【この記事には「ひぐらしのなく頃に業」のネタバレを含みます】
本気の号令
児童相談所からの「陳情拒否」を、公由村長から聞かされる圭一。
「バカですねぇ、雛見沢を本気で敵に回しますか」
「かわいそかわいそなのです」
やる前から哀れまれる児童相談所…。
拒否されようが陳情を続けるという圭一に、町会からも人数が出せないか「お魎に掛け合ってみる」という公由村長。
集まった人数で、「お魎の本気度」が分かるという魅音・詩音ですが、お魎の本気度はいかほどに…。
圭一たちが児童相談所に着くと、敷地内を埋め尽くさんばかりの人だかり。
雛見沢だけでなく、興宮にも動員がかかっている模様。
「お魎は本気の号令を出したようなのです」
町会からの圧力が無くなった知恵先生、入江先生に富竹さん、鷹野さんも駆けつけます。
富竹さんから、これだけの人数を集めるなんて「雛見沢の顔役」だと言われ、照れる圭一。
「顔役」…その仲間・土地で勢力があり名が通った人。
梨花ちゃんが「いよいよ正念場なのです」と言うこの局面。
この人数に圧倒され、ビビってるだろうという圭一の予想は大当たり。
所長室では世間知らずの坊っちゃん所長が、逃げたものか係長に任せたものか、思案中…。
圭一らの到着後も、動員に応じて集まる人数は、どんどん増え続けます。
解散命令
そろそろ相談所の中に入ろうか、と話しているところへ…大石さん。
公共施設の敷地を特定の目的で占領するのはダメ。
無届の集会もダメ。
興宮の条例で、公共機関の業務に支障が出ると判断した場合、施設長が退去を命じられる。
結局のところ、沙都子を救うために集まった大勢の人たちを、「解散しなければならない」ことを伝えに来たのです。
「先方に大層嫌われたようですねぇ、前原さん。だから言ったでしょう?」
その後、魅音や詩音のことも煽るだけ煽った大石さん。
「無線が入ったから」と席を外します。
「役所を敵に回す」ということがどういうことか、思い知らされた圭一たち。
だからと言って、役所の言うように「1ヶ月」も待てるほど、沙都子の置かれた状況に猶予はありません。
「私たちは、やれることを全てやった。だからきっと、必ず追い風が吹く。そう信じるのです」
茶番
「課長からの無線」は、どうやら早く児童相談所に集まった人たちを解散させろ、と言う指示だった様子。
圭一たちには「解散の段取りを」と告げていた大石さんですが、上司相手に解散に「待った」をかけたようです。
「これだけの人数を集め、仲間を救おうとしてる。町会を動かしたって事は、あの園崎お魎に認められたって事だ。今だけは前原さんに、ちょいと花を持たせようと思ってます」
同僚、熊ちゃんとタバコを吸いながら、
「花を持たせるのも茶番に付き合うのも、今だけです」
そんな話をしているところへ、黒塗りの車が…。
降りてきたのは県議の園崎議員と、弁護士の園崎。
勿論、魅音や詩音と同じ、園崎家の一族の人間です。
興宮署の署長に「厳重抗議する」という園崎県議。
児童相談所所長の条例施行を「職権乱用」とする園崎弁護士。
大石さんの中ではここまでが「予定調和」であり「茶番」だったのです。
「解散させるフリ」をして、彼らの到着を待っていた、というところでしょうか。
だからこそあえて、圭一や魅音、詩音を煽ったのです。
遮る物が無くなり、遠慮なく相談所の中に入っていく部活メンバー5人。
相談所所長は何が起こっているか分からず、「業務終了までここにいる」と無視を決め込みますが、そこへ電話が…。
相手は市長。
圭一の話をちゃんと聞いてやってくれ、と。
頼んだのは園崎お魎。
「あんなのがいたら、いつお迎えが来ても雛見沢を任せられる」
よほど圭一を気に入ったようです。
娘の茜にも
「何かあったら圭一の面倒見たれな」
部活メンバーを前に深々と頭を下げる、児童相談所所長と係長。
圭一らの勢いに負け、沙都子を即時保護することに。
相談所の外に出ると大石さんが待ち構えています…。
また何か邪魔をされるのかと思いきや、沙都子の家に向かう原川係長をパトカーで送ると。
「警察としても、北条家の実情を知ってほしい」からだそうですが…。
児童相談所の原川を伴い、北条家に向かう大石さん。
これで沙都子は救われるはず……。
勇気
その夜、圭一宅に沙都子から電話が。
その後、どうなったのかを尋ねる圭一。
「耐えること、口をつぐむことが強さ」だと思っていた沙都子。
しかしそれは違う、ということに気付きました。
にーにーが自分に何を求めていたか、圭一たちが気付かせてくれた。
玄関のチャイムが鳴った時、叔父に肩を掴まれ奥歯がガタガタ震えながらも、勇気を持って言った。
「『私を助けて』って…」
逆上して暴力を振るおうとした叔父を、大石さんが取り押さえ警察署に連行した。
あの叔父がこの家に戻ってくることは、もうない…。
沙都子に聞いて安心した圭一。
「大石さんに謝らないとだな…あの人のこと、勘違いしてた…」
祭りの夜
翌6月19日、日曜日。
無事に沙都子を含めて迎えた、「綿流しのお祭り」
監督(入江先生)から「入院して様子を見た方がいい」と言われながらも、それを断ったという沙都子。
部活メンバーに詩音を含め、六凶爆闘に興じる面々。
梨花ちゃんの奉納演舞の最中、顔を赤らめた沙都子が圭一の手を握り、神社の境内の見晴らしのいい高台へ連れ出します。
改めて圭一に感謝し、感謝ついでにお願いがある、という沙都子。
「圭一さんのこと『にーにー』と呼びたい…」
戸惑いながらも了承する圭一に抱きつき
「にーにー」
と呼ぶ沙都子。
「圭一さんに、持っていてほしいものがございますの」
元々悟史の持ち物だが、今は圭一が「にーにー」だから圭一に持っていて欲しいものがあり、それを渡したいと。
そのまま沙都子の家へ向かう2人。
沙都子に促され、家に上がった圭一が和室照明の紐を引くと同時に、金属バットで思い切り殴られます……。
相手は「真っ赤な目をした」鉄平。
「こんのクソガキぃ!!うまいこと儂をはめられたぁ思っとんのやぁ!!!」
圭一を蹴り上げます。
声を聞き、駆けつけた沙都子の前で、圭一が反撃。
金属バットを取り上げ、鉄平をボコボコに殴ります。
ピクリとも動かなくなる鉄平。
おそらく事切れたのでしょう。
そのまま、鉄平の横に倒れ込む圭一……。
最高のゴール
木々が紅葉する季節。
圭一の病室を訪れたのは、大石さんの同僚「熊ちゃん」こと熊谷刑事。
綿流しの夜に何があったか、圭一に尋ねる熊ちゃん。
「沙都子に誘われて…沙都子の家に行ったところで……」
というところまでを話し、激しい頭痛に襲われる圭一。
あの夜のことは何も覚えていない、思い出そうとすると激しい頭痛に襲われる…。
逆に圭一から、
「沙都子のことでお礼を言いたいのですが…大石さんは……」
熊ちゃんの表情が強張ります。
「何か思い出したら連絡をください」
圭一の問いに応えず、病室を後にする熊ちゃん。
病院の外のベンチに座る圭一を見舞ったのはレナ。
レナの服も長袖に変わっています。
「いい加減に教えてくれ!あの夜、何があったんだ?なんで魅音も詩音も梨花ちゃんも…沙都子も…誰も見舞いに来てくれないんだ?」
「圭一君は沙都子ちゃんの家に行ってて…多分幸運だったと思う」
沙都子の家に行って、鉄平に金属バットで殴られ…何も幸運ではないと思うのですが…。
「あの夜…綿流しの後……古手神社の境内で…大石さんがやってきて……拳銃を……。魅ぃちゃんも詩ぃちゃんも、梨花ちゃんも沙都子ちゃんも、みんなみんな死んじゃったぁぁ~!!」
「死んだ!?」
「訳が分からないよね…?あんなにも頑張って……最高のゴールにたどり着いたはずなのに……なに?これどういう事なの?私は何を見たの?あんなの、意味が分かんないよぉぉ~~!!!!」
レナの悲痛な叫びが、高い秋の空にこだまします……。
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