「ぼくらの」あらすじ紹介【ネタバレを含みます】(13.カナ①~兄~)


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カナ(宇白 可奈・うしろ かな)編①

9巻表紙がカナです。

カンジの次にパイロットになったカナちゃん。

これまで兄妹だと思われてきた、ウシロとカナ。

しかし、2人は本当の兄妹ではありませんでした。

カナは知っていて、ウシロが知らなかった事実。

ウシロの母は、ウシロの父(実際は養父で、カナの実父)の中学の生徒でした。

いわゆる不良で、かなりの問題児。

中学を卒業後、父親の家に転がり込み、その時すでにウシロを妊娠していました。

子供がいなかった宇白夫妻は、家族のように受け入れ、出産の手伝いをしました。

子供の父親に関しては一切聞かず、「どうでもよいことだ」と。

やがて彼女は子供(ウシロ)を産み、そしていなくなりました…。

宇白夫婦は話し合い、その子供(ウシロ)を養子にしました。

これがカナの知る事実。

カナは、カナの母がカナを産んだ際に亡くなったことで、ウシロからキツく当たられるようになります。

そして、自身でも自分を責めるようになります。

自分が生まれてきたせいで…。

見かねた父が、カナにだけ真実を話したのです。

そしてジアースに出会い、兄を含めたみんなが契約した。

モジの戦闘の後、契約してない子がいることが分かった。

それは、もしかしたらお兄ちゃんかも…。

『お兄ちゃんは助かる…違う、お兄ちゃんは一人になる』

そう考えたカナは、残される兄には、お母さんが必要だと考えます。

父より偉い人なら、見つけられるかもしれない。

そう考えたカナは、国防軍の田中さんに、兄の本当の母を見つけてほしいと頼みますが、見つかりませんでした。

もしかしたら、兄と本当の母が会ったとしても、悪いことにしかならないかもしれない。

それでも…『これが私にできる、最後のことになると思うから』

ウシロは、なぜ契約していたことを言わなかったのか、カナを責めます。

「だって、そうしたらお兄ちゃん一人ぼっちになってた…」

「このっ…」

いつものようにカナを殴ろうと、手を振り上げるウシロ。

しかし…その手を振り下ろすことができません。

「お兄ちゃん…知ってるの?」

「何をだよっ!!」

苛立ちながらその場を去るウシロ。

マキの言葉が頭を過ります。

『あんたは血がつながっていることに甘えてる

だからカナちゃんに平気で暴力を振るえる

お父さんが私を叩くのに、どれだけ勇気が必要か分かる?』

その時ウシロは、「勇気なんて必要ないだろ」と返していましたが…カナと血がつながっていないことを、カンジから、カンジの戦闘開始直前に聞いたウシロ。

「血の繋がりがない」妹に、暴力を振るえない自分がいました。

ジアースの中では、マチとコエムシが口論。

「あんた、カナちゃんを契約させたの?」

あー、それか

「あんた本当、どこかおかしいでしょ!」

なんだお前、ウシロにオレを投影してんのか?オレの方がウシロよりましだぜ?少なくとも妹のお前のことは、大切にしてるからな

カンジが、おそらく他にもうっすら気づいていたかもしれない、マチへの違和感。

マチはこの地球の人間でなく、コエムシと同じ地球の人間、コエムシの妹だったのです。

お前はもうオレ達の地球へ帰れ、親父もおふくろが心配してるぞ

今更てめぇにできることはねぇだろ、償えるとか適当言いやがって

チズの戦闘の際のやり取りですね。

「ぼくらの」 ©小学館

マチが契約していない。

その事実を知って見ると、チズとのやり取りの、一瞬の間。

チズの目を見ずに「できるよ。」

理解できますね。

分かっただろう?

この地球人間じゃないヤツが契約できるわけねーだろが。

「私だって…私たちの地球の時には、死ぬ覚悟してた。

ただ、契約者が多くて私まで順番が回って来なかっただけ。

今までこの子たちに付き合ってきたんだ、最後まで一緒にいたい!

次はカナちゃんなんだよ!?」

ちなみに言っとくけど、カナが俺を呼び出して契約させたんだからな

「ウシロを放っておけないから?」

あー、多分な。契約してると思っただろうからな

「何か…本当私と似てるな…」

ふざけんな、お前は死なねぇ。

てめぇはオレの育て直しでもやってる気になってろ

粗野で、他人の気持ちを考えない、放っておけない兄。

そんな兄を持った妹。

ウシロにコエムシを投影している、と言うよりは、カナに自分を投影しているのかもしれませんね、マチ。

国防省。

カンジの、34時間にもわたる戦闘。

ずっと立ち会っていた国防省の佐々見さんも、疲労困憊という感じです。

もちろん、ずっと戦っていたカンジの方が、ずっと疲れたでしょうが…。

「何をやっているんだろうな、我々は」

子供たちに地球の命運を任せ、それを見ていることしかできない自分たちへの、苛立ちと言うか、もどかしさと言うか…。

そんな気持ちがにじみ出ています。

「寛治君の遺体は、父親が引き取るそうです」

「本来なら国葬相当の……

違うか、それで死んだ子が救われるわけじゃない」

関さん含め、前回の戦闘で「マーカー」になった23人の軍人は、全戦闘終了後に二階級特進、軍神として扱われることに。

また、ジアースとの関連が疑われるマチの家には、スタッフを向かわせ、発見次第確保する段取りに。

「おそらく無駄だろう。本当の家かどうかも分らんしな」

カンジの戦闘で被災した街。

カンジと近所の、ウシロの家ももちろん戦闘地域でした。

学校に避難していた父と、カナが再会。

まだ、自分が次のパイロットだと、父に告げられないカナ。

この時点でカナの父は、ウシロがパイロットとして契約していると伝えられており、カナが契約しているとは知らされていません。

父は、「国防省の人と会わなければならない」と役所に向かいます。

避難先の学校で、一人待つカナの許を、一人の男性が訪ねてきます。

アンコの父、往住明でした。

アンコの戦闘の後、「何かできることがあったら言ってください、協力します」と言ってくれた往住明にも、カナはウシロの母親捜しをお願いしていたのです。

「頼まれていた人、見つかったよ。

今役所にいるそうだから一緒に会いに行こう」

一方、先に役所に到着していた父、待っていたのは「国防省の人」である田中さん。

深々と頭を下げ、「お久しぶりです、先生」

「お久しぶりです、宇白先生。

佐藤美穂です。

結婚を機に名を変え、今は『田中美純』を名乗っています」

ぼくらの ©小学館/鬼頭莫宏

ウシロの父の中学の生徒であり、ウシロの母。

ずっとジアースパイロットをサポートし、一緒に戦い、足りない分のパイロットとして契約していた、田中さん。

田中さん=ウシロの母

だったのです……。

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