ひぐらしのなく頃に 暇潰し編 其の弐「兆し」
【この記事には「ひぐらしのなく頃に」のネタバレを含みます】
雛見沢の奥の地区。
小屋に監禁される建設大臣の孫・犬飼寿樹(いぬかい としき)。
小屋には作業服姿の男性が2名。
この2人が誘拐の実行犯のようです。
腹痛を訴える寿樹くん。
呼ばれたのは…監督(入江先生)です。
雛見沢唯一の診療所ですからね。
診療時、違和感を覚える監督…。
一方、寿樹くんの財布が見つかった場所に向かう、大石さんと赤坂。
刑事といえど、新米の赤坂。
誘拐犯に対峙した場合のことを考え、緊張が高まります。
現場に車で向かう道中、林の中に人影を見る赤坂。
雨の降りしきる中、傘もささずに立ち尽くすその人影は…梨花ちゃんでした。
不安げな表情で、大石さんと赤坂の乗る車を見送る梨花ちゃん。
この道を通ることを、あらかじめ知っていたように…。
しばらくすると、田舎道では珍しく対向車が。
往診帰りの監督の車でした。
祟殺し編の不仲な2人と違って、暇潰し編では友好的な感じです。
腹痛の男の子の往診をした、という監督。
「ちょっと…気になることが……」
小屋の中では、外を見張っていた1人が、大石さんの車に気づきます。
もう1人が寿樹くんを背負って、裏口から逃げます。
小屋に残った男を大石さんが対応し、寿樹くんを背負って逃げた男を赤坂が追います。
男に体当たりし、寿樹くんを取り戻した赤坂。
そして背後から足音が…。
「大石さん!」
振り向いた先にいたのは、大石さんではなく、犯人の1人でした。
「大石?あの刑事やったら、おとしたら泡吹いとったわ!」
どうやら大石さん、この男に絞め落とされたようです。
寿樹くんを庇(かば)いながら、2対1の劣勢。
そして…大石さんを絞め落とした男の手には、拳銃が…。
一発の銃声。
肩口を討たれた赤坂。
再び銃を構える男。
万事休す……。
男の背後から、大石さんがタックル!!
落とされた状態から復活したようです。
勢いで拳銃を落とす男。
形勢逆転です。
劣勢と見るや、逃走する誘拐犯2人。
「連中、分かってますね~。警官は、背を向けた犯人を打てませんから。」
犯人はこういうことに慣れている、という意味合いなのでしょうね。
直後、赤坂が意識を失い、倒れます。
赤坂が目を覚ましたのは、入江診療所。
弾は貫通しており、安静にしていれば大丈夫、とのこと。
病室に大石さんが。
「雛見沢ダム計画の凍結」が決まった、と。
おそらく犯人と大臣の間で、取引が成立したのでしょう。
我々が何もしなくても、寿樹くんは解放されていたんでしょう。
あの場で対峙した相手は、訓練された人間でした。
もしかするとこの事件は、私たちが思っているよりも、大きな組織が後ろにいるのかもしれません……。
夜になり、妊娠して入院中の奥さんに連絡すべく、診療所内の公衆電話から電話しようとするも、不通。
見ると、電話線が切れている…。
切られている…?
止む無く外へ出るも、公衆電話の電話線はすべて切られていました…。
電話ボックスから出てきた赤坂を待っていたのは、梨花ちゃん。
「君がやったのかい?」
「かけても、赤坂が悲しくなるだけなのですよ」
赤坂の知らない何かを、梨花ちゃんは知っているようです。
一緒に診療所へ戻る最中、通りがかった古手神社からはにぎやかな声が。
聞けば「綿流しのお祭り」だと。
「こんなのは、本当の綿流しのお祭りではないのです」
確かに、神社の境内は「祭り」の名を冠した、ただの飲み会。
「鬼隠し編」などで見た屋台もなければ、梨花ちゃんの奉納演舞もなし。
「来年からは、ちゃんとした綿流しのお祭りになるのです」
「そうだね。ダム工事も梨花ちゃんの言う通り中止になったことだし。村にも平和が訪れるんじゃないかな」
梨花ちゃんの雰囲気が、再び「東京へ帰れ」の時のように変わります。
「平和?これから毎年、血なまぐさい事件が起こるというのに?」
「あと何年かで、私は殺される。この村には、人の命を何とも思わない人間がいるの。私はその運命を変えたい。水面に石を投じることで、何かが変わることを期待しているの…」
それから何年かが経ち、大石が定年後に移住した札幌に、赤坂が赴きます。
久しぶりの再会を果たす、大石さんと赤坂。
赤坂はあの日、雛見沢で誘拐犯と格闘したあの日、奥さんを亡くしていました。
赤坂がいない日は、屋上に上がって赤坂と同じ空の下、彼の無事を祈るのが奥さんの日課でした。
屋上から階段を降りる際、運悪く足を滑らし、打ち所が悪く、亡くなったのでした。
お腹の子は無事で、奥さんの忘れ形見である、娘と一緒に暮らす赤坂。
あの日赤坂の奥さんが亡くなっていたことを、梨花ちゃんは知っていた。
赤坂はそう確信していました。
「赤坂が悲しくなるだけなのです」
奥さんの死を知らせまいと、電話線を切って回った梨花ちゃん。
そして、赤坂に助けを求めるために。
大石さんにその話を打ち明けますが、当然すぐには信じてもらえません。
自分の死を予知していたのなら、なぜ逃げなかったのか。
当然の疑問ですよね。
大石さんが話した内容は、祟殺し編と同じものでした。
梨花ちゃんは古手神社の境内で、腹を裂かれて臓器を取り出されて死んでいた…。
しかも、それは薬物でこん睡状態にされてから行われていたのです。
つまりは、生きたまま腸(はらわた)を取り出され、殺された……。
その晩、未曾有の「雛見沢大災害」が起こります。
そんな未来を知っていたのなら、なぜ…。
しかし、赤坂には確信に足る根拠がありました。
あの晩、「綿流しのお祭り」とは名ばかりの、宴会が行われていた古手神社の境内で、梨花ちゃんから聞いた話です。
その当時は「偶然毎年、同じ日に悲惨な事件が起こる」と騒がれた「オヤシロ様の祟り」を、すべて予言していたのです。
来年、ダム工事の現場監督が殺され、バラバラにされる。
その翌年、沙都子の両親が旅行先で転落死。
その翌年、私の両親が亡くなる。
その翌年、沙都子の意地悪な叔母が殺される。
その翌年、私が殺される。
すべての死が予定調和。
だとしたら、それは誰の予定なの?
私は幸せに生きたい。
大好きな仲間に囲まれて。
ただそれだけなのに。
死にたくない…。
雛見沢一帯の封鎖は、未だ解けていません……。
「暇潰し編」いかがだったでしょうか。
「オヤシロ様の祟り」最初の事件が起こる、前の年のお話。
その時点ですでに、梨花ちゃんはこれから起こることを知っていた…。
どういうことなんでしょうかね…?
もう少し先の話をご紹介してから、真相に迫るネタバレをしましょうか。
次は「目明し編」をご紹介いたします。
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