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【本記事は「圧勝」 第13巻のあらすじを紹介するもので、ネタバレを含みます】
※漫画「圧勝」が、183話で最終回を迎えました。
12巻の続き、ご紹介していきま~す。
本記事執筆時点(2020/07/21)で、未発売の「圧勝 13巻」について、ご紹介いたします。
いよいよ最終巻です。
単行本の発売は、2020年10月頃の予定だそうです。
物語自体は、第183話で完結しておりますので、そこまでのあらすじをご紹介したいと思います。
吉田ユニと「お兄ちゃん」
ユニが以前口にしていた「お兄ちゃん」。
それは実の兄ではなく、「隣の家のお兄さん」のことでした。
そしてそのお兄さんが、「友達って何なのか」を教えてくれた人…。
ユニの友達が何故いなくなるのか。
その謎も分かるかもしれないので、詳しく話を聞かせてくれと頼む。篠山。
「僕らも、友達に、なれるかもしれませんし」
「お兄ちゃん」とユニの出会いは、ユニが中2の頃。
吉田一家は一軒家を購入し、引っ越しました。
引っ越した先の、隣の家に住む大学生。
それが「お兄ちゃん」でした。
ユニは引越しとともに、中学を転校します。
転校先の中学で、可愛らしい容姿のユニに、男子は色めき立ち、女子は怪訝な表情を見せます。
転校初日にして、イジメにあうユニ。
トイレで用を足している最中、上から水をかけられます。
ドラマとかマンガとかでよくあるやつですね。
バケツなりホースなりで、逃げ場のない子に水をかけるやつ…。
( ・∀・ )ノ イジメカコワルイ
「転入生、調子に乗らないでね~!男子と仲良くしたら、もっとヒドイよ。大人しくしててね~!」
自分が何か、悪いことをしたのか。
考えてもわからないユニは、隣の家を訪ねます。
大学生の「お兄ちゃん」はユニを自室に招き入れます。
「お兄ちゃん」の名は雄二。
18歳の大学生。
自分に対して優しく接してくれる 雄二に、
「また何かあったら来てもいい?」
と頼るユニ。
自宅に戻ったユニのもとに、引っ越し前の中学の友達からメール。
「まだ馴染めなくて、ちょっと大変。そっちに戻りたい~!」
と弱気なメールを返したユニに対し、それまで仲が良くなかった友達と、一緒にご飯を食べた、という返信。
自分が引っ越したことで、友達との関係に変化を来した寂しさを感じるユニ。
翌日以降も、学校で孤立するように。
正確には、男性教師や男子生徒は、可愛いユニに声をかけてきます。
それを見た女生徒が「贔屓にされて」とひがみ、ユニを孤立させるのです。
辛いけど、「お兄ちゃん」という頼れる人と、居場所がある。
それで頑張れたユニ。
高校に進学したユニは、制服姿を「お兄ちゃん」に見せに行きます。
その時に撮った写メを、大学のゼミの飲み会で、他の男子学生に見せる雄二。
友達のいない雄二に、
「お前、結構やるじゃん。今度あそぼ」
と声をかける男子学生……。
いつものように「お兄ちゃん」の家に遊びに行くユニ。
お兄ちゃんから、
「俺の友達とも遊ばない?」
という申し出。
「楽しそう」
と喜ぶユニですが、雄二のもとに遊びに来たのは、大学のゼミのチャラい男子学生。
ユニに対し、必要以上の身体的接触を試みます。
さすがに「おかしい」と感じ、不安がるユニですが、男子学生の接触はエスカレートし、
「今友達って、こういうことするんだよ~」
ユニに性行為を求めます。
「そうなの?お兄ちゃん!!」
「……おう」
結局、「お兄ちゃん」を含めた3人に輪●されたユニ。
自宅に戻ったユニは「お兄ちゃん」の言葉を思い出します。
「友達って、こういうことするんだよ」
『そっか……私は、こういう事してこなかったから……友達、できなかったのかな……』
翌朝、目を覚ましたユニは「赤目」になっていました。
『友達って、本当にあんなことしてるの?みんなしてるの?本当に?』
そう考えるものの、高校の友達には聞けません。
その日、いつものように「お兄ちゃん」の部屋を訪れると、昨日の今日で再び、性行為を迫られます。
断ろうとするユニですが、
「昨日してたじゃん。ユニも気持ちいいでしょう?」
と強引に犯されます。
『よくないよ……全然。お兄ちゃん…この空気怖いよ……信頼、してたのに……』
しばらくの後、母親から聞かされます。
「隣の息子さん(お兄ちゃん)、亡くなったんだってね~。大学でこじれたケンカをしたみたいで…普通の子に見えたのに…」
「そう…死んだんだ」
そういうユニの顔は、少し安堵しているようでした。
『私は何も知りません。私の気持ちを無かったことにされたように、お友達はいなくなりました。友達って……こうやって終わるんだ……』
篠山と上野犬助
「お兄ちゃんとの話は、そんな感じかな」
かなりヘビーな話を、そう結んだユニ。
件の「圧勝」Tシャツについては、
「やっぱり高校でも、女の子に仲間外れにされて、多分そのせいだと思う」
なぜ仲間外れにされるのか、それが解らない。
解らないからダメなんだと思う。
でも、男の子はたまに仲良くしてくれる人がいる。
嬉しくて、このまま楽しく過ごせたらいいなって思う。
高3の時に、「友達」になる流れがあり、学園祭の頃に3人の男子生徒に誘われたユニは、
「嫌だったけど、やっぱり友達になるには、しなきゃいけないのか」
と思い……「友達」になった後、結局皆、死んでしまったと。
おそらくこれが「鏡戸森高校事件」のことを指しているのでしょう。
とても理解が追いつかない篠山、
「ちょっと考えてきます、また来ます」
とユニの部屋を後にします。
こうやって逃げるあたり、やっぱりヘタレ主人公ですね。
外に出て一人考える篠山。
そこに現れたのは上野犬助。
篠山は単刀直入に聞きます。
「吉田さん、セッ●スしたいとか、●してやろうとか、そういうの思ってないですよね?本当の人の気持ちが解らないのは、当たり前だし。ただ人と仲良くしたいけど、どうしていいか解んないだけですよね?」
加えて、
「吉田さんのお友達は、何で死んじゃうんですか?」
という篠山の問いに対し、犬助は目黒刑事に話した事と、同じ内容を話します。
赤目について。
防衛機序を身につけた子供達についてです。
「原理はまだわからないけど、新種の病だと思ってくれればいい」
犬助の説明に対し、篠山は
「吉田さんの友達が死んでしまうのは、吉田さんは望んでそういう行為をしてなかったってことですよね。じゃあやっぱり、吉田さんには何の罪もないじゃないか」
目黒刑事に赤目のこと、ユニのことを話していた犬助は、ユニが保護されるか逮捕されるか、どちらにせよ刑事が来て捕らえられるのは確かだろう。
彼女の行動を制限すれば、事件は収束するから。
そう篠山に伝えます。
自身はユニが、目黒刑事に保護されるか見に行く、と言う健介。
篠山も犬助と共に、ユニのもとに向かいます。
一方目黒刑事は、犬助の思惑通り、ユニを保護する方向で動いていました。
保護にせよ逮捕にせよ、容疑は一体何になるんでしょうね?
自分とセッ●スをしたことで、狂暴化して殺人を犯した。
それが刑法で、どういった罪になるのか……。
創作物なので、その辺をつつくのは行儀のよいことではありませんが、ちょっと気になりました。
目黒刑事とユニ
ユニを保護すべく、ユニのアパートを訪ねる目黒刑事。
「友達に、なってくれるの?」
と返すユニに、
「なるよ、約束する」
と答える目黒刑事を、部屋の中にあげます。
部屋にあげてもらうための方便でしょうが…。
「ユニと友達になる目黒刑事」
目黒刑事のキャラは崩壊しますが、それはそれで面白そうな展開。
一方、犬助とともにアパートに戻ってきた篠山。
隣からは、目黒刑事とユニの話し声が聞こえてきます。
押入れから取り出したのは、長瀬ハルコの部屋から持ち出した拳銃。
元木テツが長瀬ハルコに預けていたもの、ですね。
「今ここで、吉田さんのことを知る人がいなくなれば、全て薬のせいにして終わらせられますよね?」
目黒刑事を●すつもりですね、篠山。
今までずっとヘタレていたのに、いきなりスイッチが入りました、主人公。
「そうだね。でも君は、殺人者になるよ?しかも相手は警察官」
と答える犬助に対し、
「ここで見過ごして、僕が生きてく価値ありますか?」
ちょっとスイッチ、入りすぎた感がありますね。
ここまでさして活躍していなかったのに、いきなり拳銃を持ち出して、目黒刑事を●すことで、ユニを解放しようとする篠山。
一方ユニの部屋では、目黒刑事がユニに説明します。
「君と性行為したことで、その全員が死んでいるんだ」
その説明に、ユニがハッと気づきます。
どうやら「友達になる行為」と「性行為」が、ユニの中で一致していなかったようです。
ユニは目黒刑事に問います。
「性行為ってそもそも、子供を作るための行為で、『そうなってもいい』と思うくらい、大切な関係の人とする行為だという認識だったんですけど。私とそういう事したかった人達は、多分そうじゃなかった。じゃあ、あの行為は何ですか?もしかして……その……ただの、『暴力』ですか?」
「お兄ちゃん」以降の男性については、細かく語られてないので、何とも言えませんが…。
少なくとも「お兄ちゃん」とその友達に関しては、完全にユニに対する暴力ですね。
「な……世の中には、セックスフレンドというのもあって……」
ユニのそのあたりの事情を知らない目黒刑事が、見当はずれな返しをします。
「それは多分、お互い勝負をするのが好きな人たちがすることで、そうならフェアですけど…私はリングに上がった覚えはないです。そもそも性行為をしたら死ぬのに…」
「性行為=死」と思い込んでいるユニの会話を、目黒刑事が遮ります。
「それは君が特別なんだ。性行為をしたら死ぬというのは一般的ではなく、君には君が望まない性行為をした相手を、亡きものにできるという防衛機能がある。……人類の進化、だそうだ」
上野健介とその母の受け売りですね。
笑いながら、
「なんだ、そっか。良かった…最中、『死ねばいいのに』って思ってたから」
そして本題。
なぜ目黒刑事がユニのもとに来たのか。
「君のせいで、人が死んでるんだ。だから、その力で新たに人が死なないために、保護及び観察をさせてくれ。君は結果的に殺人をしている。」
それが目黒刑事の言い分でした。
当然ユニは応戦します。
「先に、手を出されたのは私なのに?フグ毒で死んだ人は、フグを罪に問うのですか?私の自由は、また奪われるのですか……?」
正論ですね。
特に「フグ」の件なんて、全くどう返していいのかわからない。
「防衛機序」という毒を持ったユニを抱いたことで、その相手が死んだ。
防衛機序を持っていたユニが、罪に問われるというのは、おかしな話です。
篠山とユニ
突然、ベランダの窓から、篠山がユニの部屋に入り込んできます。
「僕がこの人を何とかしますから、その間に逃げて!」
目黒刑事に拳銃を突きつけます。
「いいよ、そんなことしなくて。私を殺して?このまま生きてても、多分いいことないし。私が死ねば、解決するし」
目黒刑事に向けた拳銃の銃口を、自分の額に押し当てるユニ。
「もう、あの前には戻れないから」
「僕は、お兄さんとは違います!吉田さんが望むなら、撃ちますけど…。けどそれって、本当ですか?今までの吉田さんみたいに、嫌って言えないだけじゃないですか?」
「拒否する」という選択肢を持っていなかったユニは、篠山の一言にハッとします。
「『嫌だ』って言っていいの?」
「当たり前です、そんなの。嫌がることをやってきた、今までがおかしいんです!」
涙ながらに一言
「やだ」
「僕は吉田さんが嫌がることはしません、絶対!」
「君」
目黒刑事に言われ、振り向いた篠山は、誤って拳銃を発砲してしまいます。
……目黒刑事には当たりませんでしたが、右のこめかみをかすめた銃弾は、押入れの襖を貫通します。
危うく死ぬところだった目黒刑事。
一服しながら話し始めます。
「この国は、子供の失敗には理解がある。若い時失敗するのは、当たり前だからな。他人の失敗に巻き込まれた側は、こんなになるまで傷つくのにな。改めて実感したよ。保護されないということは、一人で抱えるということだが、大丈夫か?」
被害者側の苦しみを理解した目黒刑事、ユニの保護を諦めたようです。
「僕が一緒に!どうせ僕は平凡で、何かになれるような人間ではないので、吉田さんに許される限り!」
どうしていいか解らない、というユニに対し、
「一緒に考えましょう」
2人で寄り添って、生きて行く決意の篠山。
しかし、目の前の「銃刀法違反」に目をつぶることはできません。
篠山は現行犯逮捕されます。
「なんだよ、結局傍にいられないじゃん」
当然のツッコミを、健介から受ける篠山。
ユニは、
「……大丈夫。ずっと、話せなかったことを話したら、解んないことが解った。……だから、大丈夫。ちゃんと聞いてくれて、ありがとう。待ってるね!」
目黒マメ
目黒刑事の娘・目黒マメはその日、学校に遅刻しました。
理由は「痴漢を捕まえ、警察に突き出していたから」
面倒くさくてほっといちゃう、と言う友人に対し、
「それじゃ、いなくならないよ」
と返すマメ。
そしてマメには、最近彼氏ができたよう。
マメの濃い趣味に対し、理解を示す彼氏ですが、
「嫌になったらちゃんと言ってね。あんまり飾ったところで、そこに私はいないからね」
ユニとは対照的に、目黒刑事の娘・マメは「嫌なことは嫌」とハッキリ言える子のようです。
恋愛3人組
恋愛3人組の小嶋真は、一連の事件の記事を執筆中。
残る2人、西園寺と明里愛は、篠山の逮捕を知ったよう。
小嶋真を好く女・明里愛と、好かれる男・西園寺光輝。
明里愛はその容姿から、自分のことを「性の対象」としか見ていない男しか、いないものと思っていました。
しかし西園寺はそうではなく、それが知れてよかったと。
いい友達ができたけど、同時に
「あんたに彼女ができたら、この関係もおしまいよ、きっと。友達ってことは、二人の間に信頼関係がある。もし自分の恋人の側に、信頼関係を自分より深く結んでいる人がいたら、嫌だ。だってその方が難しい。だから男女の友情は続かない」
それに対し西園寺は、
「長く会ってなくても、連絡取ってなくても、友達。会わなきゃいけないのが友達でもないし、会わなくても友達は友達」
パートナーのいない間の儚い関係に、麦茶で乾杯します。
佐々木まどか
久々登場の佐々木まどか。
大塚双を「神田ちゃん」と呼び、大塚双の頼みで、一時期ユニと行動を共にしていたギャルです。
全然関係ないですが、「神田ちゃん」というと神田利則さんを思い出します。
若い方はご存じないでしょうね。
いいとも青年隊でした。
居酒屋でバイト中の佐々木まどかは、同僚のゆりに妊娠を報告します。
最近関係を持ったのは7人。
ゆりからは、
「一番いいの選びな。情に流されちゃだめだよ」
とアドバイスされます。
「一番お金持ってて、世間体大事にする男な。私らみたいなのはさ、頭も悪くてやりたいこともないし。ノリと若さで勝負しかできないんだから」
完全に納得はできないながらも、
「幸せになってやる……これがウチの生存戦略」
と強がってみせます。
が、すぐに泣き出し、
「ウチも愛されたかったよ……」
真と明里
一連の事件の原稿を書き終わった真を、明里はカフェに誘います。
カフェの帰りは公園でお散歩。
ベンチに座る2人。
意を決し、
「私、真さんのことが好き!」
と本気の告白。
「明里は多分、男の人が信用できなくて、私のことを好きなんだと錯覚してる」
と返された明里は、完全に違うとは言い切れません……。
「それは分からないけど……それでも、私は世界で一番、真さんが好き!」
真っ直ぐな明里に、
「私も世界で一番、明里が好きよ。でも付き合うとかはナシ。付き合ったら、終わりが来るわ。友達は永遠」
「それは…私が一番じゃない時も来る、って事よね?そんなの嫌だわ……」
泣き出す明里。
是が非でも自分に惚れさせてやる、と息巻く明里ですが、軽くいなす真。
「今度友達として、3人で西園寺君と飲みましょう」
西園寺のことが好きだった真ですが、
「もう何とも思ってないわ。返事もできない男」
吹っ切ったのか、煮え切らない西園寺に愛想を尽かしたのか…。
この後用事があるという真。
その用事に、明里も同席します。
真のマンションを訪れたのは、ユニ。
事件の取材で話していたら、面白くて友達になったと。
3人でタコパでもしよう、という明里に
「そんなの、したことない…」
と顔を赤らめ、興奮するユニ。
サンゴ
犬助同様、施設の管理下にある「赤目」のサンゴのもとに、犬助から電話が。
ユニの件を、サンゴに話したようです。
ひとしきりの説明が終わった後、サンゴから
「私と付き合ってよ。彼氏って言うの?私も外に行きたい!ボディーガードしてよ!」
被害を受けない生活は行動が制限されるから、同じ赤目である犬助と一緒にいれば、その制限もだいぶ緩くなる。
「赤目って、外でロクなことなかったから、赤目になったでしょう?でもやっぱり、外に出たい。人とちゃんと関わりたい。うちら二人助け合えば大丈夫じゃない?」
サンゴの急な申し出でしたが、
「僕らも世界を広げてみようか」
同意する犬助。
篠山とユニ
銃刀法違反で逮捕され、実刑判決は逃れたものの、大学を退学処分となり、実家で保護観察となった篠山。
当時のスマホは解約され、誰とも連絡が取れない状態。
あの日以来事件の話は聞いておらず、それはユニは健やかに暮らしていることが証拠でもあります。
逮捕から3年、経っていました。
実家暮らしで、ハルコのこと、山崎(有能デブ)のこと、拳銃のこと、色々考えました。
しかし考えてもどうすることもできなかった篠山は、ユニのアパートを訪れます。
チャイムを鳴らすも、ユニは不在。
仕方なく駅へ戻ると、初対面のときと全く同じように、目の前で派手に転ぶユニ。
開口一番
「あ…会えた!待ってたよ、篠山くん!」
自分と同じ赤目の上野犬助。
彼以外の男の名を、覚えることのなかったユニに、やっと名前を覚えてもらえた篠山。
就活の帰りだというユニは、
「ちゃんとした友達できたよって、話したいことがたくさんある。時間あったら家で話そう!」
篠山を家に誘います。
ユニの部屋は、以前のような「汚部屋」ではなく、綺麗に整頓されていました。
篠山が誤って発砲した、襖の穴はそのまま。
篠山は今後、実家暮らしで働きながら、地元の大学を出る。
その後、上野犬助の母の研究所に入りたい。
そう考えているようです。
「僕の人生は、もう吉田さんでいっぱいです」
「あのね、篠山君。私ずっと、もっと、たくさんありがとうって、言わなくちゃって。私を大切に思ってくれてありがとう!一緒に生きようね」
はい。
というわけで、かなり長い183話の連載が完結しました。
最後はだいぶ、駆け足感が感じ取れましたね。
「鏡戸森高校事件」のことも、あまり細かくは語られませんでした。
意識不明だった元木テツが、その後どうなったのかということも、明かされないまま終わってしまいました。
最後は、これまでの登場人物、目黒マメ、恋愛3人組(小嶋真、明里愛、西園寺光輝)、佐々木まどか、サンゴについて「サラッ」と程度のエピローグ。
「単行本13巻で終わる」という着地点に向けて、逆算して終わらせるように書いてった、そんな気がしますね。
篠山のスイッチの入り方。
ユニの「人間らしい」変化の仕方というところも、かなり急ハンドルな気がしました。
この「圧勝」は、世間的には「意味が分からない」という評価をされることが多いようで、Amazonのレビューでも☆一つが半分以上を占めています。
ですが、個人的には結構好きな作品でした。
確かに意味が分からないとか、話の進みが遅いとか、最終的には伏線を回収しきれないという、マイナスポイントはあります。
それでも、最後まで読ませ続けるストーリーの進め方と、ミステリアスで可愛らしいユニのキャラクターというのは、なかなか他ではお目にかかれないレベルかな、と思ってます。
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