【この記事は死役所 ネタバレ 第90条 「社会貢献③」のあらすじをご紹介します】
第90条 社会貢献③
詐欺グループの続き。
先輩・多胡と後輩・青柳の最終話ですね。
ナシに
「どうすんの?息子、大事だろ?」
青柳が思い出すのは幼い頃、借金のために身体を売る決心をした母親と、それを斡旋するヤクザのやり取り…。
「店長にならないか?」
尊敬する多胡からの昇進話。
しかし自分たちの「商売」にはヤクザが絡んでいる。
悩んだ挙句、多胡に電話する青柳。
「店長の件、ナシにしてもらえませんか?」
どうしてもヤクザと関わりたくない。
幼い自分と家族を辛い目に合わせたヤクザを、受け入れることのできない青柳。
それでも多胡は、青柳を懐柔しようと試みます。
「……オメェさ、なんか誤解してねーか?ヤクザはな、変わってきてんだよ」
弱者から金を毟り取っていたのは昔のヤクザで、今はケチな金持ちしか相手にしない。
青柳の嫌っているヤクザは、もう存在しないと。
いいもん見せてやる
「いいもん見せてやるから待ってろ」
青柳をドライブに誘う多胡。
「オメェが女だったらイチコロのやつだ」
多胡が見せたものは、廃ビルの屋上からの夜景。
綺麗だと見とれる青柳に、
「こんなに綺麗でもヤクザの金が動いてんだ」
現実を突きつける多胡。
現実を突きつけたうえで、それを受け入れろと説得します。
「どんな金でも金は金だ。普通に溶け込んで、こうして綺麗な街作れんだよ」
大企業がヤクザの金を資金にしていることもある、使い道を間違えなければいい、自分の仕事に誇りを持て。
「それっぽい」話で、なんとか青柳を説得しようとする多胡。
それでも青柳の決心は固く…。
「ヤクザだけは駄目なんス……」
母親が「夜の店」に連れていかれるのを分かっていながら、何もできなかった青柳少年。
「研修」という名目で、ヤクザに輪○された母親。
その結果が、青柳の大切にしている弟と妹……。
ヤクザを恨むには充分な理由でしょう。
飛べ
「俺、仕事辞めます」
仕事を辞めて自首するという青柳。
「無理なんス!もう出来ないんス!勘弁してください!」
走り去ろうとする青柳の腕を、多胡が強い力で掴みます。
「家族がどうなってもいいのか?」
青柳少年が聞いたヤクザの脅し文句が、多胡の口から発せられます。
逃げようとする青柳に
「喚いても誰も来ねーよ」
廃ビルだけあって、屋上の柵は不完全なもの。
「最後のチャンスだ。ここから飛んだら家族は見逃してやる」
自首されれば、芋づる式に多胡まで辿り着かれます。
青柳の口を封じるため、家族を人質に「飛べ」というのです。
夜景を見せるために連れてきた多胡でしたが、うまく説得できなければこうするつもりだったのでしょう。
だからこそ選んだ「廃ビル」
「飛べ……飛べ……飛べぇ!!」
言われたとおり、飛び降りた青柳……。
高尚な犯罪
死役所。
多胡に脅され、廃ビルから飛び降りた青柳は、残念ながら亡くなりました。
対応したのは「やはり」と言うべきか、「元ヤクザ」のイガラシさん。
飛び降りて両足を骨折し、歩けなくなった青柳を「自殺課」のニシ川さんの元に負ぶっていきます。
居合わせたシ村さんが、青柳の資料を見て気づきます。
「青柳さんは集団で詐欺を行っていたんですね」
詐欺などしなかった「昔ヤクザ」のイガラシさんが嘆きます。
「詐欺は高尚な犯罪だ。死に金を生き金に変える、経済を回すダークヒーローだ」
シ村さんも言いますが、「犯罪者の大義名分」ですね。
犯罪に高尚も何もありません。
ニシ川さんには「半グレ」、イガラシさんには「ヤクザ」呼ばわりされ、
「そんなのと一緒にすんじゃねぇ!」
あくまで「自分たちは正しい事をした」と主張する青柳。
しかし、シ村さんの一言でその勢いは急激に弱まります。
家族
「青柳さんは間接的に人を殺していますよね」
金持ちから少し金をもらうだけで、生活できる分は残しているはず、と反論する青柳に
「青柳さんも今までに2人、殺しています」
追い打ちをかけるシ村さん。
前話の冒頭のように、振り込め詐欺に引っ掛かったお年寄りが責任を感じて自殺…。
そういった形で間接的に、2人を殺していると言われた青柳は、素直に落ち込みます。
「何ショック受けてるんですか。どうせ知らない人でしょ?死んでようが生きてようが、あなたには関係ないでしょ?」
ニシ川さんらしい考えですが、余計青柳に追い打ちを…。
「ご家族もまさか青柳さんが犯罪者だとは思ってもいないでしょうね」
シ村さんの言葉で家族のことを思い出した青柳。
「家族大事なんだろ?」
多胡の言葉が脳裏に浮かびます。
店長の話を断った後、身の危険を感じ家族を逃がそうとしていた青柳。
家族の身を案じます。
「家族は単なる脅しやけぇ、殺す必要はないんよね」
下っ端の家族に用はなく、わざわざリスクを冒すようなことはしないと断言するイガラシさん。
元本職の言葉が重みがあります。
「そうか…そうなんだ……よかったぁ……」
心から安堵する青柳に
「そんなに大事な家族がいるなら、犯罪なんてしなきゃいいのに」
家族思いで、良くも悪くも正直すぎた青柳。
そんな青柳を「上手く使い捨てた」多胡。
青柳の死後、別の部下に
「店長、やってくれるか?ケチな年寄りの死に金、俺達で生かしてやろうぜ!」
残念ながら「騙しの連鎖」は、まだまだ止まらないようです……。
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