概要
夏の甲子園（第101回全国高校野球選手権大会）の開幕も近づいてきましたね。
甲子園、高校野球にちなんだマンガは数多くありますが、
ちょっと変わった高校野球マンガをご紹介します。
「砂の栄冠」
「ドラゴン桜」や「アルキメデスの大戦」などで有名な、
三田 紀房（みた のりふさ）先生の作品ですね。
この作品のどこが「ちょっと変わって」いるかというと、
主人公に一千万円与えられます。
この一千万を使って甲子園に行け、と。
かなり端折りましたが、そういうことなんです。
変わってるでしょ？
それでは、あらすじご紹介します。
あらすじ
【以降は「砂の栄冠」のネタバレを含んでおります】
主人公、七嶋裕之（ななしま ひろゆき）は、
埼玉県立樫野高校の野球部に所属する２年生。
樫野高校は進学校で、特別野球が強いわけではありませんが、
学校創立１００周年に合わせて甲子園出場を目指し、
金銭・人員の面で「特別支援」の下、甲子園を目指していました。
迎えた県大会決勝。
惜しくも逆転負けを喫した樫野高校は、目標にしていた甲子園出場ならず、
特別支援も打ち切りとなります。
ここからが物語のスタートです。
特別支援の下、有望な選手を集めた３年生が引退し、
新チームのキャプテンになった七嶋。
そんな七嶋に声をかける老人、通称「トクさん」。
樫野野球部のファンで、毎日のように飼い犬と練習を見学に来ていたトクさん。
※本名は不明
実は、樫野高校が甲子園に出場したら一千万円を寄付しようとしていました。
しかし、それは間違いだったと七嶋に懺悔します。
このお金は「甲子園に行って使う」のではなく、
「甲子園に行くために使う」のが正しかったと。
今度は同じ間違いを繰り返さない、と一千万を七嶋に託します。
自分のポジションであるショートの定位置に一千万を埋めた七嶋。
「このお金には手を付けない」と誓ったものの、甲子園を肌で感じるべく、
観戦に行くためにさっそく数万円を拝借…。
甲子園に着いた七嶋は、甲子園の常連・滝本という中年男性に出会います。
高校野球が大好きで、地方予選までチェックしている滝本は、
「樫野高校は惜しかった。でも、仮に甲子園に来ても初戦敗退だった」と。
「甲子園には…甲子園の戦い方…勝ち方があるからね」
トクさんに一千万を託され、来年こそは甲子園に来なければならない七嶋。
滝本にその言葉の意味を聞きます。
高校野球は興行であり、甲子園は劇場、新聞社と高野連が興行主、
選手が役者であり、ブラスバンドが音響という「舞台芸術」。
もちろん台本が用意されており、それは観客が決めるもの。
試合が、大会がこんな風に盛り上がれば…そういった気持ちで観客は応援し、
それが台本になる。
だから、観客に好かれるチームにならなければ、甲子園では勝てない。
甲子園は関西。初出場の関東の高校が観客に好かれるはずもない。
だから初戦敗退なのだ、と。
じゃあ観客、高校野球ファンに好かれるためには…。
凡打でも一塁まで全力疾走、守備につくとき、チェンジの時も全力疾走。
眉は手入れせず、細眉なんてもっての外。
帽子は変に折り目をつけたり、浅くかぶったりせず、正しくかぶること。
選手は甲子園と言う舞台の役者なのだから、
そういう「演技」をしなければならない。
どうでしょう？
この辺りまでで、だいぶ「普通の野球マンガ」との違いを、
お分かりいただけたんじゃないでしょうか？
少ししたら、続きのあらすじもご紹介したいと思いますが、
それまで待てんという方は、是非ともマンガの方を
お読みいただければと思います。
絶対おススメです。
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