死役所(イシ間さんについて)


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イシ間さんが死刑になった理由【多分にネタバレを含みます】

前回語った通り、イシ間さんについて語ってみたかったので、語ります。

イシ間さんは本名(石間 徳治(いしま とくじ))です。

イシ間さんは生前大工として働き、姪っ子の「ミチちゃん」と2人暮らし。

「ミチちゃん」はイシ間さんの弟の娘で、弟夫婦が他界したため、

イシ間さんが引き取り、2人で暮らしていました。

ちなみに、イシ間さんの奥さんも他界しています。

 

イシ間さんはミチちゃんを正式な養子にはしていませんでしたが、

ミチちゃんがお嫁に行くことを想像して泣き出すくらい、ミチちゃんを愛していました。

 

そんな折、イシ間さんの家の畑に芋泥棒が現れます。兄弟で、

まだ中学生くらいの子供です。

(台詞に「戦争中は…」という言葉が出てくるので、第二次大戦後、

 昭和20年代なのでしょうか。まだ、食料に困るくらいの時代だったんでしょうね)

 

芋はまだ植え付けたばかりだから、大きくなっていないから、大根持って行って、

と兄弟に渡すミチちゃん。

優しいミチちゃんですが、これがこの後の事件に繋がります。。。

 

「戦争中は出来なかった」上棟式が久しぶりに行われ、

※上棟式

わたしは「建前(たてまえ)」と覚えていましたが、

建物の棟上(むねあ)げが終わったときに執り行う行事です。

棟上げとは、「柱・棟・梁」などの骨組みが完成した段階のことです。

ここまで工事が無事に終わったことへの感謝と、完成を祈願する儀式です。

わたしが子供のころに住んでいた地域では、「餅まき」といって、餅やお菓子、

小銭をまく習慣がありました。

久しぶりに酒を飲んだイシ間さん。

家に帰るとミチちゃんの姿がありません。

飯台には食べかけのご飯。

 

不審に思いながらも、酔いで乾いた喉を潤しに、井戸へ。

井戸と言っても、釣瓶(つるべ)式ではなく、ポンプ式の井戸ですね。

草むらの向こうで物音がします。

 

また芋泥棒かと、音のした方へ向かうイシ間さん。

小さく「ゔ~~…ゔ~~~…」と唸る声。

どうやらミチちゃんの声のようです。

 

更に歩を進めるイシ間さん。

手には鍬。

 

先日の芋泥棒兄弟が、ミチちゃんを無理矢理犯していました。

 

怒りのままに鍬を振り下ろすイシ間さん。

ミチちゃんの上半身を抑えていた弟君の肩付近に、鍬が命中。

 

いぎいいい痛い痛い痛い!

痛さでのたうち回る弟君。

 

ミチちゃんを犯していたお兄ちゃんは、走って逃げます。

ミチちゃんの家の中に入るよう、促すイシ間さん。

よろよろと、家の方に歩きだすミチちゃん。

 

再び鍬を振り上げるイシ間さん。

兄ちゃん助けてー痛いー痛いよー

顔面めがけて鍬を振り下ろすイシ間さん。

弟君は絶命します。

 

逃げたお兄ちゃんを追うイシ間さん。

お兄ちゃんは懸命に逃げますが、途中で転び、イシ間さんに追いつかれます。

 

イシ間さんを見て、謝り始めるお兄ちゃん。

「ごっごめんなさい………

 違うんです

 殺さないでください

 お願いします

 また何かもらおうと思って…

 ちゃんとお礼も言うつもりだったんです

 そしたら…

 この間の女の子がいて…

 ほ ほんの興味本位だったんです

 それで…つい…

 ごめんなさい

 ごめんなさい

 殺さないでっ…

 

素手でお兄ちゃんを殴り倒し、股間めがけて鍬を振り下ろすイシ間さん。

ミチを

 よくもミチをっ

 あんな目にっ…

 死ねクソガキ

 死ね

 クソおおおおおおお

 

強姦され、自殺未遂を図ったり、幸せを諦めたミチちゃんを、懸命に支え、育て、ミチちゃんが嫁いで1年後、件の遺体が発見されます。

ミチちゃんが受けた被害のことは隠し、前に芋盗みに来た奴がまた来たから、当日酒を飲んでいたから、思わず、と犯行を自供したイシ間さん。

ミチちゃんが減刑を求めるも、死刑判決が下り、その刑が執行されました。

 

これ、親なら同じ気持ちですよ。

「人の命は重い」「殺人はいけないこと」なんて百も承知。

でも、自分の娘がそんな目に遭わされたら、イシ間さんと同じ行動取ると思います。

本当にやれるかどうかは別として、少なくとも気持ちは、同じ気持ちです。

 

その後、ミチちゃんが「死役所」を訪れます。

案内してきたのはシ村さん。

 

シ村さんに、ミチちゃんがどうやって亡くなったのかを尋ねるイシ間さん。

お子さんやお孫さんに見守られながら

 天寿を全うされたようですよ

泣き出すイシ間さん。

「よく 生きたなぁ…」

 

少し、救われました。

いや、わたし男なんで、そういう目に遭った女性の気持ちなんて、

正直分からないですよ。

どんだけ辛いかなんて、分からないです。

なので、これは「めでたしめでたし」と纏めるための、話をキレイに畳むための、実在する性被害者の「真実」を隠した、見せかけの、きれいな終わり方なのかもしれません。

でも、「こうであってほしい」です。

そもそも、性的暴力をするやつが、元凶なのですが。

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