ウシロ(宇白 順・うしろ じゅん)編⑤
戦闘中、相手ロボットのコックピットを開けてしまったことから、パイロットに逃げられたウシロ。
このまま(戦闘開始から)48時間経過すれば、双方の宇宙は仲良く「ポン」です。
「この地球の人間を、全て殺せばいいんです。」
残忍かつ、唯一の手段を思いついたウシロ。
その実行のため、気持ちを準備します。
コエムシが、今いる地球の地図を入手してきます。
見たところ、自分たちの地球と変わらない様子。
「どうするよ。」
「全員殺す」にしても、あらかじめウシロに聞いたやり方を、本当に実践するのか、確認するコエムシ。
「本当にやるのか?
1人1人狙い撃ちなんて。」
できるだけ苦しませずに済むよう、とのウシロの考えです。
「効率悪いぜ、間に合うのかよ。」
多手さんがざっくりした計算で、
・1秒間に6万人殺す必要があること
・時速1,000㎞でずっと移動しても、地球を1周するのに40時間かかる
現実的に、かなり厳しい数字であることを伝えます。
佐々見さんは、ウシロの苦しみを慮ります。
やむを得ないとはいえ、1秒間に何万人もの人を殺し続ける。
そして、戦闘後に待っているのは、自分の死。
「宇白くん、君が長く苦しみを受ける必要はない。
最初からなるべく早く終わる方法で…」
「それでも」
ウシロが遮ります。
「それでも、やらせてください。
このやり方で。
これは、ぼくの責任です。」
自分の不用意な行動で、相手パイロットを逃がしてしまった、というウシロの自責。
本来必要のない殺戮をする必要に迫られ、ならば「自分は苦しんでも、相手は苦しませたくない。」という思いですね。
「徃住さん、カメラはそのままで大丈夫です。」
ウシロの気持ちを考えれば、カメラは止めた方がいいだろう。
そう考えて、カメラを止めようとしていた往住明。
「分かった…撮り続けていいんだね?」
「はい。」
「少しはオレのこと、信用してくれてるんじゃないかと思ってたぜ。
てめーを責めてんじゃねえぞ、オレの自業自得だ。
そのせいでてめーの負担を増やしちまった。
すまねえ。」
ずっとパイロットの子供たちをからかい、嘲ってきたコエムシ。
マチの死を通して、だいぶその姿勢が変わってきましたね。
「さて、覚悟はいいか?
おそらくどれだけ時間があっても、足りねえからな。
飯はオレがホームから運んできてやる。
喉を通ればの話だが。
トイレは適当に、ジアースの隙間で済ませろ。
こいつにとってはただのデータの羅列だ、構やしねえ。
じゃあ、いくか。」
コエムシなりの「檄」なのでしょうね。
相手の地球。
自分たちの地球と同じように、
敵性怪獣の出現に際して避難し、
神仏に祈り、
遠くの高台から見物し、
テレビで動向を見守り、
そんな普通の世界。
その「普通」の世界を終わらすべく、
ウシロは攻撃を始めます。
ジアースの身体から、ありとあらゆる方向に照射されるビーム。
一度の攻撃で、吐き気を催すウシロ。
「止まるな宇白、続けろ。
半死のやつがいるかもしれねえ。
早く楽にしてやるためには、休んでるヒマなんかねえぞ。」
再び、コエムシの檄が飛びます。
相手の地球の空軍も、黙って見ていません。
この地球で「第5侵略体グール」と呼ばれるジアースに、攻撃を仕掛けます。
「地球人を、ナメるなっ!!」
カコの時もそうでしたが、ジアース含めたロボットに対し、通常兵器では太刀打ちできません。
あっけなく撃ち落される、戦闘機。
攻撃と、その歩みを止めない、ジアース。
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