コモ(古茂田孝美・こもだ たかみ)編①
6巻表紙がコモです。
【本記事には「ぼくらの」のネタバレを含みます】
国防軍がジアースに改修するきっかけを作った、軍人の娘・コモ。
キリエの次のパイロットは、コモです。
上に書いた通り、6巻表紙がコモです。
スラっとして長い黒髪が特徴的な、年齢よりも大人びた女の子、という印象のコモ。
しかし、内面は非常に繊細で、傷つきやすい女の子です。
小学生の頃に「父親が軍人」ということでクラスで浮き、軽いいじめを受けて以降
(中一になった今なら、軽く流せる程度のこと、と振り返っていますが)、
他者との関わりに消極的になり、本の中に居場所を見つけるようになったコモ。
ちなみに(すでに戦闘で亡くなっていますが)親友のマキとは、
ミリヲタであるマキが「軍人の娘」であるコモに興味を持って、
話しかけてきたことから友達になったようです。
そのマキの戦闘と死を通して、マキが守ったものを守るために、
自分も戦おうと決意したコモ。
戦う決意=自分の死を受け入れること。
自分の死を受け入れた時、コモの視界は一気に開けました。
自分の周りを覆っていた霧が晴れたように。
いじめを受けたことで他人との関わりに抵抗を感じ、
活字に逃げ込んだ(というと言い方悪いですが)コモにとって、
現実世界はある種フィルターを通した世界だったんでしょうね。
自分を傷つけるもの、嫌いなもの、イヤなもの、醜いものがあっても、
それはフィルターを通して、減衰した形でコモに伝わっていたのでしょう。
自分を守るための手段としては、仕方ないものかもしれません。
そのかわり、美しいもの、心を動かすもの、愛しいものも、
減衰してコモに伝わっていました。
心の壁が解けたコモ。
それは、昔から習っていたピアノの音色にも表れていました。
「技術はあるけどつまらない」と評されていたコモのピアノ。
「熱情があってすごくいい」
とピアノ講師に褒められ、
「これなら、今度の発表会も問題ないわね」
と聞かれると、
「はい、たぶん…」
不安げな応答。
ピアノがどうこうではなく、それまで生きていられるか分からないから…。
コモの周りにも、変化は起きていました。
コモの父親である海軍一佐(大佐にあたりますね)の小茂田巴は、
ジアースパイロットが戦闘後にどうなるかを、知っていました。
コモの母親は、娘がジアースに関わっていること、戦闘後にどうなるか、一切知りません。
コモがパイロットに決まった夜、小茂田巴はコモの母に、これまでの経緯を話しました。
それを受け止めきれなかったコモの母は、寝込んでしまいます。
コモの父は、娘の父である自分・軍人である自分の後者が勝ったようですが、
コモの母は、娘の母である自分・軍人の妻である自分の前者が勝ったようです。
まぁ…何の前触れもなく、元気な娘がもうすぐ死にます、
と言われたら、親なら正気ではいられないですよね…。
1週間後に迫ったピアノの発表会。
それまでに戦闘が始まらないとも限りませんが、
コモは最後の発表会のため、練習を重ねます。
自分の演奏を見に来てほしいと、マキの両親にも連絡を取ります。
マキは、キリエの前の戦闘でパイロットを務め、亡くなっています。
ただ、マキは死んだことにはなっておらず
(ダイチの時のようにジアースの隙間に入れられているのかも)、
マキの父は仕事を休んでマキを探していました。
それが無意味だと知っていても、そうは言えないコモ。
「あまりご無理をしないよう…」
というのが精一杯。
準備はすべて整った。
あとは、来るべき発表会に備えて練習するだけ。
発表会2日前、いつものように自宅でピアノの練習に励んでいると、
「取込み中申し訳ねぇな」
コエムシです。
クックック…、と悪い笑い方…。
「悪いな」
戦闘開始です。
姿を現した敵ロボットは、ジアースと同じ人型。
スリットの数は12に対して、光の数は2。
普通に考えれば「12勝」している相手。
そして今回はホーム戦。
覚悟を決めたコモの戦いが始まります。
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