「ぼくらの」あらすじ紹介【ネタバレを含みます】(13.カナ③~父~)


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カナ(宇白 可奈・うしろ かな)編③

この記事には「ぼくらの」のネタバレを含みます。

 

9巻表紙がカナちゃんです。

アンコの戦闘の後、カンジとマチ、ウシロの親御さんには、ジアースのパイロットが戦闘後にどうなるのかを、伝えられていました。

残された時間を、悔いのないように使えるように、という配慮から。

まだすべての戦闘が終わったわけではないが、いつ終わってしまうか分からない。

ならば、本当のことを当事者には知っておいてもらうのが筋、という佐々見さんの思いです。

何の慰めにもならないことは、承知の上で。

ぼくらの ©小学館/鬼頭莫宏

パイロットがあのガキだから焦ってんのか?

コエムシが核心を突きます。

次のパイロットがカナだから、負ける可能性が高いから、やれることをやっておこう。

そういうつもりなのか、と。

「時間が無くなる、とは思っている。

ジタバタするのも格好悪い。

が、自分の孫のような年齢の子供に、すべてを託すのも格好悪い。」

どうしたらいいのか分からない。

けど、少しでもやれることをやっておこう。

そう言う心持ちに見えますね。

ウシロの父、血は繋がっていないわけですが、元々ウシロはパイロットと思われていたため、その父に、パイロットの戦闘後のことは説明されていました。

そして、ウシロは実は契約していなかった。

が、カナが契約していた。

次のパイロットはカナ。

カナの戦闘後は…必然、どうなるか知っているわけです。

そんな父親に、

「お父さん、心配しなくていいから。

今世界中で2秒に一人、子供が餓死しているんだって。

2秒に一本ずつ、主人公が死ぬ物語が作られている。

他愛ない話なんだって。

でももし、これが悲しい話として誰かの目に映るのなら。

皆にそういう想像力が働くといいなって、思ってる。

お父さん、心配しなくていいから。

私は、大丈夫だから。」

健気ですね…。

そして、キリエのように「自分に関係ない命にも、関心を持ってほしい」と思ってる子。

こんな子だからこそ、ウシロからの暴力にも耐え、その母を懸命に探したんでしょうね。

カナの最後の望みを叶えるべく、田中さんと会うウシロ(とカナ)の父。

宇白先生と、元教え子・田中さん。

「順(ウシロ)の母親として、名乗り出てほしい」

「本当にすいません。

それだけはどうしてもできないんです。

私も、ジアースと契約しているから。

順にとっては、契約しなかった自分のために、妹であるカナちゃんと、母親である私が契約してしまったことになるんです。

私たちがいなくなった後、順がどうするのか。

どう生きていくのか。

生きていけるのか。

一人足りないパイロットに、名乗り出ることはないのか。

どうやっても、順にとって辛いことにしかならないでしょう。

だから、私には言うことができません」

田中さんの決意は固いようです。

「君の家族は、そのことを知っているのか」

「言っていません。

言えば反対されますから。

私が軍人である以上、予測されうる事態だと思って、諦めてもらうしかありません」

「強くなったんだな、君は。

私は弱いままだ…」

少なくとも、中学卒業後に妊娠し、恩師の元に転がり込み、出産後に子供を置いて逃げた人とは思えませんね。

「先生、今でも役に立っていますよ。

先生の『死の授業』。

自分が死んだとして、周りの人たちのその日、次の日、一週間御、1ヶ月後、1年後、10年後を想像する。

あれは面白い授業でした」

「あれは『死を覚悟』するためのものではないし、死なないことを前提とした授業だ。

それにもう、ずっと行ってないんだ。

学校に抗議をした親があってね。

校長に叱られた。

人は自分が死ぬなんてことは、考えたことがない。

もしくは、怖くて考えようとしない。

でも、死を考えることがないから、生を考えることもない。

もしかしたら明日死ぬかもしれないと考えたら、きっと今日の生き方も変わってくる。

本来なら、順に全てを伝えて、自分で考えさせるべきなんだろうが…」

「先生の口癖を思い出しました。『考えなさい』。」

『それは、人間に与えられた最高の娯楽。

特に中学くらいの年代にとっては、とても大切なんだ。

人生において、至高の喜びを与えられた期間。

先進国に限定される話ではあるけれど、今日の食事を得るために、思考力を使わなくていい期間。

それは生存していくという観点から見れば、極めて特殊なことだ。

そして実は、それは人間の大人も全く変わりがない。

大人も、今日の自分の食事を得るために、考えているにすぎない。

大人の思考は、実質動物と変わらない。

でも、子供の期間は違う。

自分が生きることに直接関わりのない、どうでもいいくだらないことに、悩める期間。

大人からすれば、そんなの社会に出れば分かるとか、現実には通用しないって、答えられてしまうような、青臭いとされる悩みや考え。

でも、その答えは実は、答えにはなっていない。

日々に流され、考えることを放棄している、ただの言い訳だ。

そういった子供の頃に抱く、潔癖さの入り混じった考えや悩み。

それはとても重要なことだ。

自分のその日の生存に直結しないから、その思考は自由で、そして可能性に満ちている。』

その「考える」ことを、息子である(ウシロ)順に背負うせるべきなのか、田中さんは悩みます。

残り少ない、カナの普通の生活。

「学校には行かなくていいのか?もう再開してるだろう?」

「うん、でも色々説明するの大変だから…。

友達にはお手紙書いたし。

お父さんこそ、学校ずっと休みしてて大丈夫なの?」

「あぁ…。どこか行きたいところとか、本当にないか?」

「家にいられればいい。

お父さんの生徒さんから、いっぱい電話かかってきたね。

あんまり休んで、心配させちゃだめだよ。」

「そうだな…。今日は、お父さんが夕飯の用意するよ。何が食べたい?」

「カレー!お兄ちゃんが好きだから。」

「じゃあ甘口だ」

「うん、甘口」

ぼくらの ©小学館/鬼頭莫宏

何気ない、親子の会話。

お互い、残された時間が少ないことを知ったうえで、お互いを気遣い合っている…。

「お父さん、ごめん。夕ご飯、食べられない。」

戦闘が始まります。

コックピットに呼び出されます。

「お父さん、ありがとう。」

父親の目の前で、ジアースに転送され、消えるカナ。

コックピットには、戦闘機が持ち込まれていました。

佐々見さんがコエムシに依頼していたのは、この戦闘機を持ち込むことでした。

そして、パイロットは田中さん。

場所はアウェイ。

しばらくして、転送されてきたマチ。

田中さん、佐々見さん、ウシロ、カナ。

全員が何か言いたげに、マチを見ます。

それを察して、コエムシが

意見があったら、オレ様を通してな。なんせ可愛い妹なもんでよ。

さすがに皆、驚きます。

コエムシとマチは兄妹…。

パイロットとして契約しているはずのマチが、コエムシの妹…?

どういうことなのか、2人に確かめたいところですが、戦いは待ったなしです。

じゃ、行くぜ

カナの戦闘、開始です。

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