初陣で大活躍だった信。
恩賞で甲冑を買いに、貂と一緒に市に来ます。
戦で活躍とはいえ、見てくれはまだまだ子供の信。
信の甲冑買いを「お使い」だと思って、「親父さんのか?それとも兄貴か?」と聞きますが、信が「自分の甲冑だ」と言うと、信じてもらえず相手にされません。
やさぐれてお茶していると、茶屋を訪れたのは先の戦いで信と同じ歩兵軍にいた「田有(でんゆう)」。
村で英雄扱いされる田有が、先の戦いで信が奮迅の活躍をし、一歩兵から一気に「百将」の位に駆け上がったことを説明。
百姓ではなく百将ですね、百人の部隊の隊長のことです。
甲冑を売ってもらえないことを田有に話すと、市で一番いい甲冑を買わせてやる!と意気込む田有。
買ったばかりの甲冑を着込み、満足顔で帰路に就く信と貂。
目の前に知った顔が…信と同じ伍で、同じく「子供扱い」されながら、戦車隊への対策を進言したり、魏の副将の丘へ駆け上がる際は、自ら殿(しんがり)を務め、こちらも非常に活躍した「羌瘣」でした。
信に何か伝えたそうな様子です…。
その日の夜、秦国王都・咸陽では、ある異変が…。
政界での昌文君の協力者が、一晩に15名も暗殺されたのです。
刺客の数も、その種族も多く、中には王弟反乱時に登場した「朱凶」も。
王弟反乱の首謀者、竭丞相の残党の仕業か?と昌文君、壁は考えます。
王弟反乱時の残党は、秦王派に付くことを条件に、罪を不問とされていました。
しかし、全く禍根がないとも言えず…。
竭氏の残党を率いる、竭氏の片腕だった肆氏を疑う昌文君と壁。
翌晩は各氏警護を厳重にし、刺客の襲来に備えますが、疑惑の渦中にある肆氏が、昌文君の屋敷に現れます。
王弟反乱時に奮った昌文君の手腕を褒め、そのうえで、武官から文官に転身して日の浅い昌文君には、「文官の戦場」の深さに気付いていない、と説きます。
15名の協力者は、必ずしも有力者だけではなかった。では、その狙いは?
15名の役職を確認すると、見事に全員が王宮関連の任を持つものでした。
刺客を放った本当の目的は、昌文君に付く人間を減らし、その勢力を弱めることではなく、王宮の混乱時に秦王を刺客に討たせることだったのです。
その頃、5つの刺客種族の者たちが集結。そこには「蚩尤(しゆう)」の羌瘣がいました。
蚩尤とは、闇世界で千年も前から魔物と恐れられた、幻の一族。
羌瘣はその「蚩尤」だったのです。
そして、秦王の首を狙う刺客の一人でした。
甲冑を買った帰りの信に会い、羌瘣が信に伝えたのは
「お前の居場所は戦場だ。
お前の剣は陽の当たるところでこそ最大限の力を発揮する。
だからそれ以外、余計な所に足を踏み入れるな。
共に戦場で戦った誼(よしみ)で忠告に来た。
王宮には絶対近づくな。」
ということでした。
つまり、羌瘣は事前に国王・政の暗殺計画を知っていたのです。
しかし…信の性格を考えれば、そんなことを言われれば絶対止めに行くはず。
まだ付き合いの浅い羌瘣は、そこに気付かず言葉通り「忠告」しに来たのか、或いは暗殺を止めに来てほしかったのか…。
羌瘣好きの私としては、後者と思いたいですね。
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