【この記事は「赤ちゃんと僕」のネタバレを含みます。】
今回ご紹介するのは「赤ちゃんと僕」、略称「赤僕」です。
古い作品ではありますが、コミックシーモアで1巻を
期間限定無料で読める(コミックス版では18巻だったのですが、
シーモアでは文庫版全10巻のうち、1巻を無料で読める)
状態だったので、久しぶりに読んだらやっぱり面白かった~…ので、ご紹介です。
概要
「赤ちゃんと僕」は、羅川真里茂 先生作の少女漫画で、
「花とゆめ」に連載されていました。
連載期間は1991~97年なので、連載開始はもう30年近く前ですね。
連載終了からも20年以上経っていますが、
時が経っても面白いものは面白いですよ。
1996年~97年には、3クール(全35話)でアニメ化もされてます。
あらすじ
タイトル「赤ちゃんと僕」のとおり、
主人公・僕が榎木 拓也(えのき たくや)小学5年生。
赤ちゃんの方が、拓也君の弟・実(みのる)2歳。
主に、弟の実に振り回される兄・拓也君のお話ですね。
榎木家には母親がおらず(作中、お話開始時点の
「1年前」に交通事故で他界)、学校が終わると保育園に
実を迎えに行き、父・春美(はるみ)が帰るまで一人で弟の面倒を見ます。
夕食の買い出し、料理もこなし、完全にお母さんの代わりですね。
しかし、中身はまだまだ子供の小学5年生。
放課後、友達から遊びに誘われても、
弟の面倒見なくちゃいけないから…と断る様には、
かなり悲しいものを感じますね。
成績優秀で運動神経も良く、なによりご面相が良い
(カッコいいと言うよりは、まだ可愛らしい感じかな)
ので、女子に非常にモテます。
しかし、そういう好意には非常に鈍感…ま、モテる男の子って
そういうもんですよね。
一方弟の実君。
わがまま、泣き虫、ブラコンな弟君です。
兄・拓也くんへの想いは非常に強く、保育園の
お楽しみ会で出されたおやつ(かっぱえびせんと
カントリーマアムみたいの)を、周りの子が
美味しそうに食べるのを必死に我慢し、迎えに来た拓也君に
あげるくらい想ってます。
2歳児にとってのおやつなんて本当大切なものですからね。
それをお兄ちゃんのためにとっておくなんて…健気です。
ちなみにうちの下の子はブラコンの気はないらしく、
隙あらばお兄ちゃんのおやつをいただこうとするくらい強かです。
拓也君には幸いなことに、保育園仲間
(同級生で、拓也君同様弟妹を保育園に迎えに行く友達)が2人います。
後藤 正(ごとう ただし)君と藤井 昭広(ふじい あきひろ)君です。
後藤君(通称ゴンちゃん)は、家が自営業(酒屋)で
両親ともそこで働いており、忙しい両親に代わって、
妹の浩子(ひろこ、通称ヒロ)を迎えに行きます。
ゴンちゃん、ヒロは非常にそっくりな兄妹で、
人類の進化途中…個性的な顔立ちをしています。
拓也君に比べると、妹の面倒見は適当ですが、非常に友達想いないい子です。
藤井君はクールな男の子。
拓也君同様、端正な顔立ち
(こちらはカッコいい感じですね)で、女子にモテます。
が、拓也君同様鈍感(というか興味なし)です。
六人きょうだいで兄姉が3人おり、妹の一加(いちか)ちゃんを
迎えに保育園に行きます。
家では、兄姉からは弟妹の面倒を押し付けられ、
弟妹からは遊べ構え攻撃…という、中間管理職のような立場です。
ヒロと一加ちゃんは、ともに実君のことが好き。
おませな一加ちゃんに「実ちゃんはわたしとヒロ、どっちが好きなの?」
と問われると、「う~っ」と少し悩み、すぐに笑顔で「に~ちゃ!」
(※お兄ちゃんの意)と答えます。
ほのぼのとしたお話も多いのですが、扱いにくい題材に
切り込んだお話が多いのも、この作品の特徴ですね。
今でこそ割と当たり前に取り扱われるようになった「いじめ」ですが、
当時そこに切り込んだ漫画は少なかったと思います。
「赤僕」でもいじめに切り込んだお話もありました。
あとは、少女漫画なのに「夢精」のお話もありましたね。
拓也君の同級生、竹中 七海(たけなか ななみ)君は
お父さんが船乗りでほとんど家におらず、お母さんと二人暮らし。
精通(朝起きたときに精通していたので、所謂「夢精」ですね)
したことに悩み、しかし相談できる父親がおらず、
拓也君のお父さん・春美さんに相談する、なんてお話もありました。
(そしてその後、ファザコンの拓也君が竹中君に嫉妬する…)
コミック版のときは、一冊丸々主人公の拓也君が登場せず、
父・春美さんと故人である母・由加子さんのなれそめ話で
終わったこともありましたが、それもそれで非常に面白かったです。
あとは、何といっても終盤ですね。
独身の頃は普通に読めましたが、結婚して子供ができてから読むと、
涙なしには読めなくて…。
さわりだけご紹介すると、出がけにお気に入りのクマさんの
服が着たいという実に対し、汚れたから洗った(捨てたんだっけ?)
から、我慢しなさいという拓也君。
あまりにも実君のグズリがひどいので、出先で違うクマさんの
服を買い与える拓也君。
それでも実君のグズリは止まず、服を脱がせ
「じゃあ着なくていい!実なんか大っ嫌いだ!」
スタスタと歩きだす拓也君。
「に~ちゃ~!」
追いかける実君。
横から車が……。
続きは是非、原作をお読みいただければと思います。
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