イシ間さんが成仏した後、ハヤシくんの心の変化や如何に…。
「癌死課」でマンガを読み耽(ふけ)るハヤシくん。
通りがかった癌死課の「竹シタ」さんが、イシ間さんより長く勤めていることに気付き、「人間いつ死ぬかも、いつ成仏するかも分からないんだな…」と。
その時癌死課を訪れていたのは「明智磨美」さん。9巻で、娘の父親は人気俳優だという手紙を遺し、乳がんで40歳の若さで亡くなりました。
明智さんを見て、お姉さんを思い出すハヤシくん。
姉貴もいつ死ぬか分からない…結婚は、自分のせいで無理かな…、などと考えながら、明智さんの資料を見るハヤシくん。
「何でこんなことしたんすか?」
自分の母親同様に、娘の出生の秘密を暴露する手紙を遺して逝った、明智さんに対しての言葉です。
「子供ができても結婚しなかった男に手紙を出して」
「娘さんは父親なんて望んでなかったのに」
「その手紙が世間に出回り、娘が傷ついたら」
「知りたくない真実を知って何になる」
「真実を残して逝くことにどんな価値が」
一頻りのハヤシくんの問い(寧ろ詰問)に一言も答えなかった明智さん。
「きっと自己満足っての図星だったんすよ 娘のことなんて何も考えてないんす」
自分のお母さんに向かって言っているようですね。
「お袋は…遺さなくてもいい真実を遺して死にました
もし、あの手紙がなかったら 親父も まりあも
きっと俺のこと気持ち悪いなんて思わなかった
そして今頃 現世で普通に…」
「勝手すよ
遺された人がそれを受け止めるのを
どれだけ大変かも考えずに
自分だけ満足して終わるなんて…」
そこでシ村さんに問われます。
「それはハヤシさんも同じではありませんか」
自分を裏切った人だけでなく、何の罪もない娘のあや美ちゃんを殺したことに対して、それは何故か、と。
「自分の子じゃないと思ったら、急に化け物みたいに思えて」殺したと答えるハヤシくんに、
「それで殺して 満足したんですね」
自分の心を満たしたいという欲求は、生きていれば当然の感情だと。
どんな形でも、大抵の人間は自己満足のために生きている、と。
「誰かのために」と言っても、「誰かのために何かをすることが、自分を満たす」のであれば、それは自己満足ですしね。
多くの人は自分を満たすために生きている、というのは真実だと思います。
明智さんの場合は、ハヤシくんに言われたリスクも考えたうえで、自分がいなくなって一人になってしまった娘に、手を差し伸べてくれるかもしれない、差し伸べてほしい、と思ったうえでの行動でだったと思いますがね。
ハヤシくんのお母さんの場合は…どうなんでしょうね。
自分の死が迫って、秘密を自分の中に留めておくのが辛くなったのか…。
「秘密を墓場まで持っていく」っていうのは、もしかすると相当大変なことなのかもしれませんね。
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