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【この記事では死役所 第108条 「もしもあの時①」のあらすじをご紹介します】
第108条 もしもあの時①
今回は「隠れ糖尿病」で亡くなった女性のお話。
「隠れ糖尿病」は、食後の血糖値が通常の人よりも高い「食後高血糖」なのに、空腹時の血糖値に問題がないため発見できない状態のこと
空腹時の血糖値に問題が無いため、健康診断では見つかりにくいのだそうです。
祖母を糖尿病(直接の〇因は壊疽による敗血症でしたが)で亡くしたわたしにとって、他人ごとではありません。
ただ、お話としては世間にありふれているような…?
糖分補給
溜め息をつきながら甘味を食す「越野利子」さん。
書道教室の先生をしている彼女は、思春期真っ盛りの娘を持つ主婦。
「何時に帰る?」と電話で聞いたところ、娘から電話を切られてしまった利子さん。
溜め息は、そのことが原因のようです。
後悔症の彼女は
「電話じゃなくてメールにすれば良かった」
溜め息をつきながらきんつばを貪りますが、見た目は痩せて「糖尿病」とは縁がなさそうなご様子。
小学校の先生をしている旦那さんから、クラスの子供の「なわとび記録」の名前書きを頼まれた利子さん。
気を取り直して名前書きを始めますが、手元にはクッキーとオレンジジュース。
ついさっきまできんつばを食べていましたが「糖分補給」と食べることを止めません。
特大パフェ
名前書きをしながら、文字の見えづらさを感じる利子さん。
目薬をさしながら老眼の可能性を示唆し、
「40代駆け抜けられると思ってたのに~」
というセリフからまだ40代の利子さん。
亡くなるには早すぎますね…。
ちなみにわたしは40代後半で老眼です。
近視で普段は眼鏡をかけていますが、文字を書くときは眼鏡を外さないと見えません。
父や祖父の同様の様子を見て「年寄って大変」と思っていた頃が、わたしにもありました…。
そこへ帰宅したのは長女・芹香と次女・叶香。
件の電話を切った娘は叶香の方で、女子高生。
長男・雅は一人暮らしをしているようです。
一緒に買い物をしていたという芹香と叶香は、特大パフェを食べてきたから夕飯はいらないと。
栄養バランスを考えない娘たちを注意するも、
「お菓子ばっか食べてるママに言われたくない」
と特大ブーメラン…。
嗜む程度
書道教室で講師を務めている最中にも、目の見えづらさを感じた利子さん。
帰りに眼科に寄ることに。
医師に告げられた診断は「網膜症」
糖尿病の方は「網膜症」と「白内障」で視力障害を起こすイメージが強いですね。
医師からも甘いものは好きかと聞かれますが「嗜む程度」と噓をついてしまいます。
健診でも血糖値は正常だったから、糖尿病ではないだろうと自己判断。
子どもたちも甘いものが好きだから、注意しないと。
「雅は一人暮らしだから一番心配」
と長男の心配をしたところで、フッとある記憶が蘇ります。
若いころの自分と、その隣にいる男性のこと。
心筋梗塞
思い直して徒歩で帰宅する利子さん。
階段に差し掛かったところで息が上がります。
ふと、胸に激しい痛みが…。
その場にうずくまる利子さんに、ジョギング中の男性が声を掛けます。
すぐに男性が救急車を呼んでくれますが、そのまま意識を失ってしまった利子さん。
病院に搬送され、手術中。
旦那さんと芹香・叶香姉妹が駆け付けます。
糖尿病からくる心筋梗塞。
激しい胸の痛みは、心筋梗塞でした。
いつもママのことをウザがってたから…。
思春期の次女・叶香が自分を責めます。
手術終わったら特大パフェ誘おっか、絶対ママ行きたかったんだよ。
妹を慰める芹香でしたが……。
はあああ
死役所。
心筋梗塞の手術中だった利子さんは、残念ながらそのまま亡くなりました。
特大パフェに誘うことは叶いませんでしたね…。
早く気づいていれば。
お菓子ばかり食べなければ。
ジュースばかり飲まなければ。
はあああ…。
「後悔症」の利子さん、ため息が止まりません。
死役所内を歩き続け、気が付けば「相談室」の前。
ご相談ですか?
突然後ろから声を掛けられ、驚く利子さん。
蓋
改めてここを使う人は少ないが、心残りや成仏の不安、「後悔」を話すために使う人がいるという相談室。
自分が〇んだこと、家族のこと、心残りは多い利子さん。
しかしそれ以上に「ずっと蓋をしていることがある」と。
何か話したいことがあるのを察したシ村さんが、相談室に誘います。
時々フッと思い出す、利子さんが独身の頃、顔はもう思い出せない、名前だけは覚えている。
齋藤竜嗣くんという、男の子のことを…。
感想
痩せ気味ながらも「隠れ糖尿病」だった利子さんが、その危険性に気づくチャンスがありながらも無念の死を遂げてしまったお話…。
子を持つ親として、就学中の子を残して逝ってしまうことは非常に無念だと思います。
ただ、「死役所」に出てくるほど珍しい話でもありません。
どこで話が転換するかと思いきや…最後の最後でしたね。
まぁ途中にも、齋藤竜嗣くんと思しき男性を思い出すシーンがありましたが…。
長男の雅くんを心配した際。
実はその長男が、旦那さんの子でなく齋藤竜嗣くんの子だったり…。
なんて、安直ですね。
それにその男性の子を宿したなら、顔くらいは覚えているでしょうし。
後悔を抱えて亡くなった、平凡な主婦・越野利子さん。
彼女の「蓋をした」過去が非常に気になりますね。
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