マキ(阿野万記・あの まき)編④
5巻表紙がマキです。
【本記事には「ぼくらの」のネタバレを含みます】
勝利目前のジアースを攻撃する国防軍の戦闘機。
しかし、それはミリヲタのマキでさえ知らない戦闘機。
ここはどこなの?
私たちは何と戦っているの?
モジの戦闘後、自分たちの乗っているジアースのコックピットが、
敵の「急所」と全く同じ形をしていることを知ったパイロットたち。
その時から引っかかっていた疑問。
その疑問を解決すべく、相手の急所(つぼみ状の形態)に穴を開けるマキ…。
「や、止めておいた方が…」
キリエです。
キリエは何となく、気づいているのでしょう。
疑問の正体に。
学校でパシリに使われていたカコに、「バカ」「ブタ」「鈍い」と罵られていたキリエ。
鈍いのではなく、自分を中心に考えず、大局的にものを見るだけ。
バカではなく、非常に思慮深い子。
それがキリエだと思います。
モジとは違うベクトルで賢い子だと思ってます。
急所を開き終わると…果たして中には人間が。
ジアースのコックピット同様、馬の蹄状に並んだ椅子に、人間が座っています。
中央に、パイロットと思しき男性。
ジアースと違うのは、パイロットが全員成人と思われる年恰好、ということくらいですね。
じゃあ、この人たちはいったいどこの人間なんだ、っていう疑問です。
「ココペリから聞いてねーのか?
仕方ねーなー、あいつは…」
「本当のことを答えて!!」
いつものように回りくどく、神経を逆なでするような
言い方をするコエムシを遮るように、マキが叫びます。
「枝状分岐宇端末点の未来の可能性の淘汰」
枝状分岐宇端末点とは、並行世界、いわゆるパラレルワールドですね。
増えすぎた宇宙を減らすため、宇宙同士を戦わせ、淘汰する。
コエムシ曰く「植木の剪定」のようなものであり、「自然現象」だと。
「剪定後の多様性を保持するため、できるだけ似通った宇宙同士を戦わせる」
ことになっており、今回の戦いは相手の宇宙で行われたため、
司令本部との通信ができなかった。
「似通った宇宙」同士の戦いであるため、相手の宇宙(地球)も
自分たちの宇宙(地球)と酷似している。
そのため、戦闘開始しても違和感なく戦っていたようです。
つまりジアース、及びパイロットたちは、並行世界の宇宙(地球)と戦っていたのです。
ロボットの形状こそ違え、コックピットは同じつぼみ状。
中には人間が乗っている。
負ければ、負けた方の宇宙(地球)は「ポン」。
今までジアースが勝利してきた分だけ、「ポン」となった宇宙(地球)が
存在するのです。
また、敵を倒す=急所を破壊する 、 ではなく、
厳密には敵パイロットを殺すことが勝利条件だそうです。
それは同朋人によるものでは無効(チズがカコを殺したケース)だが、
敵性地球人によるものであれば、パイロットに限られない(モジのケース)。
色々合点がいくものの、にわかには信じられない話です。
しかし、ジアースパイロットたちが置かれている状況を考えると、
信じざるを得ないのでしょう。
「あたしたちは今までに、何人くらいの人を殺してきたの?」
答えを聞くのが怖い。
けれども、ここまで聞いたしまったからには知っておきたい。
そんなマキの質問でした。
「一つの地球、ひいてはその地球が属する宇宙そのものを消すわけだが…。
一戦ごとにおよそ100億人だな」
ココペリが戦った分を除くと、ワク・コダマ・ダイチ・ナカマ・チズ・モジが戦い、
勝利しています。
100億 × 6 = 600億
およそ600億人を殺してきた、という計算になります。
地球の人口が100億に達するのは、2050年ごろと言われていますが、
そこは創作物ですので。
ちなみに、2017年時点での地球の総人口は、約75億だそうです。
自分がこの後、相手パイロットを殺すことで100億の人が死ぬ…。
ジアースの能力で命のある場所が分かる
(チズの時には、特定の人を探すこともできました)マキ。
その命の姿、生命の営みが、コックピットに次々と映し出されます。
この人たちを全員、今から自分が殺す…。
事の重大さに怯(ひる)むマキ。
「いいこと教えてやるぜ
このまま何もしなければ200億人を一気に…」
「やれる!!」
コエムシなりの檄なのか、或いはただの意地悪なのか…。
このまま何もせずに48時間(タイムオーバー)を迎えれば、
自分の地球を含めて両方が「ポン」。
そうなれば100億 × 2 = 200億人 を一気に殺せる。
そう言いかけたところを、マキが制します。
弟と、両親のこれからの生活のためなら、やれる。
攻撃前にもう一度、ウシロに念押しするマキ。
「ウシロ。あんたちゃんと、カナちゃんを守って戦いなさいよ」
夜中にウシロを呼び出した際に言った言葉です。
その言葉を受けて返事もなく、無表情なウシロ。
その言葉は届いているのか…。
敵急所を攻撃し、ジアースが勝利。
ジアースは自分たちの地球に転送されます。
すぐさま何かを確認するマキ。
戦闘場所となった地球で行ったのと同様に、命のある場所を探します。
両親と、弟の場所を。
「産まれ…たんだ…
あんなにきれいに輝いて…」
マキが別の地球で戦っている間に、弟が誕生していました。
涙を流しながら、弟の誕生を喜ぶマキ。
そして……そのまま崩れるように倒れ、亡くなります……。
「どうしよう…ぼくは戦えないかもしれない…」
次のパイロットに選ばれたのは……キリエ。
マキ編完です。
徹頭徹尾、産まれてくる弟と、今まで自分を育ててくれた両親のため、立派に戦ったマキ。
弟の誕生と入れ違いで、亡くなりました。
マキが最後まで心配したウシロ、
マキの死はウシロの気持ちに影響を及ぼすのでしょうか…。
そして次のパイロットのキリエ。
「戦えないかもしれない」という言葉に、不安を覚えます。
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