【この記事には「死役所 第74条 『白神靜佳②』のネタバレを含みます】
「子どもなんか作ったら、私が殺してやる!分かったね!!」
厳しくお祖母さんに言われたシラ神さん。
徹也くんも不思議がります。
「お祖母さん…どうしたんだろう?」
「分からない…お努めが足りなかったのかな…?」
「けど、裁縫も料理も完璧だし。何が足りないのか分からないけど、何分相手が神様だしなぁ…」
話は、徹也くんがもう一つ気になったことに。
「辰男さんって、お父さんのこと?
話避けてたみたいだけど、話題にしたらよくないのかな?」
「よくないことはないと思うけど…確かに話題には上がらない…」
父を思い出そうとするも、やはり思い出せないシラ神さん。
「ねぇ、徹也くん。
お祖母さんに認めてもらえたら、子供作ろうね」
「そうだな、でもおれは子供いなくてもいいよ。
おれの子じゃなく、神様の子だし」
婿入りした徹也くんは、お祖父さんの仕事を手伝います。
林業のようですね。
お祖父さんに連れられて行った場所は…シラ神さんが「お祖母さんから行くなって言われている」場所でした。
「お祖父さん!
ここ、危ないとこでしょ?入っていいんですか?」
「辰男…靜佳の父親がな、ここで死んだんだ…
そこの池だ。
足を滑らせて池に落ちて、そのまま…
気を付ければ何の問題もない、行くぞ」

夕食時、徹也の仕事ぶりを褒めるお祖父さん。
すると、地震が…。
「祝言の時よりは大きくなかったな」
「あの時は大きかったねぇ」
「今年は台風も来たし、災害に当たる年だなぁ。
稲も全滅したって。」
「他人事みたいに言うな!」
お祖母さんがシラ神さん、徹也くんを叱ります。
「村の人間、みんな参ってるんだ。
靜佳、お前はいつまで経っても成長しないね。
そんなことだから、神様の子を産めないんだ」
寒さも厳しくなってきたある日、シラ神さんが外で掃き掃除をしていると、土間からお母さんとお祖母さんの話声が聞こえてきます。
「だけど、お母さんもそう思ったから、子供を作るなって言ったんでしょ?」
「神様が許してくれたら作れ、って言ったんだ」
「神様は許してなんかくれない。
祝言の日から天災が続いてるのが、何よりの証拠じゃない」
「神様は分かってくれる!」
「お母さんがそう思いたいだけでしょ?
やっぱり許されるはずがないのよ。
だって靜佳は、人殺しの子なんだから…」
「人殺し」= シラ神さんのお父さん or お母さん なわけですね。
そして、その子供であるシラ神さんは、神様に赦されない。
だから、結婚式の日からずっと天災が続いている、と…。
『何のことだろう…人殺しの子?
お母さんが…いや、お父さん…?』
そこへ、まだ仕事中のはずの徹也くん。
「お祖父さんが急に倒れたから、病院に連れて行って……」
お祖父さんは、そのまま亡くなりました。
お祖父さんの遺影が飾られた仏壇に、手を合わせるシラ神さん。
仏間に入ってきたお祖母さんは、何も言わずにいきなりシラ神さんを平手打ちし始めます。

慌てて止める徹也くん。
「やめてくれ!
なんで靜佳にそんなに強く当たるんだ!」
「やかましいっ!」
胸に手を当てて、苦しがるお祖母さん。
「ほら見ろ、興奮するから…」
心臓に持病があるようです、お祖母さん。
「私がちゃんと務めさせなきゃ…認めさせなきゃ…」
うわ言のように繰り返すお祖母さん。
「靜佳、大丈夫か?」
「大丈夫。悪いのは私だから…」
木々の蕾が綻び始めたころ。
シラ神さんは、図書館に出かけます。
「どうしても読みたい本があるから」と。
「お祖母さんも病床に伏せているから、たまにはいいんじゃないの」
と送り出してくれたお母さん。
シラ神さんの目的は、本ではなく「新聞」でした。
図書館には過去の新聞もあるので、その記事から父親の記憶を探ろうとしたのです。
しかし、お目当ての記事(お悔み欄でしょうか)は、どこにもありません。
『思い出せ…お父さんが死んだのはいつだ…?
私が5歳…6歳の時?
最後に姿を見たのはいつだった?
思い出せ…』
ふと、ある可能性を思いつきます。
『……本当に、死んだのか?
お父さんが人殺しなら……もしかしたら…』
死んだのではなく、刑務所に…。
さて、シラ神さんのお話、中編となる「白神靜佳②」をご紹介しました。
死役所に勤めているとき同様、生前のシラ神さんも、非常に控えめな方です。
やはり、この人と「死刑囚」となる犯罪が結び付きませんね。
お祖母さんの禁を破って子供ができ、
子供を殺そうとしたお祖母さんを殺した、
或いは
お祖母さんに子供を殺せと言われ、言いつけ通り殺した
とかでしょうか…。
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