この記事は「キングダム 第646話 雁門以来」をご紹介するもので、ネタバレを含みます。
粛清
悼襄王が亡くなり、次の王には「名君」となるはずの「太子・嘉」が就く……はずでした。
実際、嘉に付く賢臣たちは、牢から出され、嘉を中心に趙の立て直しを、今まさに始めたところに…。
亡き悼襄王の「遺言」により、王は末子である「遷」が継ぐことに…。
前王・悼襄王を超える「暗君」になるであろう遷。
趙の行く末は……。
混乱する李牧派に、新王・遷派が急襲を仕掛けます。
嘉を玉座に就かせようとする李牧派が、動き出す前に「粛清」するつもりです。
それは「暗殺」ではなく、王都・邯鄲内で、真昼間からの襲撃。
さすがの李牧も虚を突かれます。
李牧はカイネと協力し、自ら先頭に立って剣を振るい、太子・嘉を守りながら邯鄲を脱出しようと試みます。
新王・遷の庇護者となった郭開は、嘉が牢から出した嘉派の賢臣たちを、一族皆殺しにします。
「一人でも残せば、禍根を残す」
やり方が徹底していました。
李牧は嘉を連れ、邯鄲を脱出し、李牧の知人が治める小城「法紹」に逃げようと目論みます。
何としても「名君・嘉」を王位に就かせるため。
趙の立て直しは、それ以外にないと。
「嘉様が死ねば、この国の光も消えてしまいます。どうか再起の日が来るまで、何としても…。」
雁門以来
法紹への道中、郭開の放った追手の邯鄲軍が、李牧一行を襲います。
李牧が「雁門以来」と語る、カイネと馬を並べての戦闘。
御車に向かい、
「中にいる逆賊・嘉の首を取れ!!」
国のため、趙のためでなく、ただ目の前の褒賞に目のくらんだ邯鄲軍。
「何でだっ!!こんなのおかしいだろっ!趙人同士で…しかもよりによって、李牧様に刃を向けるなんて……こんなのおかしいだろ!!」
涙ながらに剣を振るうカイネ。
舜水樹・傅抵・馬南慈の援護もあり、何とか嘉を法紹に逃がすことができた李牧。
馬南慈軍と合流し、そこから何とか巻き返しの策を探る、という李牧に対し、嘉は
「もう終わった…俺を支えてくれた大勢の賢臣たちも、地下で刻を待っていた国士たちも、皆殺しにされた!そして次の王は…父王をも超える暗君になるであろう、あの遷だ!この国は、もう終わった!許せ…何という愚かな王族か…許してくれ…李牧…許してくれ……」
跪き、涙ながらに李牧に謝罪する嘉。
秦でも秦王・嬴政を転覆させるため、王弟・成蟜が反乱を起こしましたが…民主主義で選ばれた人が上に立つのではなく「王族」として生まれた者が上に立つ世界では、こういうことがおきるのでしょうね…。
民主主義で選ばれた人が、悪いことをする国もありますがね…。
嘉と離れ、カイネと二人で野営する李牧。
「おそらく…もう太子嘉の王位継承は無理でしょう…。こんな時期にこの国は…私たちは一体何をしているのか…さすがに…ちょっと疲れましたね…」
さすがに今回ばかりは先が、光が見えない…。
李牧には珍しく、落ち込みようが半端ではありません。
がっくりと肩を落とした李牧。
そんな李牧を見ていられず、涙ながら
「すみませんっ!失礼しますっ!」
天幕を出ようとするカイネ。
「カイネ。もう少しだけ、そこに居てくれませんか」
「もちろんです…カイネは…李牧様の側にずっといます。何があってもずっと…ずっと側に居ますよ…」
李牧の背にしがみつき、泣き崩れるカイネ……。
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