コモ(古茂田孝美・こもだ たかみ)編④
6巻表紙がコモです。
【本記事には「ぼくらの」のネタバレを含みます】
戦闘開始から46時間。
リミットまで残り2時間。
ピアノの発表会場の準備は刻々と進みます。
とは言っても、外身だけ用意しました的な、コモの演奏だけを行う発表会。
他の演奏者はおらず、客席も軍関係者のみ。
敵パイロットを待つだけの用意。
このまま2時間経ってしまえば、2つの地球が「ポン」。
それまでに、敵パイロットは現れるのか…。
他のパイロットは、ジアース内で待機。
関さんと子供たちです。
アンコが「コモのところに行っちゃだめなの?」
と関さんに聞きますが、答えはNO。
公表されている情報は、「操縦者はコモ1人」。
コモに犠牲になってもらったのに、
他にもジアースに関わっている子供がいることが漏れるのはまずい。
敵パイロットの娘同様に、被災者遺族に狙われる可能性もある。
なのでNOです。
今までの戦闘は、コックピット内でジアースを操縦して、
相手と戦って…という、いわば「普通の戦闘」でしたが、
今回はまったく毛色が違いますからね。
展開次第では、これまで無かった
「他のパイロットと離れた状態で亡くなる」ということもあり得ます。
というか、その可能性の方が高いです。
アンコはそこにコモの不安を感じ、一緒にいたい、と思ったようです。
ピアノ発表会会場の控室に、コモのお父さん(国防海軍一佐の小茂田巴)が現れます。
父として、娘の様子を見に来たようです。
コモのお父さん、軍人という立場からこの状況を受け入れ、
あまり感情を表に出しません。
目の前にいる娘は間違いなく、もうすぐ亡くなります。
地球の命運如何に関わらず。
わたしなら耐えられません、絶対。
「お父さんの、軍人さんの気持ちが少しだけ分かった
世界で一番の悪者になっても、大切な人たちを守るためなら耐えられる」
「私、お父さんの子で良かった
じゃなかったら今頃、耐えられてないから」
死を間近に控えた娘がこんなことを言ってきたら…。
間違いなく泣きます、わたし。
戦闘開始から47時間半。
残り30分。
控室から会場に向かうコモ。
国防軍の多手さんが譜めくりを買って出ます。
「それくらいしかできないから…」
この多手さん、おそらく佐々見さんの部下で、
国防軍でも現場側でなく、官僚側の人なんですよね。
なのに物腰が柔らかく、腰が低い。
好感が持てます。
ステージに立つコモ。
まだ敵パイロットは現れていない…と思ったところで、
ステージ上のコモのすぐ隣に現れる
(黒コエムシに転送してもらったのでしょう)敵パイロット。
客席は軍人のみ。
「このままこいつを殺せば…」
そうです、モジの時と同じこと。
敵パイロットを殺すことが勝利条件であって、
それは敵性地球人なら誰でも良い、コモである必要はないのです。
しかし黒コエムシ。
「一瞬で彼を殺せる自信がなければ、手出ししない方が無難ですよ。」
コエムシの能力をよく分かっている佐々見さん。
狙撃班に待機を指示します。
「あなたの、演奏を聴かせてもらえますか?」
『しゃべった!!』
驚くコモですが、まぁ喋るでしょう。
「枝状分岐宇末端点」同士の戦い。
コエムシ曰く、「近い地球」同士で戦っているそうなので、
言葉も同じみたいですね。
コモと同じくらいの娘を殺された父親である、敵パイロット。
コモの父親よりは年下のようで、40代半ば~後半というところでしょうか。
見た目も普通に「地球人」です。
客席の最前列に座る敵パイロット。
「あなたも酔狂ですねえ」とは黒コエムシ。
演奏を開始するコモ。
が……、「音が固い」。
以前、本を通してしか外界と関わらなかった頃のように。
「技術はあるけどつまらない」
と言われていたころの音に、戻ってる…?
自分の演奏に、この地球の命運がかかっているのに…。
どうしよう、どうしよう。
現れてくれました。
敵パイロット。
これでやっと土俵に上れた、ってとこですね。
勝敗は……コモの演奏次第。
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