この記事は「キングダム 第641話 深刻な問題」をご紹介するもので、ネタバレを含みます。
凱旋
列尾、橑陽、鄴を落し、趙の王都・邯鄲の喉元まで迫った秦。
その立役者の一人である、信率いる飛信隊が、秦の王都・咸陽に凱旋します。
飛信隊隊長である五千人将・信はもちろんのこと、副隊長の楚水、千人将の田有はじめ、軍師の河了貂、歩兵の尾平・慶・昴や、新入りの干斗、仁・淡の弓矢兄弟まで、盛大な歓迎を受けます。
もちろん、亡くなった松左や、去亥も……。
武功に合わせて褒章をもらった兵たちは、先の論功行賞まで一旦解散することになります。
自分たち「飛信隊」の隊長・信が、どんな処に住んでいるのか、気になる干斗。
漂と一緒に里典(集落の長)の下僕として暮らした城戸村を離れ、王弟・成蟜から秦王・嬴政を守った際、与えられた風利の家(小屋)で暮らしていた信ですが…。
大工の田有に金を預け、家を建ててもらっていたそうで、鄴攻めの間にその家が完成していたようです。
早速「隊長の家」を見に行く飛信隊一行ですが……。
家は前のまま、貂と暮らしていた「小屋」のままです。
「見てはいけないものを、見てしまった」空気が流れる、飛信隊。
「バカ言ってんな、隊長。あっちだ」

急遽、その夜は信の新居で宴となりました。
飛信隊の隊員だけでなく、その家族も交えての。
三日後に王宮に呼ばれている、という話をする信。
「遂に将軍に…?」
と沸き立つ一同ですが、元麃公軍の我呂が異を唱えます。
そういう話なら、論功行賞の時でいいはず。
王翦・楊端和・桓騎の三将が帰還していないので、論功はもう少し先。
それなのに呼ばれた、ということは「逆」じゃないか、と。
下僕上がりの将軍など、聞いたことがない。
将軍になるには、「格式」みたいなものが必要だと。
「たぶん、武功は充分だが将軍にはしてやれねーって話だ!」
と結論付ける我呂。
深刻な問題
河了貂と共に、王都・咸陽を訪れた信。
待っていたのは秦王・嬴政と昌文君。
王弟反乱時に国を追われ、そこから何とか玉座を取り戻した、その時のメンツですね。
信への用件は、
「将軍になるには問題がある」
という話でした…。

我呂の言った通り、「下僕の出」では将軍になれないのか。
政に詰め寄る信ですが……。
「そこまで深刻な問題ではない」と。
問題とは、「名前」。
将軍になるのに、「信」だけではなく、「姓」を持つ必要がある。
なので、「姓を与えるから、何が良いか考えろ」というのが政の用件でした。
急に言われても、何も思いつかない信。
政に
「お前が考えてくれたやつにする」
と投げますが、政も思いつかず……。
ふと、昔のことを思い出す政。
自分の影武者に、昌文君が漂を連れてきた際、漂にも姓を与えたが、その時も軽く悩んだと。
悩んだ挙句、漂は政がよく食べていた「李」から「李」という苗字にした…。
その話を聞いた信。
「俺も李信にする」
即決でした。
河了貂と昌文君が、「そんな決め方でいいのか」と呆気にとられる中、二千年以上も後世に名を残す「李信」が誕生したのです…。
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