キングダム 1巻の表紙は、勿論主人公の「信」です。
舞台は春秋戦国時代の中国・秦国、春秋戦国時代と言っても、戦国時代後期にあたるのでしょうか。
物語の始まりは紀元前245年、となっています。
中学の歴史で習った「秦の始皇帝」が秦国王に即位した翌年になりますね。
戦争孤児で里典(集落の長)の家に世話になっている(と言っても扱いは下僕。奴隷と変わらない)2人の少年「信(しん)」と「漂(ひょう)」。
「天下最強の大将軍」になることを夢見る2人は、木剣とはいえ、「真剣勝負」を日々繰り返していました。
その回数は1,200を超えるほど。
いつものように勝負をしていた2人の傍を、通りがかった秦国の大臣「昌文君」。
「漂」を王宮で働かせるために、連れ帰ろうとします。
兄弟のように育ち、2人で大将軍になることを夢見ていた信と漂ですが、お互い変な気遣いや後ろめたさを感じることもなく、漂は王宮へ仕官します。
漂が王宮に行ってひと月、使いで市場へ行った信は、王宮内の噂話を耳にします。
秦国の大王はまだ執政できる齢でなく、実権は「呂丞相(りょじょうしょう)※丞相は古代中国の戦国時代以降のいくつかの王朝で、君主を補佐した最高位の官吏」が握っていること。それを快く思わない大臣が、王弟「成蟜(せいきょう)」をたてて、王権を奪還しようとしていること。
そして、王弟派が実際に事を起こし、王宮内で戦が始まっていること。漂を連れて行った昌文君は大王の側近であり、王弟派に最初に命を狙われる存在であること、漂も命の危機に脅かされているであろうこと。
その晩、自室(と言っても下僕の身である秦の部屋は納屋)の戸を叩く音(といっても「コン」と小突いた程度)で目を醒ました信。
戸を開けると、外には瀕死の重傷を負った漂が倒れていました。
昼間市場で聞いた、「王弟の反乱」に巻き込まれた漂。「黒卑村」までの地図と、「俺を天下に連れて行ってくれ」と自身の夢を信に託し、息を引き取ります。
漂から手渡された地図に描かれた「黒卑村」は、物取りや人殺しが流れ着く無法地帯。
信は黒卑村の無法者たちに襲われますが、漂と競い高め合った剣術で、相手を圧倒します。
地図に描かれた場所に到着し、ボロ小屋を見つけた信。
中に居たのは漂と瓜二つの、秦国王「嬴政(えいせい)」でした。
2巻表紙の秦国王・嬴政
まもなく追手の刺客一族・朱凶の「徐完」に追い詰められる信と政。
徐完の話から、秦国王・政と瓜二つの漂は、王の影武者として王宮に連れていかれ、王弟の反乱で徐完によって致命傷を与えられ、死んだことを理解した信。漂の仇討ちに、徐完に斬りかかります。
しかし、相手は殺人を仕事とする刺客。全く歯が立ちません。
「漂の無念を晴らすことだけを考えろ」
という政の言葉をきっかけに、速さ・強さを増す信。徐完を斬り伏せます。
王弟派は更なる追手として、玉璽(王名の印)も無しに軍を差し向けており、信と政はまたも追い詰められます。
そこに現れたのは「河了貂(かりょうてん)」。
4巻表紙の河了貂
黒卑村で、村に近づく人間がいると、それを村人(無法者)に教えて駄賃を貰うことで生計を立ててきた、蓑虫のような恰好(貂はもともと山民族で、そのような格好をしている)をした子供でした。
四方を軍に囲まれた2人に対し、褒美と引き換えに抜け道を教えるという貂。
逃げる途中、政の口から王弟反乱の真実が語られます。
秦の二大勢力は右丞相の呂氏と、左丞相の竭氏。右丞相の呂氏は元々商人、兄の秦国王・政の母親は舞妓。王宮に賤しい出自の人間がいることを嫌う王弟は、左丞相の竭氏に、呂氏不在中に秦国王・嬴政を討ち、自分が国王に、呂氏を犯人に仕立て、竭氏を右丞相にして権力を与えることを持ちかけ、竭氏がそれに乗った、というものでした。
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