「いつか死ぬぞ」と羌瘣に言われ、「そこら辺は考えてる」と答えた信。
いったいどんな考えが…?
昌文君は国王暗殺未遂以降、信と連絡が取りやすいよう、「渕(えん)」さんを連絡係につけました。
その渕さんに「連れて行ってほしいところがある」という信。
渕さんの馬車に乗って出発し、しばらくして渕さんに行き先を告げると…「絶対にダメです!!!」と猛反対されます。
その行先とは、……「王騎将軍の城」
渕さん曰く、「近づくものは殺されても文句は言えない」場所だそう。
信はもちろん、同行する渕さんも殺されてしまいます。
「私には玉のような子供たちが…」何とか断ろうとする渕さんに、信はお金を渡します。
戦で得た報奨金なんでしょうね。
「お金をいただいても私は…」
と中身を見る渕さん。
相当な額だったらしく、「アイア!!!」と個性的に驚き、以降は渋々ながらも2人で王騎将軍の城を目指します。
城門の前まで来ましたが、とりあえず殺されてはいません。
しばらくすると「おやぁ、これは童信(わらべしん)じゃないですかぁ。宮元の丘以来ですねぇ。ココココ」と、演習帰りの王騎将軍が現れます。
相当激しい演習らしく、兵の中には片腕が斬り落された者もいます。
演習の汗を流すため、風呂に入る王騎と王騎軍の兵達。
信と渕さんも一緒に入りますが、相手は屈強かつ、歴戦の傷が身体に多数刻まれている猛者たち。
圧倒され、萎縮する渕さん。信はいつも通り。
王騎に、なぜ自分の城に来たのか尋ねられる信。
「王騎将軍に修行をつけてほしい」
サラリと答える信。
「私に抱かれに来たのかと思いましたよ。ココココ」相変わらず冗談のきつい王騎。
「ハ!その通りであります」と言いながら、風呂でクロールする副官の騰。
このコンビ、本当に面白いです。2人とも、すごい人のはずなんですが…。
王騎将軍についてさらっと説明すると、秦国は政の先々代で「戦神(いくさがみ)」と呼ばれた「昭襄王(しょうじょうおう)」の時代に、各々が数十万規模の兵を率いて戦う大将軍6名を「六将」として、それぞれに戦争の自由を与えたのです。
無論、それだけの規模の兵を預けて謀反でも起こされたら…という危惧はありますが、昭王と六将は強い信頼で結ばれており、六将制度が成立していました。
その名は中華全土に広まり、名を聞いただけで無条件降伏して城を明け渡した、という話もあるくらい。
その六将に名を連ねるのが、「白起(はくき)」「王齕(おうこつ)」「胡傷(こしょう)」「司馬錯(しばさく)」「摎(きょう)」そして「王騎(おうき)」なのです。
つまり、大変な人物なのです。
そんな王騎に「修行をつけてほしい」と言って、周りの臣下が黙ってはいません。
「なぜ殿自らお前ごときに」「百人将風情が」「昌文君と繋がりがあるのだから、昌文君に修行をつけてもらえばよかろう」
しかし信は「王騎将軍じゃなきゃダメなんだ」と駄々っ子のようなことを言います。
王騎が「私のところまで登ってくる気なのですか?」
「いや、王騎将軍を超える大将軍になる」
漂の想いも受け継いでいる、2人分の夢なんだから。
今いる将軍に追いつくだけじゃ、まだ1人分の夢。
未だかつていなかった、そんな大将軍に。
そのために教えを乞いに来た信でした。
そしてそれに付き合わされる渕さんでした…。
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