ひぐらしのなく頃に 目明し編 其の壱「初恋」
【この記事には「ひぐらしのなく頃に」のネタバレを含みます】
出だし、おそらく気絶しているであろう魅音の髪の毛を掴み、引きずる詩音。
園崎家当主・お魎は、車いすに座り、両手を縛られています…。
各編、第一話の出だしはショッキングなシーンから始まりますね…。
というわけで、目明し編です。
目明し編は詩音回ですね。
綿流し編、祟殺し編にも登場している詩音。
魅音の双子の妹ですが、そもそも園崎家では、跡継ぎに双子が産まれた場合は、産湯に浸ける前に絞め殺せ、というしきたりがあったそうな…。
昔の田舎では、口減らしのために嬰児を殺したり、っていうこともあったそうなので、あり得ない話ではないのでしょうか。
詩音は、絞め殺されはしなかったものの、園崎家とは関わらないよう、寄宿制の女子高に幽閉されていたようです。
ところが、窮屈な生活に飽き飽きした詩音、学園を脱走します。
世話係の葛西に「お勤めご苦労様です」迎えられ、黒塗り高級車に乗る詩音。
ムショから出てきた姐さんみたいですね。
生活費くらい自分で稼ぎたい、と詩音を可愛がってくれていた、親戚の義郎叔父さんを頼ることにします。
が、園崎本家、特に当主のお魎には絶対にバレてはいけない、詩音の脱走。
そこで……魅音に身代わりを頼みます。
詩音がバイトしている間、魅音が姿を消し、誰かに見つかっても「魅音です」で通す。
「いいよ!そういうことなら喜んで協力するよ!!」
2人は人目を避け、興宮の図書館で再会します。
詩音が通っていた学園では、外部の情報があまり入ってこず、義郎叔父さんから聞いた「オヤシロ様の祟り」についても、あまり詳しいことを知りません。
魅音が言うには、最初の年は、ダム工事現場の監督が殺され、バラバラにされた。
次の年は、ダム誘致派のリーダー格だった北条夫妻が、旅行先で転落死。
その翌年は、古手神社の神主が病死。その日のうちに、妻も行方不明に…。
これらがすべて、「綿流しのお祭り」の日に起こっている。
雛見沢村では「オヤシロ様の祟り」と呼ばれ、ダム工事に関係した人間がオヤシロ様の怒りに触れ、殺されたのではないか。
或いは、ダム工事に関係した人たちを快く思わない園崎家当主・園崎お魎が、殺しを指示したのではないか…。
ただそうすると、古手神社の神主はダム工事と関係ないのでは?という疑問が残ります。
古手神社の神主(梨花ちゃんの父親)は、ダム誘致派のリーダー・北条夫妻(沙都子の両親)を庇っていたのです。
村が一丸となり、ダム工事に反対すべき時に、その象徴ともいうべきオヤシロ様を祀る古手神社の神主が、ダム誘致派を庇ったのでは示しがつかない。
当時、園崎お魎からは、苦々しく思われていたようです。
「へぇ~、そう聞くと、古手神社の神主さんって、結構大人な考えの持ち主だったんですね~。」
と詩音。
「そうかな?本当の大人なら、御三家の一角っていう立場もあるんだから、周りに合わせるべきだったんじゃないかな」
と返す魅音。
双子である魅音と詩音は、見た目も中身もそっくり。
それが、詩音が学園に幽閉されると同時に、魅音はお魎と一緒に本家に住み、次期当主として教育を受けてきた。
その隔たりが、2人に考えの違いを生じさせたのでしょうか。
その後、詩音の脱走がお魎の耳に入ります。
魅音から連絡を受けた詩音は、しばらく身を隠すため、買いだめをしておきます。
大量の荷物を両手に持ちながら歩いていると、道端に止めてあったバイクに荷物が引っ掛かり、荷物が散乱…。
「こんなとこにバイク止めやがって~~!!」
蹴ったバイクが、ドミノのようにバタン、バタン、と。
そこに……持ち主の輩が登場。
路地の奥に連れ込まれた詩音、ピンチです。
「やめろ!」
現れたのは「北条悟史」。
沙都子の兄です。
圭一が雛見沢に越してきたときには、すでに「転校」していた悟史。
このお話は、まだ悟史が「転校」する前、圭一が雛見沢に越してくる前ですね。
ケンカの強くない悟史、助けに来たつもりがやられ始めますが…。
他の通行人が呼んでくれた警官が現場に現れ、事なきを得ます。
「魅音、大丈夫??」
魅音(の格好をした詩音)の頭を撫でる悟史。
頭を撫でるのは、悟史の癖のようですね。
おそらく沙都子の頭も、よく撫でていたのでしょう。
祟殺し編では、圭一に頭を撫でられた沙都子が、それをきっかけにパニック状態になることがありましたが…。
「それは悟史だよ。見た目の特徴とか、頭を撫でる癖とか。間違いないね」
電話で魅音にそう聞いた詩音。
他にも、2年目のオヤシロ様の祟りで両親を失い、妹の沙都子と一緒に、叔父夫婦に預けられていること。
村の仇として憎まれていた北条夫妻の血筋ということで、村八分状態であること…。
悟史のことが気になる詩音。
悟史が所属する野球チーム・雛見沢ファイターズの練習を見学に行きます。
監督(入江診療所の入江先生)にも話を聞いた詩音。
悟史が雛見沢ファイターズを辞めようとしていること。
それは妹の沙都子のためであり、沙都子に対する叔母のあたりが強く、沙都子を守るため。
妹を庇う悟史に対する、詩音の気持ち。
庇われる沙都子への不満。
見学の帰り道、土砂降りに遭い、レナと共にバス停で雨宿りした際にも、悟史の話を聞きます。
「悟史君も、バイトが終わったら野球に戻るんじゃないかな。
沙都子ちゃんの誕生日プレゼントのために、悟史君頑張ってるからね」
「沙都子は甘えすぎなんだよ。にーにー、にーにー、って。少しは悟史君のことも考えてやれって」
「魅ぃちゃん、ハッキリ言うね
悟史君もね、兄として頼られることに苦痛を感じるって、言ってた。
それはとても罪深いことだ、って」
「悟史、レナにはよく話すんだね」
「レナは…経験者だから
いつもより足音が一つ、余計に聞こえる。
謝っても謝っても、ずっとついてくる。
夜は枕元に立って、じっとこっちを見ている。
オヤシロ様の祟りの、前触れ……」
監督とレナの話から、余計に悟史のことが心配になった詩音。
魅音に、代わりに学校に行かせてくれと頼みます。
朝、下駄箱で会った悟史と沙都子。
2人とも目が死んでます。
「おはよ…げ、元気?」
「これが元気に見えるのかよ」
取り付く島もありません。
昼休み、一緒に弁当を食べようという魅音(の格好をした詩音)の誘いを断り、
「昼休みくらい一人にしてくれ」
と教室を出ていく悟史。
一方沙都子は、弁当箱を床に落とし、泣き始めます。
「にーにー、にーにー!助けてよ、にーにー」
詩音の中で、何かが弾けます。
沙都子を叩き、蹴り、教科書を投げつけ、あまつ椅子まで投げつけようとします。
「あんたが悟史君を苦しめてるんだ!!泣けばいいと思うな!いつまでも悟史君に泣きつけばいいと思うな!死んでしまえ!お前なんか死んでしまえ!!!」
沙都子と詩音の間に、割って入る梨花ちゃん。
「沙都子はかわいそうなのです、いじめてはいけないのです!」
同時に、レナも間に入ります。
振り上げた椅子を振り下ろすことを、躊躇う詩音。
廊下から、悟史が詩音を突き飛ばして入ってきます。
「どういうことだ?僕たちが何をしたよ。両親を村ぐるみで追い詰めて。今度は僕たち。それが、園崎家のやり方なのか!?」
「ちょっとは私の立場ってものも、考えてほしいなぁ」
電話口の魅音は、不満げです。
当たり前でしょうね。
自分の代わりに学校に行って、大騒ぎをされたのでは…。
「悟史君は、園崎を恨んでいるの?」
「多分……恨んでると思う」
『だったら最初から冷たくしてくれれば…なんで助けてくれたの…』
詩音が願ったのは、その年のオヤシロ様の祟りで、
『叔母と沙都子がいなくなればいい』
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