「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ 」「191話☆子安つばめは塗り替えたい」の ネタバレ・あらすじ・感想をご紹介します。
191話☆子安つばめは塗り替えたい
3年生の卒業を間近に控えたその日、石上会計は違和感を感じていました。
周囲の視線が、何か自分に対して「噂をされている」ような。
しかしそれは、これまでのような「悪意のある視線」ではなく……。
困惑する石上の前に現れたのは、大仏こばち。
子安つばめ先輩や、おヤクザさんの孫娘・龍珠桃と並んで、秀知院の「難題女子」に数えられる美女にして、小学生からの親友・伊井野ミコ会計監査を通して、ずっと石上を見てきた大仏こばち。
「これが子安つばめの選択。石上、黙って受け取ってね」
話は前話のオンライン会議に遡ります。
秀知院のやんごとなき面々とのオンライン会議で、自分がしたいことを話すつばめ先輩。
つばめ先輩自身は、学園生活が本当に楽しくて、何年たってもこの日々を明るい気持ちで思い出す。
でも、きっと「そうじゃない人」もいる。
誰からも手を差し伸べて貰えなかった人は、きっと沢山いる。
その人たちはこの学生生活を、苦々しい気持ちで振り返ることになる。
「私たち先輩に出来ることって無かったのかな?それが私の心残り」
つばめ先輩がオンライン会議中、画角に入らない位置でその様子を見守る、大仏こばち。
彼女は知っていました。
つばめ先輩が孤立した者と、積極的に関係を築こうとする人間であることを。
そして会議の参加者も、それを知っていました。
長年彼女の行動を見て来た者。
手を差し伸べられた者。
歯の浮く理想論を、つばめ先輩は「本気で言っている」ことを。
おヤクザさんの孫娘・龍珠桃が反論します。
人が人を迫害するのは、「楽しくてラク」だから。
悪者に大勢で正義の石を投げるのは、これ以上ないエンタメ。
一度石を投げた者にとって、「真実ほど都合の悪いもの」はない、と。
今の世の中、特にSNSの世界や、学校のような閉ざされた世界を、凝縮するような言葉ですね。
それに反論したのはかぐや。
「真実なんて必要ありません」
オンライン会議の参加者は、皆知っていました。
石上が大友京子にストーカー行為をしたというのは、あくまで荻野コウが流した噂。
実際荻野は「怪しげな斡旋業に手を染め」、それを隠匿するためのものであったことを。
荻野の悪事の真相は、それだったんですね…。
自分に惚れた女子を手籠めにし、「そういう業者」に斡旋する…。
売春島に出稼ぎに行かせる、おヤクザさんのようです…。
その真実を暴露すれば、大友京子に危害が加わる。
噂を残せば石上に被害。
完全なデッドロック状態で、石上が取った選択が後者。
自分が被害に遭う、だったわけです。
それを打破するための、つばめ先輩の策。
「嘘で嘘を上書きすればいい」
大友京子に被害が行かない程度にマイルドで、石上の真実の一端が見えるようなシナリオ。
例えば「荻野コウが浮気をし、それを石上が咎めたところ、荻野に悪い噂を流され、石上が大友京子のために泥を被った」
その噂を流すために、オンライン会議の面々の協力が必要だったわけです。
警視総監の息子で、剣道部部長の小島が意見します。
「そのプロパガンダに加担するのは吝かでない」
しかし、これだけの人数がいれば、どこかからはその話が漏れる。
「良いんじゃない?むしろそここそ、この話の肝要」
気付く人には気づくよう、敢えて話にも隙を残してある。
そのうえで真実を求め、調べ疑い、様々な事情を理解したうえで、判断を下せる人も多いはず。
そういう人たちに向けた、自分たち卒業生からのメッセージ。
石上のことだけを考えたわけじゃなく、「皆のことを考えた」結果の策だったわけですね。
深いわぁ……。
「一応チャット欄に、プロパガンダの内容と荻野の浮気証拠画像のリンクを貼っておきますので、好きにご活用ください」
IT音痴だったはずのかぐや…早坂の指金でしょうか?
龍珠が一言、
「っていうかこの中に荻野を転校に追いやった奴がいるだろ。誰がやった?」
不敵な笑いをするものが……何人も。
オーバーキルだったようです、荻野コウ。
「この学園にはもう、新しい噂が知れ渡っている。たぶん、大友京子にも。これがつばめ先輩の願い。それをどう捉えるかは、石上の自由。この数か月間、先輩は君のこと、本当によく見ててくれてたよ」
そして肝心の、つばめ先輩の選択は如何に……!!
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