【この記事には「ひぐらしのなく頃に業」のネタバレを含みます】
人喰い鬼
中に入ると暗い暗い祭具殿。
「駄目です!」
詩音の制止も聞かず、スイッチを見つけた圭一は、スイッチを「パチリ」と。
裸電球に明かりが灯され祭具殿の中を照らします。
オヤシロ様のご神体。
そして不気味な道具類……。
すぐさま詩音によって消される灯り。
「ダメです圭ちゃん!灯りなんか点けたら、バレちゃうかもしれないじゃないですか!」
想像していたよりもたくさんの祭具が収められていることに、興奮気味の鷹野さん。

「祭具というよりは大工道具みたいだ」
と評する圭一に対し
「前原くんはよく分かってないみたいね……昔話でも聞かせてあげようかしら?」
スクラップ帳を取り出す鷹野さん。
飲み込まれれば、そのまま黄泉の国へ連れて行かれるという噂があった「鬼ヶ淵沼」
「鬼ヶ淵」とは、明治の頃に改称される前の雛見沢の旧名称です。
ある日のこと、沼の底から鬼達が次々現れる。
村人たちに容赦なく襲い掛かり、民衆も諦めたとき、神様(オヤシロ様)が降臨した。
「オヤシロ様が鬼たちをやっつけたんだな」
という圭一に対し
「オヤシロ様はもっと慈愛に満ち溢れた神様だった」
と反論する鷹野さん。
鬼たちが人間と分け隔てなく暮らせるように、鬼たちに人間の姿を与えた。
人と鬼とが混血し、「仙人」と呼ばれる存在になった彼らは、ふもとの人たちに崇め奉られながら、ひっそりと隠れるように暮らした。
人々を襲った鬼は、鬼は鬼でも「人喰い鬼」
その血は脈々と受け継がれ、どうしても人肉が食べたくなる周期がある。
その度に彼らは人里に降り、「鬼隠し」したと伝えられている。
「鬼隠し」は鬼ヶ淵村の仙人が人里に降り人を攫ってくること。
それはオヤシロ様も了承済み。
「鬼隠し」は無差別に行われるのではなく、神様が決めた生贄のみ。
そして生贄を攫ってきた夜、哀れな犠牲者を美味しく頂くため、「わたながし」の儀式が開かれたという……。
わたながし
レナや梨花ちゃんに聞いた話は「冬の間に使った布団の綿に感謝するお祭り」、それが「綿流し」だと。
「圭ちゃんは言いませんか?臓物のことを『はらわた』って…」
わた=腸。
そう考えると「綿流し」=「生贄の腸を取り出す」こと。
昔話と合点がいきます。
生贄を攫った日に行われる凄惨な儀式。
それが「綿流し」の起源だとすると、祭具殿に収められたものは大工道具ではなく、解剖道具。
もっと凄惨な言い方をすると「調理道具」だと言う鷹野さん。
だんだんエキサイトする圭一を「からかいすぎた」と詫びる鷹野さん。
その傍らで、オヤシロ様のご神体に手を触れる詩音。
すると、ご神体の頭が落ち割れてしまいます。
「私は少し触っただけで……別に何も……!」
驚いて祭具殿内に入ってきた富竹さんがよく見ると、確かに元々割れていたようだと。
真っ二つに割れたご本尊の頭を、元の場所に戻す鷹野さん。
その間に梨花ちゃんの演舞が終わった様子。
写真を撮ってから出るという鷹野さんを置き、詩音と圭一は富竹さんと一緒に外に出ます。
「富竹さんと一緒に外で待っていればよかった」
と愚痴る圭一。
しばらくして、写真を撮り終えた鷹野さんが祭具殿を出ます。
元の通り鍵を閉め、祭具殿を後にする4人。
富竹さんと鷹野さんに気を遣い、2人と別に行動することにした圭一と詩音。
その2人も
「お姉たちが探してるかもしれないから、圭ちゃんお先に行ってください。それと圭ちゃんを独り占めにしていたなんて、お姉が知ったら怒り狂いますから、今日のことは内緒に。それだけじゃなく、私たちのしたことを考えれば……今年の祟りの最有力候補は、私達なんですから」
悪戯に笑う詩音。
「お姉に見つかる前に、私は退散します」
と走り去ります。
質問
神社の境内から、綿流しが行われる沢の方へ向かおうとする圭一。
後ろから魅音・レナ・梨花ちゃんが現れます。
「圭一はちゃんと、ぼくの演舞を応援してくれたですか?」
詩音に誘われ祭具殿に入った圭一はもちろん、梨花ちゃんの演舞を見ていません。
「もちろん応援したよ、梨花ちゃん頑張ってたな!ミスも無かったし」
圭一以外の3人が、驚いた表情を見せます。
そして梨花ちゃんが落ち込んだ表情に……。
「そうだよ梨花ちゃん。あんなのミスのうちに入らないよ」
レナがフォローします。
どうやら圭一の見ていない梨花ちゃんの演舞は、何かミスがあった様子。
「そういえば圭ちゃん、綿流しはした?早く行かないと終わっちゃうよ」
魅音が話を逸らします。
「初めての祭りで、ルールがよく分からなくて……」
「そっか…そうだよね!」
魅音が圭一の手を引き、沢の方に連れて行きます。
途中、ふと立ち止まる魅音。
「ねぇ、圭ちゃん。詩音に会わなかった?」
姿を見たような…とごまかす圭一。
「じゃあ……鷹野さんと富竹さんに会わなかった?」
まるで圭一の行動を見ていたかのような質問。
ゴクリと息を飲みながら、会ってないと答える圭一。
祭りからの帰宅途中、自宅前で圭一を待っていたのは大石さん。
家に入る寸前の圭一を呼び止めます。
「園崎のご令嬢とあんなに仲良くできるなんてスゴイですね~」
9割方イヤミで構成されたような賛辞の言葉。
オリジナルでは詩音と待ち合わせた図書館で聞かされた、おヤクザさんである園崎家の話を、ここで聞く圭一。
園崎家が何であろうが、魅音は自分が誇れる大事な友達だ。
大石さんに対する怒りを隠さず、家に入ろうとする圭一。
その圭一を半ば強引に止め、質問をぶつける大石さん。
「今夜、鷹野さんと富竹さんのお2人に会いませんでしたか?」
魅音にされたのと同じ質問。
知られてはいけない、4人で祭具殿に入っていたこと。
それを知られているのかもしれない…。
焦りから曖昧な答えをしてしまう圭一。
その返答を怪しむ大石さん。
去り際に
「参考までに。今日あなたお2人に合ってますよ。園崎詩音さんと4人で、楽しそうに歩いていたじゃないですか。石段のところを。ではまたお会いしましょう」
行方不明
帰宅した圭一に詩音から電話。
「お姉のことうまくかわせたかなと心配になって…」
なんとかごまかせた、という圭一の返事に、今度は真面目なトーンに変わります。
「今日4人で祭具殿に入ったじゃないですか。そして石段のところで別れましたよね。その後、富竹さんと鷹野さんに会いました?」
魅音にも大石さんにも聞かれたこと。
なぜ皆がそろって同じことを聞くのか。
イラつく圭一を詩音が落ち着かせます。
「実は2人が行方不明なんです。今年の祟りの犠牲になったのではないか。そう考えた警察が捜査を始めているんだそうです」
警察の動きは園崎家にも伝わって来ており。その情報によると2人が祭りの関係者の軽トラを奪って、走り去ったのが目撃されていると。
自分の車や自転車を残したまま。
警察はそれほどまでに早急に村を離れたのは、「身に危険が迫ったからじゃないか」と考えているようです。
つまり「オヤシロ様の祟り」に襲われたんじゃないかと。
「あの2人が狙われていたとしたら、その理由は明白です。祭具殿に忍び込んで、オヤシロ様の首を落とすという罰当たりまでしたんですから…」
「じゃあ……俺たちも狙われるって言うのか?」
「…そうです」
自分の身に危険が及ぶかもしれない…危機感から興奮しだす圭一。
自分もあんなところ、何の興味もなかった。
梨花ちゃんの演舞を見ていたかった。
なのに詩音が誘ったから。
「ごめんなさい…こんなことになるとは思わなくて……」
圭一の怒りに、謝罪する詩音。
「俺は何も悪くないんだ!どう責任取ってくれるんだよ!聞いてるのか!?」
詩音の方から電話が切られます……。
寝不足
6月20日、月曜日。
綿流しのお祭り翌日です。
いつも通りレナと待ち合わせると、「目が真っ赤」だと指摘されます。
なぜか寝付けなくて…と答える圭一ですが、自分がオヤシロ様の祟りの被害者になりかけていると考えれば、眠れないのは当然です。
その後、魅音と待ち合わせ。
魅音も寝不足のようですが、こちらは行方不明になった村長の公由さんを探していたようです。

綿流し編よりいなくなるタイミング、というか展開が早いですね。
綿流し編では、詩音の手にかかった公由村長ですが、今回は……。
分校に着くと、知恵先生から説明があります。
昨日から公由村長が行方不明だと。
見かけた人は警察に連絡。
それと登下校は団体行動で。
児童に注意がなされます。







「綿流し編」での犯人は詩音でしたが、今回はどうでしょう。
村長を探して寝不足だという魅音を装った、詩音の犯行なのか……。
ただ、鬼騙し編が鬼隠し編のトレースでなかったように、綿騙し編も綿流し編のトレースではないのでしょう。
「どうして……鬼隠しに遭うなら俺か詩音のはずなのに……」
校庭の隅で考え込む圭一に、
「どうしたのですか?圭一、元気がありませんですよ?」
梨花ちゃんが話しかけます。
猫
「昨日の夜、何か悪いことをしましたか?」
圭一の頭を撫でながら、ビックリすることを聞いて来る梨花ちゃん。







綿流し編では、魅音(に扮した詩音)にボコられた後にあった展開ですが…。
祭具殿に入って以降の進行が、ずいぶん早いですね。
「お祭りの晩に悪い猫4匹が、『絶対に入っちゃいけない』って言われてる倉庫に忍び込んだんだ…。中には猫が怖がるものがたくさんあって、覗いたものが呪われてしまうらしくて……。2匹は行方不明になっちゃったらしい……。梨花ちゃん…残りの2匹はどうすればいいと思う?」
梨花ちゃんの態度が豹変します。
不敵な笑い。
「そんな間抜けな例え話をしてくるとは思わなかったわ」







猫の話はオリジナルの綿流し編で、梨花ちゃんがしていた例え話でしたが…。
カッと見開いた梨花ちゃんの目は赤く、鬼騙し編の第1話、ダム工事跡のゴミ山。
レナと圭一の2人を遠くから見つめる、梨花ちゃんの目。


「いいのよ別に、あんたは何も心配しなくて。あんたが何を心配しても心配してもしなくても。もう全て終わっているの。今年の祟りも、この世界も、あんたも私も、全部ね!私の奉納演舞を、おとなしく見ていればよかったのにね……だめよ、入っちゃいけない場所に。それも綿流しの日に入っちゃうなんて」







綿流し編のトレースであれば、梨花ちゃんにとっては既知の世界です。
「富竹の死体がまだ見つかっていないのは珍しいけれど、あの2人もう死んでいるわ。詩音はまだ生きてるはず」
梨花ちゃんの言っていることが、全く理解できていない圭一。
「それがあんたにとって幸運なことかどうか知らないけどね」
圭一の足元にボールが転がり、そこから沙都子にドッジボールに誘われる圭一。
「圭一、行って遊んでくるといいのですよ♪」
梨花ちゃんの様子は普通に戻っています。







鬼騙し編では「レナを疑わず、疑うべきは自分自身」と圭一にアドバイスをしていた梨花ちゃん。
今回の綿騙し編では最初こそ「魅音に人形を渡すべき」とフォローしてくれましたが…。
ここにきてむしろ「全部終わり」と言うように、この世界を諦めてしまっているようにも受け取れます。
せっかく魅音に人形を渡し、惨劇ルートを回避できたと思ったのですが…。
このまま結果は変わらないのでしょうか。
ただ鬼騙し編同様、今回も富竹さん鷹野さん2人供が「行方不明」になっています。
ですので、詩音が犯人で「全員を殺して終わり」という単純なトレースにはならないと思います。
綿騙し編、どういう結末を迎えるのか……。
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