変化
4巻の最後、ミチルちゃんが成仏する前にハヤシくんに言った言葉が、ハヤシくんが犯した罪への向き合い方を変えていきます。
「ハヤシさんって純粋じゃん?だから簡単に憎しみに染まって
簡単に人を殺して
相手が悪いって思ってるから反省も後悔もしてないんでしょ
でもさ
殺人って殺して終わりじゃないんだよ
お姉さんのことも後悔してないの?
殺人犯の弟を持っちゃったんだよ?
生まれ変わったらいい人生まっとうできるといいね」
「ミチルちゃんに言われたことが
頭ん中グルグル回ってるんす」
自分が殺した相手のことは、本当に憎かったし、殺されて当然だった、と。
同時に、モヤモヤとした気持ちがずっと残っていて、それに気づかないようにしていたハヤシくん。
「真(まこと)に…本当に今更なんすけど…
反省…したいんす…」
ハヤシくんの回で詳細に触れていませんでしたが、ハヤシくんにはお姉さんがいました。
ハヤシくんの出生の秘密が分かったときも、
「姉ちゃんは、姉ちゃんだけは
ずっと晴也の味方だからね
晴也に何があっても
何をしても」
優しく慰めてくれるお姉さんが。
幼馴染のまりあと結婚した後も、ハヤシくんの相談に乗ってくれるお姉さん。
ハヤシくんが事件を起こした時も、すぐに駆けつけてくれたお姉さん。
拘置所にも面会に来て、いつも励ましてくれたお姉さん。
そんなお姉さんを「殺人犯の姉」「死刑囚の姉」にしてしまったことを、ミチルちゃんの言葉によって改めて実感したのでしょうか。
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