【この記事では「監獄実験~プリズンラボ~」第2巻のネタバレ・あらすじをご紹介します。原作: 貫徹/作画:水瀬チホ】
戸宮清
「監禁相手を殺した」と言う藍都からの電話を受け、監禁部屋に駆けつけた原川。
駆け付けた先は、三崎由乃の監禁部屋。
そこには、三崎由乃の監禁相手の戸宮清「だった」肉片…。
およそ、人としての原型を留めていません。
原川は、藍都の左手の軍手が、著しく血に染まっていることに気付きます。
「返り血……すごいね」
それは返り血ではありませんでした。
桐島彩に噛みちぎられた小指。
それを隠すための軍手で、軍手の中は大量出血。
早急な治療を促されます。
三崎由乃は「相手が死亡した場合、罰金一千万円ゲームは終了。」というルールにより、失格となります。
骨潰しゲーム
藍都が指の治療で話が聞けず、三崎由乃の担当・新村に、監禁室で何が起こったのかを尋ねる原川。
「監視映像を見せてくれ」
という原川に対し、新村は
「いいけど……後悔するなよ」
三崎由乃の誘い通り、部屋で二人きりになる藍都と三崎由乃。
しばらく二人はじゃれ合いますが、三崎由乃が一方的に藍都にちょっかいを出している感じです。
藍都は三崎由乃を見ておらず、視線の先にあるのは監禁室。
桐島彩をどうしたいのか、どうすればいいのか分からず、ヒントを探るために三崎由乃に接触した藍都。
「三崎さんは楽しいですか?このゲーム。俺……どうすればいいのか分からなくて」
と切り出します。
「私も探してるの…復讐のゲームの意味……」
それを見つけるために、二人は一緒に監禁室に入ります。
三崎が監禁室に、何か道具を持ち込んでいることを、知っていた藍都。
見せてもらうと、刃物に鈍器やガソリンなど、ヤバいものだらけです。
そこで藍都が提案。
「骨潰しゲームをやりませんか」
骨潰しゲーム
十六世紀頃の貴族が遊んでいた、悪魔のゲーム。
奴隷を一人連れてきて、交互に殴る。
当然「助けて」と奴隷は叫びますが、ゲームを続けるうちに「助けて」が「殺して」になる。
どちらが先にそれを言わせるかを、競うゲーム。
三崎由乃の監禁相手・戸宮清を使って、その「骨潰しゲーム」を始めます。
躊躇なく戸宮清を、鈍器で殴打する藍都。
その映像を見ながら、原川は驚きを隠せません。
「まだ二日…たった二日で、江山藍都は大きな変化を見せた。監禁役という役割を得て、変化すると予想はしていたが…たった二日でここまで変われるものなのか……」
戸宮清は途中で死亡しますが、二人はその死体を飽きるまで弄り続けます。
最後まで戸宮清は「殺して」と言わず、「骨潰しゲーム」は引き分け。
監禁ゲームとしては、三崎由乃の失格。
藍都に関しては「ルール上問題ない」と言うことで、監禁ゲーム続行となります。
失格後の処遇を伝えるため、三崎由乃の部屋を訪れた、担当の新村。
風呂に入っていたという三崎由乃、バスタオル一枚で出てきます。

新村が「トイレを借りる」と、ユニットバスに入ると……そこにはボロボロになった戸宮清の遺体が、更にボロボロにされて浴槽に浮いていました…。
三崎由乃は、あの後更に、戸宮清の遺体を弄んでいたのです……。

黙っていれば、グラマラスで可愛らしい三崎由乃ですが…。
人懐こい笑顔の裏に隠された、三崎由乃の本性は、とんでもない化け物なのかもしれません……。
勝又幸
一方、もう一人の参加者・勝又誠司は病院を訪れていました。
入院を続けている娘の見舞いです。
四か月前、公園のトイレで複数の男に強姦された、勝又誠司の娘・幸。
強姦された挙句、ナイフで体中を刺されていた幸は、偶然近くを通った青年が通報したおかげで、命は助かりました。
しかし、事件のトラウマから正気を失ってしまった幸。
まだ十五歳なのに、そんな目に遭ってしまった娘を、妻と二人で一生かけてケアしていこうと、仕事を変えるつもりで退職した勝又誠司。
その一週間後、置き手紙を残し、妻は姿を消します。
娘が乱暴され、妻に逃げられ、再就職もうまくいかない…。
そんな時に「監禁ゲーム」の誘いが来たのです。
監禁相手の倉梨エリカにも、その経緯は話していました。
倉梨エリカは、勝又誠司が「娘の治療費のため」に参加したと思っていましたが、実際のところは違っていました。
監禁ゲームで得た賞金で、まだ捕まっていない、娘をレイプした暴行犯を、「金をかけて見つけ出し、殺してやろう」と考えていたのです。
娘の見舞いを終え、担当の長峰の車で監禁ゲーム会場に向かう勝又誠司。
会場に入ると藍都とすれ違います。
前日すれ違った際に、藍都に対し「陰気な少年」という印象を持った勝又誠司。
しかし、一日たった今日、前日と同一人物かどうか、分からないくらい印象の変わった藍都に、気圧されます。

桐島彩に暴力を振るえず、逆に小指を食いちぎられた藍都。
吹っ切れた藍都の印象は、傍目にも変わっていたのです。
秋山奈美
監禁ゲーム会場から帰宅の途中、三崎由乃同様「拷問用の道具」を揃えに、ホームセンターに寄る藍都。
購入した道具を原川に預け、ナイフ一本だけ持ち、歩いて帰途に着きます。
帰る途中に出会ったのは、学校で藍都をイジメている男子生徒。
首謀者が桐島彩で、実際に暴力を振るう実行犯がこの生徒ですね。
それに、藍都と桐島彩と同中の、秋山奈美。
二人の共通認識は「藍都が桐島彩のストーカーで、中学時代からずっと粘着していた。高校まで同じところに追っかけてきた、キモいやつ」

夏休み前同様、「キモいやつだから再教育してやらないと」という口実で、マンションの屋上に連れて行かれた藍都。
そこで、「いつものように」暴行を受けます。
咄嗟に、ポケットにナイフが入っていることを思い出し、それで刺せば逃げられる、と考えますが…それを実行に移せません。
「お前ら、そこで何してる!屋上は立ち入り禁止だ!警察に通報したからな!!」
の声。
慌てて逃げる男子生徒と、秋山奈美。
声の主は原川でした。
「今の藍都くんなら、やり返すと思って見てたのに」
という原川に対し、
「問題を起こしたら、終わってしまう。監禁ゲームが…僕の復讐が終わっちゃう…。奴らのおかげで思い出した。自分の惨めさを。だから決めました。桐島彩にどう復讐するのか……。最高です。明日が楽しみで仕方ない。これからは、楽しいことしか起こらない!」
監禁ゲーム三日目
前日同様、原川の車で監禁ゲーム会場に向かう藍都。
着いて早々、桐島彩の汚れた体を拭き始める藍都。
監禁相手が食料や飲み物を購入する場合、タブレットから購入できますが、飲料水は「1,000円」、食事一食「5,000円」
馬鹿げた料金がかかります。
しかし、参加者が購入してくる分には、料金がかからない。
藍都は自分で買ってきた水を、桐島彩に飲ませます。
「おにぎりも買ってきたから、後で食べな」
桐島彩は混乱します。
「江山のこと、男のくせに情けなくて…ナヨナヨしてて…私はそこが嫌いだった。なのに私を見下して、可哀想なものを見る目で哀れんでくる…。私より弱いくせに、馬鹿にして。あなたは誰なの?全然違う…何もかも…」
「イジメっ子の自覚はあるが、罪悪感はないのか」
という藍都の問いに対し、
「罪悪感?…何で?嫌なら抵抗して、強くなればいいじゃない。悪いのは、弱いままの江山。強くならない江山が悪い!私だって弱かった…くそオヤジに暴行されて…されるがままで……。だから変わった!強くなった!!だから私はあいつを……っ」
そこで桐島彩の言葉は止まります。
藍都の知らなかった、桐島彩の内面。
桐島彩は、父親に暴力を振るわれていた…?
そして、桐島彩は父親をどうしたのか…?
逆に、自分を監禁して罪悪感ないのか?という桐島彩の問いに、「ないね」と答える藍都。
「やってることは私と同じじゃない!!被害者ぶるなよ、クソ野郎!!」
圧倒的に不利な状況。
ヘタをすれば、殺される可能性もある。
そんな状況下でも、気丈に振る舞える桐島彩の強さに、心を震わる藍都…。
が、ハンマーを持ち出し、桐島彩の頭や腕を殴打。
腕は完全に折れています。

それでも、殺すまでには至りません。
「大丈夫。殺すわけないだろう?殺したら終わっちゃう…。死んだらもう、復讐できない。だからまだ殺さない。殺したいから、殺さない。俺が満足するまで、殺してもらえると思うなよ?生きて絶望を感じて欲しい。桐島が全力で苦しめるよう、俺も全力でサポートする…」
そして桐島彩本人だけでなく、家族のことも口に出す藍都。
「お前の弟が心配してたらしいよ?お姉ちゃん~、って」
「弟」という言葉に、大きく反応する桐島彩。
「弟達に何かしたら……殺す!絶対に殺してやる!!」
「弟」が桐島彩にとって、ウィークポイントであることに気づいた藍都は、次の行動に出ます。
桐島優と快
霧島家の家族は、母親とまだ小学生の弟二人。
女手一つで三人の子供を育てる母親は、仕事で家を留守にしがち。
桐島彩が行方不明になってから、親友の秋山奈美が、二人の弟に食事を食べさせています。

藍都へのイジメにも加担している秋山奈美ですが、ここだけ切り取ってみると、親友を想い、そしてその家族にまで想いを寄せる、いい子です。
夕飯の買い出しに出た、秋山奈美と桐島彩の二人の弟。
末の弟・快が、公園でサッカーをする友達に誘われ、上の弟・優が快のことを見ています。
その間、秋山奈美は買い出しに。
一人ベンチに座る、優の隣に座る藍都。


優は過去に、藍都に会ったことがあるようです。
名前もしっかり覚えていました。
「彩姉ちゃんと一緒に帰っていたのを、何度か見たので…」


三年前、中学生の桐島彩と藍都は、「一緒に帰る」ほど仲が良かったようです。
それがなぜ、「イジメる側」「イジメられる側」に…。
優に精神的な揺さぶりをかける、藍都。
表面上、優等生の桐島彩ですが
「裏ではイジメっ子だった。自分も相当やられたから、復讐されて当然じゃないか」
優の不安を煽ります。
「桐島は人気者だけど、でも…みんなが好きとは限らない。誘拐されてもおかしくないんじゃないかな」
絶対に安全な、優位の立場から相手を追い詰める優越感に、快楽を感じる藍都。
脱走
監禁室に戻り、優に会った際に撮った写真を、桐島彩に見せます。
「自分がやられたイジメと同じ事を、二人にそのままやるってのはどう思う?」
自分が傷つけられる分には、強気を通せた桐島彩も、弟に危害が加わるとなると、弱気になります。
『弟たちに何かあっては……』
そう考えた桐島彩の目に入ったのは、タブレット。
このタブレットを操作すれば、飲料水や食事を頼むこと、トイレに行くことも可能です。
しかし両手を鎖で繋がれた状態の桐島彩には、それができません。
が、ご丁寧に「タッチペン」が横に置いてあります。
監禁相手用の監禁オプション。
十分間の拘束具解放で、値段は五十万円です。
母親が一人で働き、三人の子供を育てる桐島家には、払える金額ではありません。
が、「名前当てゲーム」で藍都の名前を言えば、ゲームは自分の勝ち。
五十万も藍都の借金になる。
自分に返済のリスクはない。
そう考えた桐島彩は、明け方に脱走を計画します。
早朝五時前。
口でタッチペンを加えた桐島彩が、タブレットを操作し、「拘束具開放十分」の裏オプションを購入します。
その場で鎖は外れ、桐島彩は解放されます。
監禁部屋を出ると、ホテルの一室のような居住空間。
そこからドアを開けると、廊下に……。
部屋の前には、藍都が立ち塞がっていました。
監視映像で、桐島彩の脱走を知っていたのです。
脱走を止めるのかと思いきや、道を譲り、逃走促す藍都。
監禁部屋のある地下三階から、地上までエレベーターで上がった桐島彩。
「とにかく外に逃げなければ、道沿いに逃げたら簡単に捕まる」
雑木林の中を走り、灯りの見える方向へ逃げる桐島彩。
開放時間のリミット、十分の直前には街の明かりが見えてきます。
「これで助かる!」
そう思った瞬間……開放時間終了。
監禁ゲーム主催者側の人間によって、完全に包囲された桐島彩。


監禁部屋に連れ戻された桐島彩を、藍都が待っています。
「もしかして逃げられると思った?外に出れば希望があると、助けが来ると思ったの?そんな都合よくいくかよ、バーカ!」
跪いた桐島彩の頭を、椅子に座って足蹴にする藍都。
桐島彩に反抗する気力はなく、
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
と謝り続けます。
九字間
禁ゲーム主催者側の、藍都の担当・原川の元に、ゲームの主催者である「九字間」から電話が。
「名前当て」後に始まる「参加者同士の生き残りゲーム・藍都と勝又誠司を対決させる件」の話。
この企画自体は原川が書いており、新村や長峰には黙っていたようです。
「楽しむのは構わんが、監禁ゲームの本来の目的を忘れるなよ」
と釘をさす九字間。
「桐島彩から目を離すな。彼女の全てを見届けろ。それがお前の役目なのだから」



藍都が参加者に選ばれたというより、監禁相手に桐島彩が選ばれたことに、必然性があるようです。
藍都ではなく「桐島彩」から目を離すな。
九字間か、或いは原川か、どちらと関係あるのか分かりませんが、桐島彩を観察することに、何か意味があるようです。
そして、藍都に興味を持った九字間。
「江山と少し話がしたい。どこかで一度、挨拶せんとな。このゲームの主催者として」


ゲーム主催者の九字間が、藍都の前に姿を現すようです……。
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