ひぐらしのなく頃に 解 ~祭囃し編~ 其の弐「蠢き」
両親を事故で失い、劣悪な環境の児童養護施設で過ごす田無美代子は、同じ施設の女子と共に、脱走を図ります。
雷雨の中、追手から逃げる山中で、美代子は天に向かって叫びます。
「さあ殺せ!田無美代子はここにいる!
私のお父さんと、お母さんを奪ったように!
私の命もここから奪え!!
狙え…殺せ…私を……天に連れていけ!!
……だがもし、殺し損ねたら……
私の運命を、ひっくり返してみろ!!!」
言った瞬間に、天からの落雷……!
雷は、美代子のすぐ後ろの木に、落ちました。
「神は、殺し損ねた……
私は勝った…っ!
賭けに勝ったんだから、私を救い出して!!」
しかし、いきなり何かが変わるはずもなく…。
「何も起こるわけない…神様なんていない…」
追手の教官の声が聞こえ、再び走り出す美代子。
逃げた先に電話ボックスがあり、雷雨の中を走って冷え切った身体を休めます。
よく見ると、床に10円玉が落ちています。
父の言葉を思い出す、美代子。
「お父さんが死んだら……た、高野先生を頼りなさい…。」
その後、最後の力を振り絞るように、唇を動かした父。
声は聞き取れなかったけど…あれは…数字?もしかしたら…電話番号?
必死に記憶を呼び起こし、父が遺した「電話番号」をダイヤルします。
「はい、もしもし。高野です。」
高野先生に通じました。
「高野一二三先生ですか?
私、田無美代子と言います。
わたしのお父さんは田無たけみつっていいます。
お父さんに電話しろって…」
「田無…田無…あぁ!田無くんか!
田無くんに何かあったのかい?」
「父は亡くなりました…それで、高野先生に電話しろって…」
「そうか…田無くんは良い青年だった…それで、田無くんは私に何と?」
「私を…私を、助けてください!!」
ブツッ
言い終わるかどうか、というところで電話が切れてしまいます。
直後、ついに追手に捕まってしまう美代子。
施設に連れ戻された美代子を待っていたのは、指を食い千切られた教官…。
その頃、高野一二三先生はアルバムを見ていました。
映っているのは、若い頃の美代子の父。
電話を手に取った一二三先生、どこかに電話を掛け、「至急お願いしたいことが…」。
美代子は教官に髪の毛を掴まれ、そのまま引きずられます。
引きずられた先は…トイレ。
個室に連れ込まれた美代子。
首を絞められた状態で、持ち上げられます。
殺されるかもしれない…。
そこへ、別の教官が現れます。

美代子は、養護施設を出ることになります。
迎えに来たのは、もちろん高野一二三先生。
おそらく、美代子からの連絡を受けた高野先生が、美代子の居場所を探し当て、養護施設に連絡してくれたのでしょう。
それがなければ、あのままトイレで絞殺されていたかもしれません。
「『たなしみよこ』ちゃんだったね。
私は高野一二三と言います。」
高野先生が、車の窓に「一二三」と指で書きます。
「みよ、と呼んでもいいかな?」
再び高野先生が、車の窓に字を書きます。
「三四」と。
自分の名になぞらえたのでしょうか。
田無美代子
高野三四
鷹野三四
そうです。
「オヤシロ様の祟り」の真犯人、鷹野三四さんです。
高野先生は、雛見沢症候群の研究をする学者でした。
大学や研究機関に所属せず、個人で研究を続けています。
高野先生に引き取られた三四は、その手伝いをし始めます。
「将来はいっぱいいっぱい勉強して、お爺ちゃんをもっともっと助けてあげるから!」
後々「私は神になる!」とか言ってた人と、別人です。
まぁ、子供のころから「神になる」とか言ってたら、それはそれは非常に危険ですが…。
高野家に来客。
「高野君、元気そうで何より」
「大佐殿、ご無沙汰しております。」
「大佐は無し無し。
三四ちゃんも大きくなったね。
こんなにかわいいお孫さんに恵まれて、羨ましい限りだ。」
小泉大佐と呼ばれる男性は、おそらく旧日本軍の大佐であり、高野先生がお世話になった方なのでしょう。
「教授たちは、都合が合えばさ来週にでも高野君のレポートを見に来る、と言っている。
準備できるかい?」
小泉大佐の顔利きで、大学教授らが高野先生の論文を見に来てくれる、と。
その人たちに認められれば、研究への協力や、スポンサーがついてくれるかもしれません。
「レポートを分かりやすく、作り直さなきゃならない」
「私も手伝う!」
高野先生と三四は、期待に胸を膨らませます。
二週間後、「小泉先生は急な用事で出席できない」と前置きされたうえで、教授たちが論文を聞きに来ます。
論文を聞いた後の第一声が「ありえませんな」。
「しかし、寄生虫が宿主の行動に干渉するケース、は非常に多く報告されており…」
「その原理は生殖のためという、極めて原始的な理念に基づくものだけです。
それが人間の思想に影響を及ぼすなんて、はっきり申し上げて妄言です。
危険思想だといってもいい。」
「現地で戦死した雛見沢出身者の解剖結果から、そうだと信じるに足る様々な結果が…」
「信じるに足る臨床データだと語るには、ケースが少なすぎます。」
「私は一流大学の出でもなく、個人での研究、学閥にも属さず、コネもない。
それでも、『雛見沢症候群』が真実なのか妄言なのか、研究したいんです。
お力添えをお願いいたします。」
深々と頭を下げる、高野先生。
「これが真実なら、すごい発見だ…
何しろ、全ての思想・宗教が寄生虫で説明できるわけですからな!」
「オカルトに傾倒し過ぎてしまったのでは?」
「これを小説にして出版されたらいい、大衆はこういう刺激を求めている」
散々に扱き下ろされます。
「どうして…?小泉のおじさんは……」
小泉大佐が高野先生の研究を認めてくれているのは、三四も知るところです。
それなのになぜ…高野先生も三四も、困惑します。
「急な用事」で高野家に来られなかった小泉大佐。
ある人に呼び出されていました。
「大佐」である小泉より偉い人のようです。
「小泉くん、君の友人の研究な、あれやめさせなさい。
雛見沢症候群は墓穴まで持って行かなきゃならん。
あれに手を付けると、藪を突いて蛇を出すことになるかもしれん。
しかも、太くてでかい蛇が、な。
君がこのままガブリとやられるのを見るのは、忍びないのでな。」
「雛見沢症候群」の存在は「事実」であるものの、それは「下手に突いてはならないもの」。
突けば、もっと大きな力が動くかもしれない。
そうなれば、小泉大佐の身にも、何事かあるかもしれない。
だから、もう関わるな。
そういう事のようですね。
となれば、高野先生宅に現れた教授連中も、同じように圧力がかかっている可能性が…。
「この論文はお返ししますよ。」
床に落とされて踏まれる、高野先生の論文。
「踏まないで!
おじいちゃんが頑張って…頑張って書いたんだから!!
踏まないで!!」
教授の足にしがみつく三四。
その三四の頬を叩く、高野先生。
「もっと私がしっかり研究していれば…
せっかく手伝ってもらったのに、無駄になってしまったな…」
2人で床に散らばった論文を拾い集めます。
「ここはおじいちゃんがやっておくから」
三四が部屋を出ると、中から高野先生の泣き声が聞こえてきます。
三四は決心します。
自分が、絶対に祖父の論文を世に認めさせるのだ、と。
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数年後、帝大を首席で卒業する三四。
帝大卒業生でも、選ばれたものしか入れない同窓会に誘われます。
そこには、あの小泉大佐も。
「私が、お爺ちゃんを神にする。
私の絶対に意志が、絶対の未来を紡ぎだす。
誰にも邪魔できない。
誰にも覆せない。
運命すらも私が決める。
挫けぬ、絶対の意思で。」
「神」はもともと、高野家に引き取られたばかりの三四に、高野先生が言った言葉でした。
「自分が生きている間に研究が認められることは、稀だ。
それでも、自分の研究が認められた時、おじいちゃんは甦るんだよ」
「神様みたいに??」
「そうだ、神様みたいにな。」
鷹野さん行動の動機、強い意志。
それらはすべて「おじいちゃん」のため。
おじいちゃんの研究を認めさせる。
おじいちゃんを甦らせる。
おじいちゃんを「神」にする。
帝大同窓会に入り、小泉大佐と再会した三四。
「あの時私は高野くんを救えなかった…何もしてやれなかった…」
高野先生に対する自責からか、小泉大佐は三四に対し、多額の資金援助をします。
「おじさんの目の黒いうちは、三四ちゃんの研究にお金の心配はいらない。」

小泉大佐と、同窓会のコネクションを利用し、入江、富竹、小此木と、自分の下につく人材を集め、「入江機関」の創設に漕ぎつけます。
時代は昭和50年代。
「入江機関」の表の顔、「入江診療所」の開設を目前に、古手神社を訪れた鷹野三四。
「あの時の10円が無ければ……それだけは、あなたに感謝する。」
さい銭箱に投げ入れようとした10円が、物理法則を無視した動きで弾かれます。
弾いたのは羽入。
「あなたがここの神様ね」
「強い意志は運命を強固にします」
「そうよ」
「揺るがない信じる心は、どんな運命をも打ち破るのです」
「その通りよ」

「ボクは、ようやく分かりましたのです。
何度繰り返しても、決して覆せぬこの運命は、あなたの強固な意志の力。
ボクはあなたに負けない。
教えられましたのです。
信じる力が、運命を切り開く奇跡を起こすと。
僕たちは、あなたの意志の強さに負けないのです!」
「うっふふふ、あははっはははは!!!
結構!
掛かっておいでなさい!
どちらの思いが強いか、見せてやる!
私は、私の未来を一歩も譲らない!
間抜けなガキめ、貴様を神の座から引きずり降ろしてやる!」
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