秦軍
信 vs 龐煖の一騎打ちから、場面は一旦秦軍各武将の戦況へ。
「大女」糸凌は、馬呈と互角の戦いを展開します。
糸凌に「朝までお前を抱く」と言っていた、王翦軍第四将の倉央も、李牧本陣に迫ります。
窮地を出した王翦本陣が、田里弥軍に合流します。
遠巻きに李牧本陣をうかがう田里弥軍。
足元まで秦軍に迫られながら、李牧が本陣にいることを訝しんでいます。
「横撃している右翼 飛信隊に、何か気を取られているようです」
「……ほう……」
意味ありげですね、王翦。
一方、李牧本陣。
すぐそこまで秦軍に迫られ、もう限界です。
「李牧様!早く退避を!」
「カイネ!貴様何をしておる!早く李牧様をお逃がしせぬか!カイネ!カイネッ!!」
李牧とカイネ。
周りの声が聞こえないくらいに凝視する、その視線の先には…。
矛盾の答え
序盤、一方的だった信と龐煖の一騎打ちは、ここにきて互角の様相を呈します。
「あれが龐煖の対極にある力…龐煖が理解できない力です」
求道者 龐煖は武神として道の極みに達したと悟り、山を降り、その力を天に示さんとした。
そして17年前、あの力に出会ってしまった。
王騎将軍…。
あの敗戦を、龐煖は自分が未熟だった、武の極みに達していなかったと考えた。
そして8年前の、馬陽での再戦。
そこでもまた、龐煖は一人の力で王騎に勝てなかった。
(魏加が王騎を矢で撃ち、アシストしています)
「あの一戦を見て思いました。
龐煖は未熟だったわけでなく、17年前もすでに、人の武の極みに達してなお、王騎に敗れたのではないかと」
「矛盾した話に…聞こえますが…」
「ええ、矛盾しています。
しかし、その矛盾こそが”答え”です
個で武の結晶となった龐煖とは真逆…
関わる人間たちの思いを紡いで 束にして戦う力です」
龐煖に一太刀浴びせ、膝をつかせる信。
信じられない、といった表情の龐煖。
互角に討ち合っているとはいえ、信はもうボロボロ。
力はほとんど残っていないでしょうね。
次回、或いは次々回くらいには、決着でしょうか。
完全に決着がつくのか、或いは龐煖が一旦退くのか。
そして、李牧は秦軍に迫られた状態で、退避できるのか。
無謀とも思えた、秦による「鄴攻め」も、いよいよ大詰めですね。
前の記事:624話「人の代表」
次の記事:626話「残酷な現実」
コメント