処方されている睡眠導入剤を、多めに飲んでベッドで寝るようシュシュちゃんに頼みます。
意識がない方が、楽に死ねるから…と。
垂れ流しになるらしいから、トイレに行っておいた方がいい。
生理用のナプキンをつけておいた方が良いかも。
どこまでも親身な立脇さん。
今まで誰もまともに取り合ってくれなかった。
初めて、こんなに向き合ってもらえた。
「ありがとう、立脇さんだけだよ」
『僕だけ……そうだ、僕がやるんだ。僕しかいない。だって僕も……』
お兄ちゃん
立脇さんの言いつけ通り、睡眠導入剤を飲んで横になるシュシュちゃん。
「死に装束」は、立脇さんに買ってもらったワンピース。
眠りについたシュシュちゃん。
目の前に現れたのは「お兄ちゃん」
随分「お兄ちゃん」を慕っていた様子のシュシュちゃん。
そんなシュシュちゃんの首にタオルをかけ、精一杯絞める立脇さん。
「僕も、君を苦しませていたうちの一人だ……。ごめん……ごめん……」
先ほどの「だって僕も」の後に続くのが、「君を苦しませていたうちの一人」に繋がるわけですね。
しかし、立脇さんがシュシュちゃんを「苦しませていた」とは、どういうことでしょう……?
死役所。
「無事に」死ぬことができたシュシュちゃん。
「嘱託死課」で手続します。
職員は加賀シロさん。
あんまりいい印象の無い方ですが…。
上から目線で人間味の無い対応、手続きの書類も「成仏に必要だ、いいから黙って書け」と横柄な態度。
シュシュちゃんにも
『偉そう……』
と疎まれます。
船田朱果
「お客様は仏様です。きちんと説明するのも、私たちの仕事ですよ」
そう言って現れたのはシ村さん。
シュシュちゃん……本名「船田朱果」さんに、手続きの仕方や成仏までの流れを説明します。
その間、シュシュちゃんの人生史を読む加賀シロさん。
手続きに必要な書類の記載が「めんどくさい」と言い出すシュシュちゃん。
そんなシュシュちゃんに、「早く書け」と相変わらず上から目線の加賀シロさん。
自分の胸元を見た、というシュシュちゃんに
「貴様のような下品な小娘に欲情すると思うか?視界に入れるな、不愉快だ」
シュシュちゃんの人生史を読み、家を出て色々な「おじさん」たちの家を転々としたことを知った、加賀シロさん。
「おじさん」たちに抱かれ続けたシュシュちゃんを「下品」と蔑みます…。
加賀シロさんの非礼を詫びるシ村さんですが、
「別にいいよ、本当のことだし」
やっとのことで死ねたのに、再び「諦め」の表情を見せるシュシュちゃん。
「あたしの存在はおじさんたちの活力になったと思うし、あたしを殺したおじさんもきっと満足してる」
立脇さん……「満足」しているのでしょうか……。
加賀シロさんの相手をする方が面倒になったのか、書類にササっと記入するシュシュちゃん。
成仏許可証が出来るまで待っていろ、と言われると、「後でまた来る」とその場を去ります。
不憫
「不憫な娘だな。見知らぬ中年の性のはけ口として生きるとは」
非常に口が悪いですが……加賀シロさんなりの「同情」なのでしょう。
同じくシュシュちゃんの人生史を呼んだシ村さん、
「確かに、不憫な人生ですねぇ」
現世。
「頼まれて殺しました。頼まれて殺しました。頼まれて殺しました」
手にはスマホ。
「110」が表示された画面を見ながら、話す内容を反芻します。
「僕は正しいことをした。僕は正しいことをした。大丈夫。大丈夫」
自分に言い聞かせます。
シュシュちゃんが書いた「ノート」を確認します。
「私は立脇さんにお願いして殺してもらうことにしました」
ちゃんと嘱託殺人であることが、書かれています。
嘱託殺人…被害者の依頼や同意により、殺害する行為をいう。
コトバンクより
意を決し、「発信」ボタンを押す立脇さん。
「ああああああの、じっじじじ、じけっじけん……」
再び死役所。
成仏許可証が出来るまで、死役所内を散策するシュシュちゃん。
『思い出したくなくて死んだのに……なんで思い出しちゃうの……』
それは立脇さんに「殺してもらう」直前に見た夢に出た「お兄ちゃん」。
『お兄ちゃんも……ここに来たの……?』
「お兄ちゃんも来た」ということは、お兄ちゃんは亡くなった…?
ただ、ノートには「私は加害者家族」と書いていたはず…。
加害者は「お兄ちゃん」で「死刑」になり、執行されたから「ここに来た」……?
と言うのは見当違いかな。
「お兄ちゃん」が死役所職員になっていて、死役所で再会…なんてのもアリかと思いますが、苗字が「ふなだ」なのでそれはないかなぁ…。
死役所職員の皆さん、みんな「シ」が付いてますしね。
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