国王陣営に肆氏を取り込むという変化が現れたように、信の周りにも変化が現れます。
貂が、「軍師になる」と言い出します。
話は遡って、国王暗殺未遂事件の夜。
羌瘣が自らの過去を語った後。
自分たちは幼い頃から蚩尤になるために生きてきたし、体質的なものもあるから、貂が蚩尤の技を体得するのは無理だと、改めて伝えます。
言い終えて、羌瘣はふと、あることに気づきます。
「一つだけ方法がある……かもしれない」
その方法が、「軍師になる」こと、だったのです。
確かに、軍師であれば剣技や力は必須ではありませんね。
しかし、どうやって軍師に…?という貂の疑問に対し、羌瘣は「自分を食客として囲いたいと言ってきた奴が、確かそっち方面だった……はず」
「かもしれない」とか「はず」とか、うろ覚えで貂に話をする羌瘣。ちょっと天然ですかね。
強くて、綺麗で、天然。かなりの強力コンボです。
「食客」とは「食客(しょっかく、しょっきゃく)は中国の戦国時代に広まった風習で、君主たちが才能のある人物を客として遇して養う代わりに、主人を助けるというもの。」だそうです。
言葉は聞いたことがあったのですが、具体的にどういうこと?というのがわたし自身分からなかったので、調べました。
ちなみに、国王暗殺の黒幕、呂不韋の食客は、3,000人(史実上)と言われているそうです。
話を戻して、軍師を目指す貂を、「そっち方面」の奴に、推薦文を書いて紹介する羌瘣。
信に、「オレは軍師になる。軍師になるまで帰ってこない。軍師になったらお前ら兵を駒のように扱ってやるから。」と告げる貂。
なんかあれですね。羌瘣・象姉の関係が、そのまま貂・羌瘣のような感じですね。姉妹のような。
迎えの馬車に乗って、羌瘣の紹介先に向かう貂。
着くと、想像を超えた規模の屋敷…というか寧ろ小さめの城レベル。
相手は相当な有力者のようです。
取次ぎを待つ間、廊下から室内の会話に耳を澄ませる貂。
白熱した議論が展開されているのが分かります。
「昌文君は早く殺すべきだ」
ハッキリと聞き取れる言葉でした。
昌文君……殺す……??
「儂は呂不韋様のために…!!」
呂不韋…様??
「お待たせしました。中へどうぞ」
扉が開くと、一斉に貂に向けられる険しい視線。
そこは、呂氏四柱の一人、天才軍師・昌平君の屋敷でした。
敵陣に単騎で赴いた心境の貂。
羌瘣の書いた推薦文が読まれます。
ザックリ言うと、
「天才を送るので軍師に育てろ。
その子の身に何かあったら皆殺しに行くので覚悟しておくように。
その子の名は”河了貂”だ」
何をふざけたことを!!と怒り出す昌平君陣営の面々。
昌平君とその弟子、「蒙毅(もうき)」だけは、何かに気づいていました。
羌瘣の推薦状(?)のおかげで、昌平君の軍師育成機関への入門が許された河了貂。
はじめは蒙毅に「ここに来たのは諜報の為ではないよね?」と疑われますが、貂の反応で羌瘣に何も知らされずに来たことが分かると、「ようこそ」と握手を求められます。
こうして秦国内最高峰の軍師育成機関に入ることになった貂。
ちなみに、機関自体は呂氏四柱としての昌平君からは完全に分離し、政治色は一切なく、貂にとって「敵地」でもない機関でした。
羌瘣の説明は不十分だったものの、その推薦状のおかげで、要は東大に推薦入試でサクッと入学してしまったようなものですよね?
ついてるなぁ…ってか羌瘣すごいなぁ…。
貂は果たして軍師になれるのか?信と共に戦場に立てるのか?(信をコマのように扱うのか?)
コメント