干斗達、新入りがいる小隊の危機を知り、助けに向かう松左。
「助からないと思うところは、最初から助けに行かないで」という河了貂の言い付けに逆らって……。
飄々としているようで、隊のこと、特に下の人間の面倒をよく見てくれるのが松左ですよね。
男から見ても、いい男です。
新入りの多い安丁(あんてい)の隊は、完全に周りを包囲され、逃げ場のない状態。
目の前の敵を討ち続けますが、見方は次々と倒れていきます。
干斗の首に趙兵の刀が突き刺さる寸前……間に合いました。松左の槍が。
危うく難を逃れた干斗ですが、まだまだ絶望的な状況に変わりはありません。
力技で包囲を抜けようとする松左や干斗達。
一瞬の隙。
趙兵の槍が、松左の背中に突き刺さります。
一時倒れた松左。
しかし、すぐに立ち上がり、戦闘を続けます。
そんな松左の姿を見た干斗達、新入り衆は、自分たちが命を捨てて突破口になるから、先輩たちだけでも脱出してくれと。
このままじゃ自分たちは、ただ足引っ張ったバカになると。
干斗、飛信隊の入隊試験の頃は、まだまだ甘さの残るガキンチョでしたが、飛信隊に入って成長しましたね。
立派な男です。
しかし、そんな干斗達を松左が一喝。
「そんなんなら初めから飛信隊に入って来んじゃねェよ バカヤロォ共が」
信が見ている景色を一緒に見たい、信が大将軍になるのを支えんのが俺や、お前達なんだ。
ここはまだ お前たちの死に場所じゃない。
奮闘が実り、包囲を抜けつつある小隊。
同時に、松左の足が止まります。
弱々しい声で、おれを信の近くに運んでくれ、と。
最後は出来るだけ信の近くに……。
前のめりに倒れる松左。
百人将の信、王騎に名付けてもらった「飛信隊」
その結成当初からのメンバーで、副歩兵長の松左。
幾度となく仲間の危機を救ってきた松左。
いやぁ……助かってほしいんだけど……。
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