カンジ(吉川寛治・よしかわ かんじ)編②
8巻表紙がカンジです。
【本記事には「ぼくらの」のネタバレを含みます】
今回の戦闘は、ジアース側の地球です。
パイロットはカンジ。
ウシロが言った通り、沖天楼が近くに見えます。
相手は…ドラム型?
或いは…穴のないバウムクーヘン?
ジアース側に見えているのは穴のないバウムクーヘンで、その背面には敵ロボットの急所が剥き出しになっています。
モジが戦った相手と、若干似通っているかもしれません。
穴なしバウムクーヘンは、バウム(Baum、ドイツ語で「木」を意味します)の中心から、小さめの針を射出します。
ジアースや、背後の沖天楼に針が刺さります。
特段被害はないようですが……。
直後、ものすごい勢いでその場から移動する穴なしバウムクーヘン。
一瞬でその姿は見えなくなります。
あとに残されたのは…およそ攻撃と呼べない程度の針が刺さったジアースと沖天楼、そして穴なしバウムクーヘンの移動時の衝撃で、がれきと化した街…。
カンジの両親は、沖天楼建造の大規模事業に建築設計士として参加していました。
母親は多忙ながら自分を育ててくれましたが、父親はほとんど家にいませんでした。
カンジが5歳のころ、母親がカンジに言った言葉を鮮明に覚えていました。
「あの建物(沖天楼)には絶対入っちゃダメ。危ないから」
そのころカンジの母親は、沖天楼の設計が耐震基準を満たしていないことに気づいていました。
そんな建物の建設は止めなければならない。
しかし、巨額の金が動き、多くの人間の利権と思惑が絡む事業を、カンジの母一人で止めることなど、到底できませんでした。
母親のやつれ方が日に日にひどくなっていくのが、子供の目からも見て取れる状態。
そしてカンジが小1の時、沖天楼の落成式から間もなく、カンジの母親は沖天楼から飛びました。
父親の方は会社を辞めることもなく、それどころか出世を続けます。
もともと接点の少なかったカンジと父親には、大きな溝が生まれます…。
ウシロとはそのころに出会います。
「オレも母さん死んだ。お前と同じだ」
戦闘前、2人で話していた公園。
その公園で、小1のウシロとカンジは出会い、それ以来の友達だったのです。
相手がどこにいるか分からず、何もできない状態。
まずは、ジアースの周りでがれきの下敷きになっている人たちの救出作業。
ジアースの能力で、人の命の場所を見れますから、次々生存者を見つけます。
しかし、敵ロボットとの戦闘は、まるで進展なし。
そこに、佐々見さんがジアースのコックピットに転送されます。
相手の居場所が分かった、と。
実は米軍は、ずっと穴なしバウムクーヘンを追っていたのです。
アメリカから情報を得るのに、時間がかかっていたのでした。
その数時間後、穴なしバウムクーヘンがハワイ・オアフ島に上陸したとの情報を得ます。
直後、穴なしバウムクーヘンが攻撃を始めたと。
ハワイから?日本に向かって?どうやって?
どうやら穴なしバウムクーヘンはバウムクーヘン部分を超長砲身に変形させ、砲撃をした模様。
ハワイからの砲撃を、どうやって防ぐのか…?
田中さんが厳しい表情で
「かなりまずい事態…完全に後手に回ったわ」
カンジが沖天楼にこだわる理由が判明した今回。
それよりも何よりも、戦況が芳しくありません…。
相手の攻撃は届くけど、こちらの攻撃は届かない。
移動しようにも、相手はハワイ…48時間以内に、相手の居場所まで辿り着けるのか…?
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