ひぐらしのなく頃に 綿流し編 其の弐「タカノ」Bパート
翌日、圭一君に話しかけてくる、体調の悪そうな魅音ちゃん。
聞けば、綿流しのお祭りの後、親族の宴会に巻き込まれて「クイッ」とやったらしいです。
まぁ、中学生なら。。。
って、今は昔より世間的に厳しいから、あんまり呑まないのかしら?
わたしは中学で酒もタバコも覚えたけど。。。ダメな中学生だったわ。
今もダメだけど。
軽口のやり取りから一変、まじめな口調で魅音ちゃんが聞いてきます。
「圭ちゃん、昨日の晩さ、富竹さんと鷹野さんに会わなかった?」
祭具殿のことがあるので、言葉を濁す圭一君。
「さ、あ、、、どう、かな、、、」
「そう?じゃあもう一つ質問ね。同じく夕べ、詩音に会わなかった?」
「それ、昨日も聞いたよな」
確かに、詩音ちゃんと入れ違いで魅音ちゃんやレナちゃんに会ったとき、聞かれてましたよね。
「そうだっけ?また改めて聞いたら、違う答えが返ってくるかな~、って思ってさ~♪でも、誰とも会ってないなら良かった。わたし言っておくね!圭ちゃんは何にも悪いことには加わってないって。みんなにちゃんと言っておくからね!」
「みんな」って誰のことなんでしょう、、、
「悪いこと」をしたって、誰が知っているのでしょう、、、
夕方、詩音ちゃんから市の図書館に呼び出される圭一君。
話し始めようとしたまさにその瞬間、大石さんが現れます。
待ってましたと言わんばかり。
あるいは、どちらかを付けていたのかも。。。
「こちら詩音さん?それとも魅音さん?」
双子なので、大石さんには見分けがつかないのか、それともとぼけているだけなのか。
「圭ちゃん、わたしバイトの時間です。」
圭一君を呼び出してしたかった話は、どうやら大石さんには聞かれたくない話のようです。
「夜、電話します。その時に。」
と言い残して、去っていきます。
詩音ちゃんがいなくなった後も、大石さんは圭一君との話を続けます。
「ところで、前原さんは園崎さんのことをどのくらいご存じで?」
「これといって、、、」
「園崎家は、この地域一帯を牛耳っているヤクザ屋さんです。だが、その後継ぎである次期当主の魅音さんが引き継ぐのは、そんなちんけなヤクザ組織だけではありません。園崎家そのものなんですよ。」
「はぁ、、、」
「あぁ、実感が湧かないでしょうねぇ。実は、ちょっとお聞きしたいことがありまして。」
「おれに?」
「昨日の晩、富竹ジロウさんと鷹野三四さんに会いませんでしたか?」
魅音ちゃんとまったく同じことを。
「それともう一つ。同じく昨夜なんですが、園崎詩音さんに会いませんでしたか?」
これもまったく同じことを。
狼狽する圭一君。
すると、別の刑事が大石さんのところに来て、何か耳打ちします。
この刑事、鬼隠し編の最後で、大石さんに車を回してと頼まれた「熊ちゃん」ですね。
内容を聞いた大石さんは、その場を去ろうとします。
「あ~、そうそう!あなた昨夜、4人で楽しそうに歩いてましたよね。石段のところで。では、またお会いしましょう」
確証があってなのか、ブラフなのか。子供相手に嫌な言い方をしますね。
その晩、約束通り詩音ちゃんから電話がかかってきます。
「ちぇ~っ、人を置いて先に帰りやがって!」
早速愚痴る圭一君。
「で?話って何?」
「その、、知ってますか?」
「何のこと?」
「知らないみたいですね、、実は、昨日の綿流しのお祭りの晩なんですけど、わたしたち4人、祭具殿に入ったじゃないですか」
「まあな」
「あの後、富竹さんと鷹野さんに会いましたか?」
またも同じことを聞かれ、辟易する圭一君。
「詩音はどうなんだ?会ったのか」
「もちろん会ってません。一緒にいた親類が証明できます。」
「おれだって、証明っていうなら魅音とかレナとか、皆がしてくれる」
「じゃあ、言いますね」
言い出しづらいこと、真実に、少しづつ近づくように、持って回った言い方の詩音ちゃん。
その言い出しづらいこととは。。。
「夕べ、富竹さんと鷹野さんが死んだそうです」
言いづらい真実を、言い始めたらサラッと、淀みなく言い切りました。
「鷹野さんは焼死体で、富竹さんは自殺みたいな感じで、喉を掻き毟って」
「ほんとかよ、、、」
「わたしも今朝聞いて、、、『オヤシロ様の祟り』ってことになると思います。わたしたち、祟られるのに十分な資格がありますから」
「し、資格って、、」
「でも、ちょっと考えてみて下さい。今年のオヤシロ様の祟り、おかしくないですか?例年は、1人が死んで、1人が消えるんです。それが、今年は2人死んだ!」
「そんなの!たいした問題じゃないだろ!」
「いいえ、2人がオヤシロ様の祟りで死んだなら、オヤシロ様を鎮めるための生贄もまた、2人分必要なはずなんです!」
そしてその2人とは、、、もちろん、祭具殿の禁を富竹さん、鷹野さんと一緒に犯した、詩音ちゃんと圭一君ってことになりますね。
不安になり、語気を強める圭一君。
「ただ見ただけだぜ!何かを盗んだわけでもない!おれはあんなの見ても全然楽しくなかったし!もともと興味なんかなかったんだ!!梨花ちゃんの演舞を見たかったのに、詩音が勝手に連れ出したんじゃないか!!そうだよ、詩音が中に入ろうって言いだしたんだ!!俺は、全然関係ないんだ~!!どうすんだよ?!どうやって責任取ってくれんだよ!?なぁ!おい!聞いてんのか~!?!?!」
「。。。。。ガチャ。。。。。ツーッツーッツー」
一方的に切られる電話。
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