
表紙は四女・四葉。
トレードマークは大きなリボンで、最初から風太郎の家庭教師に協力的だったのは、彼女だけ。
しかし、四人の中で成績はビリ…。
いつも元気でスポーツ万能、部活に所属していないものの、助っ人に駆り出されるほど。
頼られると断れない、押しに弱い可愛い子。
第33話 お見舞いエンカウント
林間学校で熱を出した風太郎は、そのまま入院することに。
貧乏な風太郎が、豪華な個室を独り占め…実は入院費は中野家の五つ子の父が出しているのです。
そこへ二乃が見舞い(?)に。
さり気に、風太郎のミサンガ(林間学校で「キンタロー」がお守りだと、二乃に渡したもの)に気付きますが…スルー。
直後、一花・三玖・四葉が見舞いにきます。
皆が見舞いに来てくれたことで、体調回復(やる気)を感じる風太郎。
医師との話でも、
「勉強が遅れて不安かな?君は学年一位の秀才らしいじゃないか。少し暗いわけないだろう」
と言われた風太郎は、
「そうですね…俺はいいんですが…俺が教えてやらないといけない馬鹿たちがいるんです」
五つ子の顔を見て、やる気と元気を取り戻した風太郎。
しかし……自分を見てくれた「医師の顔」は、どこかで見た記憶が…。
病室で眠りについた風太郎は、「悪ガキ」時代の夢を見ます。
そして、風太郎が運命の「あの子」にあった時に、一緒にいた男性こそが「医師の顔」…だとすると、医師は五つ子の父親??
夢から醒めた風太郎が飛び起きると、ベッドの傍に運命の「あの子」!!
と思いきや、五月でした。

運命の「あの子」は五つ子の誰かでほぼ間違いないですから、五月と見間違えても仕方ありませんね。
そして五月は、神妙な面持ちで風太郎に話します。
「ここには…お尋ねするために来ました。教えてください。あなたが勉強する、その理由を」
第34話 今日と京都の凶と共
風太郎が運命の「あの子」に出会った時のお話です。
小学生の風太郎は、修学旅行で京都へ。
髪は染めてるしピアスはしてるし…今の風太郎からは想像もつかない「悪ガキ」っぷりですね。
片恋相手は学級委員の「竹林」さん。清楚で大人っぽい子ですね。

しかし、彼女の仲良しは、同じ学級委員の「真田」くん。
修学旅行の新幹線車中でも、「算数ドリル」をするほどのがり勉くんですが、竹林さんとは幼馴染で家族ぐるみの付き合いがあり…。
衝撃に事実を知り、竹林さんと真田くんとの行動に、居心地の悪差を感じた風太郎は、「腹痛」と嘘をつき、単独行動。
父親の「仕事道具」からパクってきたカメラ片手にぶらついていると、ロリータファッションのイタいおばさんに「盗撮された」と騒がれます。
その時に「その人は無罪だよ、私見てたもん」と助けてくれたのが、運命の「あの子」でした…。
「そこから未確認飛行物体が地球に来襲し、国会が占拠、俺の修学旅行は終わった…」
と、風太郎は最後雑な終わり方をしますが、途中までは真実のようです。
「いまいち伝わりませんでしたが、昔のあなたと今のあなたが多いく違うことは分かります。
その子との出会いが、あなたを変えたんですね。
私も変われるでしょうか…もし…できるなら…代われる手助けをしてほしい。あなたは…私たちに必要です!」

林間学校から、だいぶ風太郎を見直した感じのある五月。
「あなたは私たちに必要です」とまで…。
「やれることは何でもします、見てください」と五月が取り出したのは、京都で「あの子」が買っていたお守り…アホみたいにたくさん、と当時思った風太郎でしたが、よく考えると「五つ」。
「それ…どこで買ったんだ?」
「買ったのか、貰ったのか覚えていませんが…京都で、五年前」


偶然、じゃないですよね…。
第35話 探偵風太郎と五人の容疑者たち
オートロックを使いこなせるようになり、いつも通り中野家に入ってきた風太郎は、お風呂上がりの五つ子の誰かと遭遇。


「お風呂でバッタリ」って、ラブコメでは定番なのに、現実にはなかなか起きないですよね…なんでかな…。
「変態!」と投げつけられたのは、紙袋に入った答案用紙。
しかも、ご丁寧に「名前の所だけ」が破られており、点数は全て「0点」…。
「0点」答案を隠蔽しようとした犯人を捜すため、お風呂上がりを再現すべく、五つ子全員に同じ髪型にしてもらった風太郎ですが…今度は誰が誰だか分からず…。
「答案自体はそのまま」であるため、最終手段として、「再び解いて解けなかった者」が犯人と判断するため、全員に問題を解かせる風太郎。
実は解ける解けないでなく、「筆跡」で見分けようとしていた風太郎、「犯人」の一花はそれに気づき、筆跡を変えますが、アルファベットの小文字bを筆記体で書く癖を見破られ、「お前が犯人」と断定されます。
しかしよく見ると、五人それぞれの特徴が答案に…
実は、五人が五人とも取った0点を、隠そうとしていたものだったのです…。
第36話 勤労感謝ツアー①
風太郎に思いを寄せる、一花と三玖。
それぞれ勤労感謝の日に「明日休日だけど一緒に出掛けない?」と(図らずも)同時メール
「今日は休日だから断る」と返信した風太郎は、せっかくの休日だから一日勉強、と机に向かいます。
それを見ていた妹・らいはが、「四葉に林間学校で世話になった」お礼をしないと、と風太郎を追い出します。
一花・三玖の誘いを断ったため、家に上がれず二人で出かけることに。
「行きたいとこ、欲しいものはあるか?」
という風太郎の問いに、四葉が出かけた先は五月御用達のレストラン、三玖が会員になっているスパ、一花の出ている映画、二乃の服を探しにショッピング…。
すべて姉妹絡みの場所ばかりで、四葉自身の望みが分かりません。
「四葉、おまえが欲しいものはなんだ?」
ストレートに聞く風太郎に対し、一生懸命考えた挙句、四葉の出した答えは
「私が欲しいのは何でしょうか…?」


質問に質問で答えちゃったよ…。
第37話 勤労感謝ツアー②
二乃のために服を見ていると、同じ店に一花・三玖が入店。
すかさず風太郎と四葉、試着室に隠れますが…一花に見つかります。


よくあるシチュですね~。内緒でデートしていた二人が、誰かに見つかりそうになり、試着室に二人で隠れるとか…。
実際にあるのかな、こんな夢みたいなこと…。
二乃のために買う服を、同じ体型だから試着したいという一花に、私も同じ体型だから、私が代わりにと四葉。
止む無く、目をつむった風太郎の前で着替えを始めます…。


私なら開けますね、薄目。
一花・五月ともバッティングしそうになるも、逃げ回るうちに公園に。
実は四葉が良く来る公園で、ちょっと落ち込んだときはブランコに乗ってみたり、という場所。
「デートの締めにはふさわしくないから、もっと素敵なとこ行きましょ」
という四葉ですが、風太郎は
「一推しの公園なんだろ?じゃあここで充分だろ」
「ブランコを全力で漕いだ時に見える夜景、百万ドルの夜景とは違うけど、光の一つ一つに家庭が家族があると思うと、ほっこりします」
はにかんだような微笑みを見せた四葉は、
「とうっ!」
立ち漕ぎブランコからの大ジャンプ。
さすが運動神経抜群です。
負けじと風太郎も懸命にブランコを漕ぎ…飛ぶのかと思いきや…一回転。
驚きの余り、笑い出す風太郎の笑顔を見て、自分の欲しいものが「風太郎の笑顔」であることが分かった四葉。
「ほしいものはもう、貰いました」


さすが今回の表紙です、四葉。破壊力半端ない笑顔です。
第38話 リビングルームの告白
期末試験のテスト週間を目前に、放課後の勉強会には四葉(陸上部の手伝い)、二乃・五月(一花の映画を見に行く)が不参加。
一花・三玖は各自自習ということになりますが、「本当に自習するのか」怪しんだ風太郎は、やっぱり自分が教えると言い出します。
今日は事務所の社長の娘・幼稚園児「菊」の面倒を見るからと断られますが、強引に中野家に赴いた風太郎。
すると…本当にいた、社長の娘。
風太郎を「お前」呼ばわりし、なかなかに可愛げのない性格をしています。
聞けば、母親は他の男と出て行ったそう。
ままごとの途中、一花と三玖、「どっちがお母さんが良いか」という話になったところ、
「あたしはママなんていらない。だって寂しくないから。ママのせいでパパは、とっても大変だった。パパが居れば寂しくない。」
「無理すんな。お前みたいな歳の子が、母親が居なくて寂しくないわけがない。可愛げもなく大人ぶってないで、ガキらしくわがまま言ってりゃいいんだよ」
うるうると涙目になる菊を見て、三玖は
『人の気持ちに寄り添える温かさ。それをフータローは持っている。その温かい心に、溶かされたんだ』
自分が、風太郎を好きになった理由に気付きます。
「フータロー、、私と付き合おうよ」


ガチの告白です。が、それに気づかない風太郎、
「違うだろ、結婚しよう!良かったな、菊。これでママができたぞ。ままごとの中だけどな」
三玖が本気だ、ということに気付いた一花ですが、それでも
「こうやって、六人で一緒にいるのも嫌いじゃない」
という三玖の意見には同意。
第39話 七つのさよなら①
家庭教師の土曜日、五つ子は全員リビングに集まっているのに、風太郎が来ない…心配した五月がマンションの廊下を見に行くと、変わり果てた姿の風太郎が…。
別に死んでいたわけではなく、徹夜明けで力尽きて寝ていただけ。
徹夜の原因は、五つ子全員分に用意した「問題集」。
風太郎が到着し、ようやくスタートした家庭教師ですが、二乃 vs 三玖の小競り合いが発生。
二乃・三玖の本格的な衝突を避けようと、勉強を穏やかに進めますが…。
誤ってテスト範囲でないところを勉強していた二乃、それに対し、「やるならまじめにやって」というキツイ三玖の一言。
これに怒った二乃は、一人で勉強すると自室に向かいます。そんな二乃に、
「風太郎が作った問題集だけでも、受け取って」
と差し出す三玖。
「こんな紙切れ如きに騙されないで!」
問題集の一枚を破ったところ、二乃の頬に平手が……。
その平手は、今まで相対していた三玖ではなく、五月。


「謝ってください」
第40話 七つのさよなら②
三玖や五月が気付いていた、問題集の秘密。
プリンターやコピー機など持ち合わせていない風太郎は、五つ子全員分「手書き」で問題種を作成していたのです。
「皆の手本になるように」と徹夜で問題集を作った風太郎。
その風太郎に負けないよう、自分たちも真剣に取り組むべきだと、五月は力説します。
二乃にしてみれば、大好きな五人姉妹に入り込む「異分子・風太郎」を、他の姉妹が庇う状況は見たくありません。
「いいわ、こんな家出てってやる!」
「そんなの、お母さんが悲しみます!」
「五人が一緒にいること」の大切さを説いてきた五つ子の母、そのお母さんが悲しむ、という五月の言葉に、
「未練がましく、母親の代わりを演じるのはやめなさいよ」
この言葉は、五月の逆鱗に触れたようです。
翌日の日曜日、風太郎が中野家を訪れた際には、二乃・五月の二人ともが出て行った後でした。
一花と四葉がラインで説得しているものの、二人とも意固地になっている様子。
その一花と四葉は「外せない用事」で、外出中…。
止むなく三玖と二人で、まずは二乃を探しに出る風太郎。
三玖が二乃の髪型を真似し、「こんな人知りませんか」で居場所を突き止め、宿泊先のホテルに向かいます。



五つ子って便利…。
しかし
「こうなったのは全部アンタのせいよ、アンタなんか来なければよかった」
二乃はやはり、五つ子の中に入ってくる「異分子・フータロー」を憎んでいます。
早々に追い出された二人。
五月もどこかホテルに泊まっているのだろう、と考える風太郎ですが、三玖によれば
「五月は家に、財布を忘れて行った」
一文無しで行けるところと言えば…真っ直ぐ自宅に帰った風太郎は、らいはが作ったカレーをおかわりする五月と遭遇…。
風太郎とらいはの父が仕事で居ない夜、五月を含めた三人は「川の字」になって寝ることに。
「実は私、あなたに話さないといけないことが…、今日は月がきれいに見えます。少し歩きませんか?」
第41話 七つのさよなら③
自分から折れるつもりはない、二乃が謝らなければ帰らない、と宣言する五月に、上杉家の貧乏暮らしにお嬢様のお前が耐えられるわけないだろう、と帰宅を促す風太郎。
「お嬢様なんかじゃありません。数年前までは、負けず劣らずの生活でした」
五つ子の母が、今の父と再婚するまで、「母は独りで五人」を育てていた、と。
それでは…生活も苦しいでしょうね…。
「けれども女手一つで育ててくれた母は体調を崩し、入院してしまった……だから私は母の代わりとなって、皆を導くと決めたのです。」
その思いから五人をまとめようとしていたのに、二乃の「母親の代わりを演じるのはやめなさい」が頭に来たのでしょうね…。
「俺は、父親の代わりになろう。あの日京都で「あの子と」出会い、いつか誰かに必要とされる人間になると決めた。俺はそのために勉強してきたんだ」
五月が風太郎に聞いていた、「勉強する理由」に対する答えでした。
決意を新たにする風太郎ですが、現実はうまくいかず……一花と三玖は勉強に協力的ですが、二乃・五月はケンカ継続中。
そのうえ、四葉は「駅伝大会の助っ人」に参加するため、陸上部の練習に出ると…。
何もかも上手くいかず、自信を無くす風太郎。
「ただ勉強してただけの俺は、何の役にも立てない。あいつらに俺は不要だ」
池のほとりで一人黄昏る風太郎に、
「また落ち込んでる。やっぱり君は変わらないね」
風太郎の目の前に現れたのは、運命の「あの子」。


容姿こそ成長しているものの、間違いなく「あの子」です。
「久しぶり」
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